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傍から見守り導く生活  作者: 藤沢凪
第四章 『ルイ攻略戦』
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40  泥臭い恋

 40  泥臭い恋

 

 

「トキオを、生き返らせて下さい」

 

「あなたは、本当にトキオの事を大切に想っていますか?」

 

 急にどうした? そんな事、今まで聞かなかったのに……

 

「何でそんな事、聞くの?」

 

「前の二人は大丈夫だと思ったんで言わなかったですけど、祈る想いが弱いと、魂を呼び戻す事が出来ず、その人は二度と生き返らせる事が出来なくなってしまいます。まぁ、ルナに支障はありませんが、一応聞いてみました」

 

「ワタシは、大丈夫じゃ無いかもって事……だよね?」

 

「気に障りましたか?」

 

「いいえ。そう思われても、仕様が無いもの。あんな泥臭い恋して、別れて、パーティー組んでって、笑っちゃうわよね……」

 

 泥臭い恋⁉︎ そんな泥の臭いする恋なんてあるのか⁉︎ 私の現世での恋愛、まぁそんなして来なかったけど、泥臭いって言える様な恋愛無かったよ。

 

「どうします?」

 

 聞かないの? 泥臭い恋の内訳。そんな興味無いのかな? でもゴロウとユキナと戦ってた時、トキオとユキナの会話聞いてルナ泣いてたけどなぁ。

 

「お願いします。ルナさん」

 

 ユキナが意志を固めた。

 

「トキオも殺されたのか⁉︎」

 

 そっか、カイトはびっくりするよね?

 

「マモル達、って言ってもカイトは分からないか。元トキオのパーティーだった人は、全員ルイに殺された……」

 

「そんな……」

 

「今はトキオのパーティーの元ルイシックスのユキナと、ルイのパーティーに所属しているけど反旗を翻してるリッカだけは生き残って、リッカのお兄ちゃんのルイファイブのゴロウはさっき生き返ったんだ」

 

「えっ? 何言ってるの? ルイのパーティーのメンバーが今はトキオの仲間で、中にはまだルイのパーティーに所属してるけどこちら側の子が居て、お兄ちゃんのゴロウはルイファイブ? 何を言ってるの?」

 

 よく考えてみれば、意味分かん無くて理解し難いよね? でもカイト、ほぼほぼ流れ追えてるよ?

 

「ちょっと色々あって……」

 

「ゴロウは今どんな立場なの?」

 

 めっちゃ流れ追えてるな! ほぼほぼのほつれ突いて来た。理解力良くて助かるわ。

 

「ゴロウも今トキオのパーティーだよ」

 

「えぇ⁉︎ なんだいそれは⁉︎ ぼくが居ない内に、一体何があったというんだい⁉︎ わくわくするな!」

 

 急にわくわくさん出て来た⁉︎ こっちの会話聞いてるより、トキオの方見とこ。

 

 目を離している内に、トキオは蘇っていた。

 

 あれぇ? ユキナとルナ、泣いてんな。

 

「はっ? 何だこれ⁉︎」

 

 ユキナは、人目を憚らず、トキオに抱き付いた。

 

「うぇぇぇぇぇぇん、うっ、良かったよぉ……良かったよぉ!」

 

「何だよお前! ってか何だよここ?」

 

 あれルナは? あっ、居た。隅で音立てて鼻かんでる。しょうがないよね、ここティッシュ無いもんね。そうやって、脇の岩に鼻水垂れ流すしか無いもんね。ってかこの二人の昭和な恋愛譚好きすぎでしょルナ⁉︎

 

「ここは洞窟、儀式を経て、トキオは生き返ったんだよ?」

 

「洞窟? 儀式? 生き返った? 何言ってんだ全部分かんねぇよ⁉︎」

 

 理解力皆無の人居たわ。説明するの大変そう……あっ、ルナ戻って来た。

 

「やっぱり、あなたの愛は本物だったのですね。すいません。もらい泣きしてしまいました」

 

 ルナは、その想いがニセモノで無い事を知って泣いていたのか。チョロ過ぎない? ルナは、現世でしょうもない恋愛ドラマでも泣いちゃう人だったんじゃないかな?

 

「愛が本物? 何言ってんだ?」

 

 トキオがルナの言葉に疑問を持ってしまった。

 

「な、なんでも無いわよ! とにかく、あなたは生き返ったの! この話しはおしまい!」

 

 恥ずかしいのかなぁ? でも、そんな応えじゃ理解力皆無のトキオは納得出来ないんじゃ……?

 

「まいっか。不思議な事もあんだなぁ」

 

 単純‼︎ 理解力無さすぎるとそんな事すらどうでも良いんだ⁉︎ ある意味カイトより説明省けて楽だよ!

 

「ルナ、まだいけますけど、ただ、さっき言った様に、想いが強く無いと魂を呼び戻せ無いのです……」

 

 ピスオ、通称マモルも生き返らせたい所だけど、その縛りで思う様には出来ないな。

 

「何だよ。後は誰を生き返らせたいんだ?」

 

 トキオは殺された後だったから知らないもんね。

 

「マモルと、そのパーティー全員だよ……」

 

 アヤト君が、無情な現実を伝えた。

 

「はっ⁉︎ 嘘だろ……全員、死んだのか?」

 

「僕達を助ける為に、ゴメン……」

 

「……それは、俺達の意思でやった事だ。お前が謝る事じゃねぇ」

 

「でも、マモル達は、縛りがある限り、生き返れない……」

 

「俺がやる!」

 

 えっ? トキオには無理でしょ?

 

「トキオ……悪いけど、無理じゃないかな? 君はマモルがパーティーに所属してた時、彼をないがしろに扱っていたじゃないか? ルナの話し、聞いていた? 想いが強くないと、魂を呼び戻せ無いんだよ?」

 

「アヤト、確かに俺は、パーティーメンバーの事を大事に出来ず、自分の都合の良い駒の様に扱っていた。でも、離れた事で気付いた。なんて言うか……あいつらの大切さに。この気持ちは嘘じゃねぇ! 俺にやらせてくれ!」

 

「……分かった! ルナ?」

 

「はい。トキオ、こちらに立って、祈って下さい」

 

「おう」

 

 儀式が始まった。ってかこれ儀式って区別でいいの? まぁ良い。果たしてトキオの想いは本物なのか? あっ、良かったじゃん。マモル蘇ったわ。

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