表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
傍から見守り導く生活  作者: 藤沢凪
第四章 『ルイ攻略戦』
116/200

52  ルイ攻略戦⑦ 骨

 52  ルイ攻略戦⑦ 骨

 

 

「リナ! そっちはもういいから、ミオナさんの手当てを!」

 

「はい!」

 

 男の精霊の口をつまんでいた指を離し、リナがミオナさんに駆け寄った。

 

「ケッ!」

 

 何がケッ! だよこの精霊! アァァアァァ言ったり、マジガキじゃん!

 

「あんた達が持ってる武器って……なんなの?」

 

 言うのも憚れる。

 

「なぁーんだろ? 教えるかバーカ!」

 

「いや、もうほぼほぼ分かってるんだ……」

 

「かま掛けたってなんも喋らねぇぜ」

 

「骨でしょ?」

 

「なっ⁉︎」

 

 分かりやすっ⁉︎ 完全に図星つかれたリアクションじゃん!

 

「あなた達に殺された精霊の亡骸から、骨が抜き取られている事を知った。その骨を加工して、その凶器を作ったんでしょ?」

 

「ハハッ、まぁバレたとしても、お前達に同じ事が出来るとは思えないがな」

 

「そんな事する訳無いでしょ⁉︎ 頭おかしいんだよ‼︎ そんなの……考えただけでもゾッとするよ……」

 

「それなら、知らない方が良かったなぁ⁉︎ 最悪だろ⁉︎ 自分が、他の精霊の骨で作られた武器で殺されるなんてよぉ⁉︎」

 

「本当、最悪だよあんた達。救い様が無い。でも、知れて良かった。そのおかげで、こっちも色々と対策が出来たから」

 

「強がっちゃって、可愛い奴だなぁ?」

 

「その発想を利用して、その縄も作れたんだ。それに、弱点も分かってる」

 

「はぁ? 弱点だと?」

 

「精霊同士は、リンクしないと触れ合え無い。だから、リンクをしていないとその武器は当たらない。あなた達、リンクする時必ずその武器を私達に接触させてリンクしてた。その武器も精霊の一人として、パーティー外の人間だと、リンクしなければ触れられ無かったんだ」

 

「それの何が弱点なんだよ?」

 

「あなた達、ステーションですぐに諦めて逃げたでしょ? 疑問に思っていたの。武器もあるあなた達が、こちらが数で優位だとしても、逃げる必要あったのかって。結論は、警戒されていたら、あなた達は圧倒的に不利になる。しかもこの数の精霊相手に、キャンセルの数も足りないまま、突っ込んで来れないもんね。そして逆に、こちら側から一方的にリンクされたら、あなた達の武器は触れられ無い上、囲まれて捕らえられる可能性がある。それがあなた達の弱点」

 

「さぁ、どうかな……」

 

 コイツ、誤魔化すの下手だなぁ。喋ってたら色々ボロ出すんじゃ無いかな?

 

「ナキ! ……じゃ無くてミーヤ! 今コイツとリンクしてるよね? コイツの持ってたレイピアここにあるけど見える?」

 

 あぶね、ナキとは決別中だったんだ。いつもの癖でナキに振ろうとしちゃったよ。

 

「みぃですか? 見えません! 作戦立ててた時メミチ、ステーションの時の事言ってましたけど、予想的中って事ですね」

 

 そう、ステーションでナキ達がコイツにリンクした時は、鏡を見ながらリンクした。その時見えてたレイピアは、裸眼で見るとあら不思議、見え無くなっていたのだろう。ナキのその後の言葉を後々考えてみると、その違和感の正体に行き着いた。

 

「自分達の仲間の精霊を殺したのも、リンクし続けないと武器が見え無くなるから、仲間の精霊だったらいつまでもリンク状態になるから、だから仲間の精霊を殺したんでしょ?」

 

「へへっ、なかなかの名探偵ぶりだなぁ?」

 

 その時、リナが声を荒げた!

 

「メミさん‼︎」

 

「うわっ! びっくりしたぁ。どうしたリナ?」

 

「ミオナさん、脈あります! 出血も止まりましたし、安静にしていれば、もしかしたら助かるかもしれません!」

 

「マジか⁉︎ ……うぅぅぅ、良かったよぉ。チイナも警戒されてちゃなかなか手出し出来ないだろうし、取り敢えずルイを凌いで、チイナは機会を伺おう」

 

「甘ぇな?」

 

 寂しいのこの人? ずっと話しに入って来んだけど?

 

「何か用?」

 

「お前、チイナにリンクされてる事忘れたのか?」

 

「あっ、そういやされた」

 

「確かに、警戒されてたらこっちは動き辛い。でもなぁ、今チイナとリンクしてんのはお前とミオナだけだ。リンクして刺すならステイされる危険性も高まるが、お前の隙だけ狙って刺すくらいは余裕で出来る」

 

「確かに……他の精霊は鏡越しにしか見れないから、気付いたとしても、的を外したり、キャンセルを掛けられる事を考慮するなら、二枚はステイを掛けないと止められない! でも……」

 

 何でそんな事教えてくれるの? それ教える事って、あなた達の利になる気が全くしないのだけど?

 

「怯えろ‼︎ 震えろ‼︎ 泣き喚けぇ‼︎ へへへへへへへへっ」

 

 ……それが理由⁉︎ 私の怯える姿を見る為だけに助言くれたの⁉︎ 良い奴では勿論無いのだけれど、利用価値のある捕虜だなと思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ