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傍から見守り導く生活  作者: 藤沢凪
第五章  『壊れた世界』
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10  リナ

 10  リナ

 

 

「おぉーそうかそうか! なっ! ルナ? アヤトも自力で正気を取り戻した訳だし、もういいよな?」

 

 トキオがアヤト君の肩を組んで言った。そんな仲良かったっけあんた達?

 

「じゃあ代わりにルナが一発」

 

 ルナはそこら辺にある剣を持って言った。

 

「ウォォォォォォォォイ‼︎ それ持っちゃったらさぁ、一発じゃ無くて一太刀だよなぁ? 意味合い変わって来るんじゃ無いかなぁ? なぁアヤト?」

 

「ルナ、トキオの気持ちはもう分かったし、良いじゃないか?」

 

「聞かれてたァァァァァッ⁉︎ アァァァッもういい。どうにでもしてくれ……」

 

「やっと素直になりましたね」

 

 トキオ恥ずいよな……あと、それがルナにとっての素直なの? ちょっとズレてる気がするんだけど?

 

「み、みんなを探しに行こう」

 

 あれ? アヤト君もちょっと恥ずかしがってる? まぁいいか。確かに、みんなどうなってしまったのだろう? ザリガニ、カイト、ユキナ、ゴロウ、リッカ、マモル、マキナさん、名前が分かるのはそれくらいかな。

 

 ってか、何なんだろこの空気。息が詰まる。狂気に溢れた空気。

 

「リナ? マモルのパーティーの精霊の顔って覚えてる?」

 

 さっきのイーグルとの会話の中で、どうしても気になる箇所があった。

 

「はい! 全員分かります!」

 

「優秀だなぁリナは。私は、全然覚えて無いよ。情け無いよ……」

 

「そんな⁉︎ 誰にだって得手不得手があります! メミ総司令には、何か策があるのでしょう? なんなりとお申し付け下さい!」

 

「おぉ……めちゃくちゃ気持ち良くさせてくれるじゃないかリナ副司令!」

 

「えっ⁉︎ ちょっと待って? その子が副司令? あたしかミーヤちゃんじゃ無いの副司令は⁉︎」

 

 うわっ、ナキ……久々に面倒臭い所出てるじゃん。

 

「そうですよ。わたしに副司令なんて勿体無いです。呼び名なんて何でも良いんです! メミ総司令のお役に立ちたいんです!」

 

 リナ超健気! 最近のナキ全然可愛く無いわ。

 

「取り敢えず、ナキとミーヤは自分のパートナー探した方が良いんじゃない? こっちは何とかなりそうだし」

 

「そうですね。ナキチ、行きますよ!」

 

「ま、まぁ確かに。何か、あたしが器小っちゃいみたいになってない?」

 

 それ言っちゃう時点で底知れるんだけど? でもそこが、ナキの可愛い所でもあるけどね。ナキとミーヤがパートナーを探しに離れた。

 

「よし、リナ? 本題に入るね」

 

「はい!」

 

「ってか、あんた達のパートナーは大丈夫なの?」

 

「心配ですけど。レイナとミナとナナに任せました! わたしは、メミ総司令を補佐するべきだと思ったので!」

 

「何でそんな……パートナーの方が、大事じゃん……」

 

「なにか、大切な用事があるのでしょう? 短い付き合いですけど、なんとなく、メミ総司令の表情で、その思惑の重要度が分かるんです」

 

「めちゃ優秀……息子が居たら嫁に欲しいわ」

 

「そんな……それに、レイナ達はもっと凄いんです! 三人に任せておけば、心配なんておこがましい位なんです!」

 

「しかも仲間想い! 私が男だったら意地でも妻にめとるわ! ってそんな話しはさておき、見慣れない精霊が居ないかどうか、見張ってて欲しいの」

 

「見慣れない精霊、ですか? でも、リンクしないと見えないんじゃ……」

 

「そうか、知らないよね? イーグルに、オールリンクなるものをされて、今、この世界に居る精霊全員、姿が見える様になってるの」

 

「って事は! いつチイナから襲われてもおかしく無いって事ですか⁉︎」

 

「そう。でも、それは向こうも同じ。みんなの姿が見える様になったって事は、みんなからも自分の姿が見えるって事。それって、どっちが不利だと思う?」

 

「……ちゃんとわたし達がその情報を共有出来れば、姿が見えるから、ステイが掛けやすい! しかもキャンセルの数が足りないから、圧倒的にこっちが有利だ!」

 

「と、思うじゃん? でもイーグルは、オールリンクする時、私達に不利に働かせ様としてそうしたんだよね。そして、口を滑らした」

 

「えっ! 何ですか⁉︎」

 

「チイナ、達って言ったの」

 

「たち? もう、チイナしか残って無い筈じゃ?」

 

「居るんだよ。そして、私の予想が正しければ——」

 

「メミ総司令! あそこの物陰に、見慣れない精霊が!」

 

「リナ超優秀‼︎ 行こう!」

 

 私は男の精霊から奪ったレイピアの柄を握り締め、リナとその精霊の元に近付いた。

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