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孤独
深夜、友の下宿先で麻雀をして帰るときの事だった。
古い一軒家の屋根から淡い光の玉がスーっと出てきた。
ああ、あの家で誰か死んだのか。
見覚えのある光景だったから、俺は慌てることも警戒することもなく、ぼんやりそれを眺めていた。
光の玉は屋根の上を二、三回周回すると、踊るようにくるくると回りながら、夜空に昇っていった。
ずいぶん楽しそうだ。
さぞかし充実した人生だったのだろう。
俺はちょっと羨ましく思いながら、月に向かって昇る魂を見ていた。
それから一ヶ月ほどして、例の家から孤独死した老婆の遺体が発見された。
家の中は酷い状態だったらしい。
2020年1月一部改稿




