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川
夜中に小腹がすいて、コンビニに行くことにした。
信号待ちでぼんやりしていると、視界の端で黒っぽい何かが動いた。
河童だった。
河童はガードレールに座って、水掻きがついた足を子どものようにブラブラさせている。
どうやら信号が青になるのを待っているらしい。
街中に河童。かなり不自然な光景だ。
いやそもそも河童がいたことが驚きなのだが。
驚きすぎてガン見していると、河童がぐるんとこちらを向いた。
俺は射すくめられたように動けなくなった。
河童は探るように俺を見た後、車道にむかって蛙のように跳んだ。
あっ! と思ったが声が出なかった。
軽い水音をさせて、河童はアスファルトの中に消えた。
いつの間にか信号は青になっていた。
この道路は昔は川だったらしい。
もしかしたら埋められた後も、川は存在しているのかもしれない。