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傍から見守り導く生活  作者: 藤沢凪
第四章 『ルイ攻略戦』
109/200

45  リナレイナミナナナ

 45  リナレイナミナナナ

 

 

 肩を掴まれた。振り向くとそこには、ミオナさんが居た。

 

「えっ⁉︎ 生きてたんですねじゃ無くて、何か用ですかでも無くて、あ、あのー……今ちょっと大事な所なので、後でいいですかね?」

 

 私は、怒られるのを先延ばしにしたくてあたふたしてしまった。

 

「メミ? あなたさっきの二行程のセリフで、わたしの逆鱗に三回触れたわよ?」

 

 三回も⁉︎

 

「あ、あの、すいませんでした」

 

 取り敢えず謝っておいた。

 

「まず、生きてたんですねって、何? 死んでた方が良かった? 何か用ですかって、用あるからリンクしてるんだけど? 大事な所なので後でいいですか? って、わたしの話し、あなた達にも大事な事なんだけど?」

 

 ちゃんと用があったんだ⁉︎ 正直リンクされた瞬間、面倒くさって思っちゃったよ!

 

「そうでしたか! 私、本当使えなくて、足引っ張ってばかりで、役に立たない女ですね。やっぱり、嫌だなぁ……あっ! ごめんなさい! 私、嫌いなんです。自分の事……」

 

 可哀想な子だったんだなって、理解して怒りをおさめてくれないかな?

 

「そんなに自分を責めちゃダメよ? ところで、わたしの逆鱗に触れた意味ちゃんと分かってる?」

 

 絶対逃してくれないよこの人‼︎ どうしよ……為す術無いんだけど?

 

「あ、あの……」

 

「はぁ……そんな事より、時間も無いんだから、こっち側の精霊紹介するわよ?」

 

「へっ? お咎め無し?」

 

「お咎めなんかしてる暇無いでしょ⁉︎ メミ? ちゃんと現実見なさい⁉︎」

 

 良かった。お咎め無いんだ。……で、何の話しでしたっけ?

 

「あっ、精霊紹介してくれるんでしたっけ?」

 

「そう。今は同じパーティーじゃ無いけど、マモルのパーティーの精霊はみんな顔見知りだから」

 

「そうか! でも元トキオのパーティーの精霊ですよね? 何かあんまり期待出来ない気がするんですけど?」

 

「それは、わたしがチイナの暴走を止める為に色々指示出してたもんだから、パートナーを自由に導けずにいたからよ。今は自由になって、少しずつ良い方に導けていると思うわ」

 

 確かにマモル達のパーティーは、私達やトキオを助けてくれた。導く者の思想によって、ここまで変わるのかと驚きだ。

 

「数の優位は圧倒的にありますね! ここで、チイナとその仲間の精霊をやっつけましょう!」

 

「そうなのだけど……向こうには精霊を殺す力がある。数が多ければ被害も増えるし、誰かを人質に取られればわたし達は動けなくなってしまう。闇雲に全員で掛かるのは危険だと思うの。向こうのパーティーの精霊はチイナしか知らないし」

 

「人質……そっか。そこまで考えて無かった。向こうは何でもアリの徳無精ですもんね。でも、向こうのパーティーの精霊はそんなに居ないと思います!」

 

「精霊が徳無精? そしてそんなに居ない? 何言ってるの?」

 

 そっか、いくらミオナさんでもそこまでは知らないのか。

 

「神に聞いたんです。精霊にも何人か徳無精を混ぜたって、あと、チイナはパーティーの精霊を四人殺してるみたいです」

 

「想像するだけでもおぞましい……確かに、ルイのパーティーの精霊全員が、チイナに賛同する筈無いもの。相手は少数とみて間違い無いでしょうね。神の奴、何精霊に徳無精混ぜてんの? 頭おかしいんじゃ無い⁉︎ メミ神に聞いたってどうやって?」

 

 さすが、ミオナさんは神に臆する事は無い!

 

「神の携帯番号知ってるので、電話して聞きました!」

 

「はっ? 何で? まぁ良い。後で電話しましょう」

 

 ヒィィィッ! 修羅場が待ってるな……

 

「アヤト君達とルイが戦う時、私達とチイナ達、精霊同士の戦いも同時に起こる訳ですよね?」

 

「そうなるね。備えておける知識は共有しておかないと、だから話し掛けたのよ? それをあなたは、大事な所なので後で良いですかって言って退けたの」

 

 ま、まだ根に持ってる⁉︎ お咎めしてる暇なんて無かったんじゃないの⁉︎

 

「あ、あの……なんと言うか……」

 

「もういいわ。話しを先に進めましょう」

 

 本当かなぁ? どうせまた後で言って来るんじゃないかなぁ?

 

「私達は、ナキとミーヤとミオナさんの四人で戦う事になるんですかね?」

 

「いや、マモルのパーティーの中に連携に特化した四人が居るから、その子達にも協力してもらいましょう。その子達を紹介したかったの。リンクしてくるから待ってて」

 

 四人か、マモルのパーティーの四天王って事だな。その人達がチイナを攻略する糸口となれば良いのだけれど。

 

 しばらくしてミオナさんが戻って来た。

 

「さぁあなた達、ここにメミ居るからリンクしてって」

 

 次々と肩を掴まれて、四人の精霊が姿を現した。

 

「あっ、初めまして、メミです」

 

「あなた達も自己紹介して」

 

 ミオナさんが四人の精霊に自己紹介を促した。

 

「リナです!」

 

「レイナです!」

 

「ミナです!」

 

「ナナです!」

 

「MAXか⁉︎」

 

 安室奈美恵のバックで踊ってたスーパーモンキーズがグループ組んで四人編成で売り出されたのが起源のMAXか⁉︎ 紅白にも五回出場してて、シングルとアルバムの総売上枚数が千百六十一万枚を記録しているMAXか⁉︎

 

「マックス? どうしたのメミ?」

 

「あっ、何でもありません……ただ名前が一緒だったんで……」

 

「名前が一緒? 何言ってるの?」

 

 説明面倒臭いから、話し逸らそう。

 

「神に電話しましょう! 夜も更けて来ましたし、お爺さんなんで眠るの早そうですし!」

 

「……まぁそうね。電話出たら代わって」

 

 額に青筋浮かんでる! 怖っ……神、話題逸らす為に使ってゴメンね……

 

 神に電話すると、三回程のコールで出た。

 

「あっ、もしもし? メミだけど?」

 

 スピーカーに設定して、ミオナさんに携帯を渡した。

 

「メミか? ちょい前の電話、おぬし途中で通話切ったじゃろ⁉︎ 掛け直さんでも良いがショートメールくらい送って来んか! わしを誰じゃと思うとる⁉︎」

 

「神でしょ?」

 

「へっ?」

 

 神は、現在電話口の相手が私じゃ無い事に気付いた様だった。

 

「オイジジイ‼︎ 何で精霊の中に徳無精混ぜやがった⁉︎ 無茶苦茶なってんだろうが分かってんのかコラァ⁉︎」

 

 ヒィィィッ‼︎ 言葉使いだけは丁寧なミオナさんのマジギレ怖すぎるって‼︎ 神、何かゴメンね。

 

「お、おぬし‼︎ ミオナか⁉︎ あ、あの、その……で、でも! 導く者の中に徳無精を混ぜたのは問題じゃったが、その場合は、パートナーのプレイヤーを精霊の位の者をプレイヤーにしたのじゃよ! まさか、導く者の思想によってここまで無茶苦茶なるとは思わなかったのじゃ⁉︎」

 

 んっ? って事は、ルイは現世で徳無精じゃ無かったって事? それどころか、精霊になれる程徳を積んだ者って事?

 

「思わなかった、ゴメンなさい。で済むと思ってんのかコラァ⁉︎」

 

 あぁ……もう勘弁してあげられないかな? 神、お爺さんなのに可哀想だよ……

 

「そ、そうかもしれんが、みんなで力を合わせて、何とかしてくれぬか?」

 

「アァッ⁉︎ ってかジジイ‼︎ テメェまだゴメンなさいすら言ってねぇかんな⁉︎」

 

「う、うぅぅぅ、ちょ、ちょっとお腹痛くなってしもうた。ト、トイレに行って来るとするでな」

 

「ハァッ⁉︎ それで逃げ切れると思ってんのかテメェ‼︎ ぶち殺してやろ——」

 

 ツーツー……

 

「アイツ、電話切りやがった」

 

 怖っ……ミオナさんは、神さえ恐れる存在なのか! でも、私達にも厳しいけど、上の立場の人にはもっと厳しいって、上司の鑑なんですけど!

 

「チッ、まぁ良い。話しを進めよう」

 

 そして、アヤト君達はルイの対策を、私達はチイナの対策を、夜が明けるまで話し合った。

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