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傍から見守り導く生活  作者: 藤沢凪
第五章  『壊れた世界』
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26  優秀


 26  優秀

 

 

「あっ、みなさーん‼︎」

 

 電話の後、数分でヨルシゲに乗ったリッカとゴロウが現れた。

 

「えっ? リッカ? 何でここに?」

 

 上手く事が運び過ぎているせいか、カイトが引き気味にリッカに言った。

 

「ヨルちゃがここに、ザリガニカイトルナが居るって教えてくれたんです!」

 

「何で? 何で分かったの? ヨルシゲ……まぁ、匂いとかでかな?」

 

 カイトは、深く考える事を止めてくれたみたいだ。

 

「ゴロウ! ゴロウも居るじゃないか!」

 

「あっ、はい! ヨルちゃが、気を使ってくれて、一緒に行こうぜ! みたいな感じだったんで、お兄ちゃんと離れずに済みました!」

 

「そうか……でも、モーニングスターが無いと……」

 

 あっ、そうだったぁー‼︎ モーニングスター無いと、洞窟を塞ぐ岩壊せ無いじゃん。

 

「モーニングスター? お兄ちゃん持ってるよね?」

 

「お、オエ、持って来た……重いから、置いてくと、言ったけど、ヨルシゲが、持って来いと言ったから、持って来た」

 

 真剣にみんなの話しを聞いてる最中に、ナキが口を挟んで来た。

 

「ヨルシゲが持って来いって言ったって事は、リナがそう言ったって事だよね? 何? ゴロウが必要って事は、モーニングスターが必要なんだとちゃんと解釈してた訳? メミの言葉足らずを補ってくれてたの? リナあの子、どんだけ優秀なの?」

 

 そうなのよぉー! リナ本当優秀なの!

 

「尊敬する相手、間違えてない?」

 

 ナキ? それどういう意味?

 

「よし! 洞窟へ行こう! ルナの体力も、もう限界だろうし」

 

 えっ? カイト、それどういう事?

 

「ルナは、大丈夫です」

 

「……ぼく達には、分からないと思った?」

 

「……なんの、事ですか?」

 

「ルナ、寝ずに頑張って来たんだろ?」

 

 嘘でしょ? 二日間、アヤト君を背負って歩き続けた後、休みもせず、隠に侵された徳無精に頭を下げて回っていたの……?

 

「途中途中寝ましたよ。寝ました! 寝ましたから‼︎ お願い。アヤトを生き返らせるまで、仲間外れにしないで?」

 

 私は、ルナの体調の異変になど、気付け無かった。私は、この世界で、何を見て来たんだろう。アヤト君の事ばかり見て来た。そして、アヤト君の仲間を、ちゃんと見ていなかった。一人よがりな事、して来てたのかな? 今みんなは、アヤト君を生き返らせる事に必死になって動いてくれてる。でも私は、他の仲間達の事を、ちゃんと大切に見守ってあげられてなかったんだ。

 

「仲間外れって、何言ってんだルナ? ルナが、一番手っ取り早くアヤトに会える方法を考えようって言ってんだ」

 

「ザリガニ……じゃなくてリーダー……何か今日いつもと違うね?」

 

「ルナが、初めてオイラをリーダーって……まぁな……じゃあ、後はカイトよろしく」

 

 うぅ……そこで人に任せなくて良い程の頭脳がザリガニにもあれば……

 

「ルナ? ゴロウと二人でヨルシゲに乗って、洞窟まで向かうんだ。アヤトの事、頼んだからな」

 

「……はい! 必ず、アヤトを生き返らせます!」

 

「ゴロウ? 君がすべての鍵を握ってるんだ! 頼んだぞ!」

 

「オ、オエが⁉︎ 頑張る。役に、役に立つぞぉ‼︎」

 

「お兄ちゃん‼︎ 頑張って!」

 

 ナキが、私の背中をそっと押して言った。

 

「行ってこい! アヤト、生き返らせろよ!」

 

「でも、ヨルシゲが連れてってくれるかどうか……」

 

 ルナとゴロウがヨルシゲの背に乗った。しばらくして、ヨルシゲが私の方を向き、お前は来ないのか? みたいな顔で見て来た。

 

「あっ、ヨルシゲ私も連れてってくれるみたい!」

 

「良かったな」

 

 私はヨルシゲの正面まで向かい、優しく咥えられ、ナキとミーヤに両手でバイバイした。

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