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呪いのDVD
どうしようもなく暇だったから、DVDでも観ようとレンタル屋に行った。
夏だしホラーにするか。
どうせならあまり知られていないマイナーなものを観ようと、棚の下の方に陳列されていた如何にもB級という感じのDVDを手に取った。
ストーリーは、ある怪談を聞いた人たちが次々と呪われていくという、よくある話だった。
ヒロインがまあまあ可愛かった。
最後にこんな表示が出た。
『この作品は 事実をもとに作成された フィクションです』
何かすっきりしない書き方だった。
何かの事件でも元ネタにしてるのか。
顔をあげると、テレビの横に幽霊が立っていた。
「うおおおお!?」
事実ってこっちかよ!
ビビって混乱しながら、とっさに呪文を唱えた。
怪談と同じように幽霊が悲鳴をあげて消えた。
呪文も本物だったらしい。
怖いから速攻でDVDを返却して、戻ってからパソコンを開いた。
こんなDVDなら話題になってるはずだ。
だがいくら検索してもヒットしなかった。
レンタル屋の作品検索にすら無かった。
H30年9月13日 一部改稿