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俺の心霊的な日常  作者: なかむらこむぎ
20/23

ぬらりひょん

正月に親戚一同集まって宴会しているときだった。


「兄ちゃん、兄ちゃん」


小学生の従兄弟が声を潜めて俺を呼んだ。


「あれ誰だっけ?」


見ると、一人の身形のいい爺さんが、部屋の隅に陣取って酒を飲んでいた。


「ああなんだ、お前あの爺さんが見えるのか」


俺がそう言うと、従兄弟は「やっぱり」というような顔をした。

あれが見えるのなら大方のことは察していたに違いない。


「酒さえ飲ませておけば害はない。放っておけ」


俺は子ども(がき)の頃叔父から言われた言葉をそのまま従兄弟に言った。

おそらく親戚の誰に聞いても俺と同じことを言うだろう。

誰もあの爺さんのことを知らないのだ。


従兄弟は不満そうな顔をしたが、それ以上何も言わなかった。

この従兄弟も子ども(がき)の頃の俺と同じように、家系図やら古いアルバムやら引っ張り出して、爺さんの素性を調べようとするだろうか。

なんだか懐かしい気持ちになりながら、俺はグラスの酒を一口飲んだ。

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