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盆の来客
去年の盆はUターンラッシュで酷い目にあったから、今年は帰省の日程をずらして早めに戻ってきた。
今なら仲間のやつらはまだ実家だろう。
のんびり一人酒を楽しもうと用意していると、突然インターフォンが鳴った。
白川だった。
連絡もなしにいきなり来るとは大胆なやつだ。
なぜ俺が居ると分かったのか聞くと、なんとなくだと言う。
野生の勘か。
おののいたが、白川の後ろを見て納得した。
明治時代の政治家のような立派な髭の爺さんがいた。
白川が持ってきた肴を皿に盛り、俺が実家から持ち帰った地酒を開ける。
箸やグラスが三人分あるのを見て、白川がおやという顔をした。
「なんだ、誰か来るのか?」
「もういる。お前が連れてきた。盆だから先祖じゃないか?」
爺さんが礼を言うように頭を下げたので、俺も頭を下げる。
白川は何も言わずに姿勢を正した。
こいつでも先祖を敬う気持ちはあるのかと、少し可笑しかった。
H30年9月13日 一部改稿