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傍から見守り導く生活  作者: 藤沢凪
第四章 『ルイ攻略戦』
105/200

42  想像を絶するだらしなさ

42  想像を絶するだらしなさ

 

 

 ザリガニ達の元へ戻る道中、トキオがずっと喋っていて煩わしかった。

 

「いやぁ良かったぜ! コイツそんなに喋った事無ぇなって奴も居たから、まさか全員蘇らせれるとは思って無かったぜ!」

 

 トキオが元パーティーのメンバー達とくっちゃべってた。ってか、自信も無いのにやってたの?

 

「トキオ? 分かってるんですか? 想いが弱くて呼び戻せ無かったら、もう二度とその人は生き返れ無かったんですよ?」

 

 ルナの言う通りだよ! 重大な事だったんだよ⁉︎ 分かってるの⁉︎

 

「えっ……? そうだったのかよ……ヤバかったじゃん……」

 

 あっ! 分かって無かったの⁉︎ だからあんなほいほいいけた訳ね⁉︎

 

「知らなかったんですか⁉︎ あぁ、そういえばそのルール言った時まだトキオ死んでましたね。まぁ……みんな呼び戻せたし良かったですね」

 

 そうだったか! 今回ばかりはこちらに落ち度があるけれども、トキオに謝るのはなんかね……気にして無いっぽいし、良いよね?

 

「それって、もし失敗してたら……んだよ! 何回もチャレンジ出来ると思ってたじゃねぇかよ! 先言っとけよ‼︎」

 

 やっぱ気にしてたか。落ち着いてね……いっぱい人居たし、誰だって全てを完璧にはこなせないよ……

 

「結果オーライです。ってか、これからどうするんですか?」

 

 そうそう! 頭切り替えていこう! 結局ルイを倒すってのはどうするの?

 

「みんな助かったんだ、無理にルイを攻略する必要は無いよ」

 

 えっ? カイトがその言葉を言うの?

 

「カイト……でも君は、ルイを憎んで……」

 

 そうだよ。そういう話しで揉めたんじゃん。そりゃアヤト君もハテナだよ。

 

「君にそんな呪いを掛けたかった訳じゃ無いんだ。ただ、もしももう無理なら、君の口から、諦めるって聞きたいんだ」

 

 そういう事か。アヤト君が口籠ると、トキオが続いた。

 

「そうだよアヤト、これからどうすんだ?」

 

「そう……か……僕が、決めなきゃいけないのか……」

 

 ってか何でアヤト君が決めなきゃいけない訳? そういうの苦手な子なんだよ。

 

「君が、どんな結論を選んでも、誰も君を責めたり何かしないよ。まぁ、ただ、奪われた野犬達の命は戻らないけどね」

 

 プレッシャー掛けるんじゃ無いよカイト! 戦う方へ促してるじゃないか!

 

「俺達は、自分達で色々やってみるぜ。リッカをルイのパーティーから抜けさせないといけねぇしな」

 

 そうか、忘れてたけど、リッカはまだルイのパーティーに所属しているのか。

 

「ねぇ? そういえば、何でマモル達はトキオのパーティーを抜けられたの?」

 

 んっ? 確かにそうだな! パーティーを抜けるのには条件があるって言ってた! 一つはルイが言っていたからちゃんと覚えてる。パーティー結成の初期メンバーの許可があれば抜けられる。それでユキナとゴロウはルイのパーティーから抜けれたんだ。でも、マモル達にその許可が出たとは思えない。だって、トキオを倒した後は、ずっと近くに居たんだもん。

 

「お前そんな事も知らねぇのか? パーティーの過半数の奴がパーティーを抜けたいって申請すれば、パーティー離脱が認められんだよ。やたらと人数増やした俺のパーティーは、あっという間に俺一人になってたよ」

 

 そうだったのか! いや、多分ゴッドブックに載ってたんだろうなぁ。みんなちゃんと付いてる精霊から説明受けてるのかな? 完全に私の怠慢だな。

 

「えっ? 認められるとかなんとか、何の話しをしてるの? 心で願えば神が聞き入れてくれてみたいな?」

 

 そうだねぇ……そういや、パーティー組んだとか何とか、全部口約束だったんだけど?

 

「はっ? 神? 何言ってんだよ? 初めて仲間が出来た時も、パーティー組みますってなった時も、部屋のパソコンで運営に申請するだろうが?」

 

 なにそれ?

 

「なにそれ? そんな事した事無いよ?」

 

「はぁっ? 運営に申請して、正式なパーティー組めましたってメールと規約書みたいなの送られて来ただろ?」

 

「そんなメール、送られて来た事無いよ?」

 

「はぁっ⁉︎」

 

「ぼくもパーティーへの加入の申請は送ったよ? アヤトとザリガニとルナのパーティーに入りましたって」

 

 カイトは送ってたの⁉︎ 何で教えてくれないの?

 

「その後運営からメール来た?」

 

「いや、来てない……来ないものだと思ってた……」

 

「お前ら今、正式にはパーティーでもなんでもねぇぞ?」

 

「えっ?」

 

 はぁぁぁっ⁉︎ 何それ⁉︎ 私達、正式にパーティー組めて無かったの⁉︎

 

「メミチ……そんな事もして無かったんですか?」

 

 ミーヤが話し掛けて来た。

 

「そ、それは……ごめんミーヤ、私、ゴッドブックちゃんと読んで無くて……明日読もうとか、今日時間無いしとか、どんどん先延ばしになって、私の、想像を絶するだらしなさ、ルーズさによって、こんな状況に陥ってしまいました……」

 

「徳井か⁉︎ まぁそんな深刻な話しじゃ無いですよ?」

 

「えっ⁉︎ だって、脱税なんて、刑事責任にさえ問われる話しな訳で……」

 

「それは徳井の話しですから! 可哀想だしイケメンだし面白いんだから、それ以上イジらないで下さい‼︎ メミチは脱税した訳じゃ無いし、刑事責任にも問われません!」

 

 さてはこの子、現世でチュートリアルのファンだったな?

 

「そうだよね……でも、きっと……これから嫌味ったらしい刑事ばりにミーヤに詰められるんだろうね……」

 

「何ですかそれ⁉︎ もしこれからみぃがメミチ責めたら、嫌味ったらしい刑事ばり扱いされるやつじゃないですか⁉︎」

 

「私が……悪いんだもん……」

 

「何ですかその潤んだ瞳で許しを乞うヤツ⁉︎ 世論味方に付けて、みぃが悪い人みたいになる戦法じゃないですか⁉︎」

 

「世論? 何の事?」

 

「あっ、大丈夫です。ってか、みぃ達は正式なパーティーになってますよ?」

 

「へっ? でもメール送って無い……」

 

「何故正式にパーティーを組めているのか理屈ははっきりとは分かりませんし、プレイヤー同士に変化は無いのですが、みぃ達には、はっきりと見えているじゃないですか?」

 

「あっ、そっか……」

 

「やっと、気が付きましたか?」

 

「正式にパーティーとかじゃ無くても、心が繋がっていれば! 絆があれば! 私達は仲間なんだって事だよね⁉︎」

 

「全然違うし‼︎ リンクしなくても姿見えてるでしょ⁉︎ それが仲間って証です‼︎」

 

 あっ、何かナキに説明してもらってたな。パーティーのメンバーはリンクしなくても姿が見えるって。

 

「正式にパーティー組んでる事になってるの? なんで?」

 

「知りません。もうどうでも良くなりました」

 

 諦められたし⁉︎ ミーヤに理解力皆無扱い、トキオの様な扱いをされてしまった。

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