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傍から見守り導く生活  作者: 藤沢凪
第五章  『壊れた世界』
148/200

25  甘えん坊さん

 25  甘えん坊さん

 

 

 何はともあれ、三人が集まったからこそ、その希望に繋げたんだよ。三人寄れば文殊の知恵ってやつだね!

 

「これからゴロウを探しに行かないとかぁ。あっ、そういえばトキオは、逸れた仲間達を探しに行くんだった。ゴロウももしかしたら、トキオが見つけているかも!」

 

「そうだったんですか? でもトキオも何処に居るか……」

 

「取り敢えずリナに電話してみれば? トキオどっかで見かけてるかもよ?」

 

「そうだね! たまにはやるじゃんナキ!」

 

「たまには? あれ? 最近あたしの扱い雑じゃない?」

 

 やっと気付いたか? まぁいい。リナに電話をする事で、ナキの質問から逃れた。

 

「もしもし! 総司令ですか!」

 

 いつも元気だなぁリナは。何か良い事でもあったのかい?

 

「リナ? 今電話大丈夫?」

 

「大丈夫です! でも、ルナやザリガニはまだ発見出来て無いです……」

 

「あっ! 今ルナザリガニカイトと一緒に居るから大丈夫!」

 

「そうなんですね! 見つかって良かった。それじゃあ、ヨルシゲをそっちに向かわせますね!」

 

「へっ? ヨルシゲ? 一緒なの?」

 

「そうなんです! ルイ攻略の後は、リッカがヨルシゲに乗って行動してたみたいで、今もその背に乗ってもふもふしてるっぽいです!」

 

「もふもふしてるの⁉︎ 仲良しだね……」

 

「わたしからヨルシゲは見えないので、確かな事は言えませんが……」

 

「リッカにも見えて無いんだよね? 見えもしない魔獣とそこまで仲良くなれるの凄いな……」

 

「それじゃあヨルシゲにわたしの魔法で喋らせて、総司令の居る場所まで導く感じで良いですかね?」

 

「そうだね! ヨルシゲも居れば凄い助かる! ルナにはヨルシゲ見えるみたいだし」

 

「そうなんですね? それじゃあ、電話切りますね!」

 

「あっ、ちょっと待って! 悪いんだけどさぁ……違うお願い事しちゃってもいい、かなぁ?」

 

「何ですかぁ総司令? そんな可愛い声出しちゃって?」

 

 そうだった? 今可愛い声出しちゃってた? か、可愛いなんて久しぶり言われたなぁ。ちょ、ちょっとだけ……ブリ、使っちゃおうかな?

 

「あ、あのねぇ……? 今度はねぇ? ト、トキオたん探ちて欲しいのん……出来ればねぇ? ゴロウも探ちて欲ちいな?」

 

「ちょっとメミ? あんた何処電話してんの?」

 

 ナキに聞かれてた⁉︎ 恥ずっ……

 

「トキオですか? すぐ傍居ますよ!」

 

「へっ?」

 

「ゴロウも居ます! あとユキナも!」

 

「そうなの⁉︎ えっ、何で?」

 

 何でそんな都合良く、みんな揃ってて、リナが傍に居る訳?

 

「わたし、トキオ達を見つけてから、その傍に居たんです! トキオは逸れた仲間探し集めてたみたいで、わたしが遭遇した時にはもう、ユキナ、ゴロウ、リッカヨルシゲと一緒に居ました!」

 

「そうなんだ? やるじゃんトキオ」

 

「その時気付いちゃって……トキオ達には付いてる精霊が居ない事」

 

「……あっ! そうか! ユキナゴロウリッカに付いていた精霊はチイナに殺されてるし、トキオに付いていたミオナさんも……」

 

「そうです……だから、誰か一人でも精霊が付いていた方が良いと思って。すいません。勝手な事しちゃって……言い訳になりますが、レイナミナにわたしの役目を引き継いで貰って、ルナとザリガニを探して貰ってました」

 

「大手柄だよ‼︎ そこまで頭が回る精霊、近くに居ないよ! 丁度今、ゴロウの力を借りたかった所なんだ!」

 

 ヤベッ、大声で本音言っちゃってた? ナキとミーヤからの、鋭い視線が向けられている気配がした。だって! しょうがないじゃん⁉︎ リナ、超優秀なんだもん……

 

「そうなんですか⁉︎ それじゃあヨルシゲに、リッカどこそこに一緒に来てくれって言わせた後、ゴロウはどうする? リッカを、守るんじゃ無かったのか? みたいに導けば良いですかね?」

 

「ん、プ、プアーフェクツ‼︎ 今町の通路に居るから、そこまで導いてくれれば! いや、何かあの……リナが総司令やれば良くない?」

 

「またまたぁー! 上げ過ぎですってば! わたしにそんな力無いですし、それにわたしは……メミさんにしか従う気ありませんから!」

 

 うわぁ、大好きだぁリナ。いつもとっても気持ち良くさせてくれるんだもなぁ! ナキとミーヤにも見習って欲しいもんだよ。

 

「リ、リナ? それじゃあ……頼んだからね?」

 

「はい! 任せて下さい!」

 

「電話……切るからね?」

 

「はい!」

 

「……次……いつ会えるかな……?」

 

「またすぐ、会える日が来ますよ」

 

「……早く、会いたいな……」

 

「困ったなぁ……総司令今日は、甘えん坊さんだ」

 

「えっ? 違うの! 困らせようと思って言った訳じゃ無いの! それじゃあ電話、切ろうね?」

 

「はい」

 

「………………」

 

「………………」

 

「そっちが切ってよぉー!」

 

「総司令こそ!」

 

「カップルか⁉︎ 付き合いたてか⁉︎ 聞いてらんねぇから通話切れよ!」

 

 ナキ? 邪魔しないでよ?

 

「メミチが好きなのは、アヤチじゃ無かったんですか?」

 

 うるさいなこの二人?

 

「ごめんリナ? 邪魔入ったから、また後で、電話しても、良い……?」

 

「勿論ですよ!」

 

「じゃ、じゃあね……」

 

「はい! 御武運を!」

 

 電話を切った。本当に……本当にまた後で……電話しても良いのかな?

 

「今アヤトが居ないから、場繋ぎでリナを利用してんだよコイツ」

 

「節操が無いとはこの事ですね」

 

 何だそれは? あなた達、もう全然可愛く無い。リナがただ、可愛いからいけないんだ。

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