↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/153

52話 勝てないので妥協

勢いよく振り下ろした杖が空を切る事数十回、全ての攻撃が避けられる。

一撃でも当たれば、直ぐに崩れてしまいそうな気がするけどその一撃が非常に遠い。


「先程からバカみたいに壁や床を崩しおって、キサマは神殿を崩す気か?」

「なら大人しく当たって下さいっ!」

「断る、今の吾輩では誠に遺憾だがキサマの攻撃に耐える事が出来ん」


だから当たってって言ってるのに。

何でも良い、どんなも方法でも良いから当てる事さえできれば。


「小娘、いい加減に攻撃を止めないか。 海の様に広大な吾輩の心も、いい加減限界が近いぞ?」

「限界が近いなら、観念して眠りに付いてっ!」

「だから断ると言っているだろう、折角自由を手に入れたんだ。 吾輩はこれから味わう自由に心ウキウキなのである。 あ、でもドキドキはしていないぞ、なんせ吾輩心臓は無いからな!」

「何訳の分からない事を言っているんだーーーーっ」

「ぬおっ」


無性にイラっとした一言に床に埋まりこんでいた杖を、床板ごと捲り上げる様に振り上げたら瓦礫が骸骨に当たった。

そうか、これだ。

残念ながら僕の技量ではあの骸骨に杖を当てる事は出来ないけど、瓦礫を礫の様にして吹き飛ばしていれば杖の一撃程では無いけど少しずつ傷を与える事が出来るかも。


「えい……やっ!」

「ぐっ!」


やっぱり、これを繰り返していれば!


「……吾輩がやり返さずに会話を望んでいると言うのにそれを聞かず、一方的な暴力に神殿の破壊を繰り返すとは。 流石に、吾輩とて許さんぞ」

「うっ、それではまるで僕が悪訳みたいな感じじゃないですかっ」

「どう見ても悪役であろう。 無抵抗な者に対して一方的な暴力、それを悪役と言わずに何と言う」


ぬぅ、急に尤もな事を言われたせいで一気に押し込もうと思っていた気持ちが萎んで行く。

気持ちが切れたせいで、一時も休まずに杖を振り続けていた腕が一気に重く感じる。

一旦距離を取るしかないか。


「やっと、攻撃を止めたか。 なら吾輩の話を聞け、聞かぬのなら最終手段に出るぞ」

「最終……手段?」


どんな手を使って来る?

よくよく考えると、今まで避ける事しかしていなかった骸骨がこちらに襲い掛かって来るという事?

魔法は吸収され攻撃は全部避けられる僕には、正直まともに応戦できるだけの力が無い。

嫌でもこの数分間でそれを実感してしまった。

礫を当て続ける事位しか出来る事の無い今の僕に出来る事は、神殿を盛大に破壊する事になってしまうが竜に戻って……


「そう、最終手段である」

「ど、どんな事を……」

「何、とても簡単な事……これだ」


骸骨が人差し指を天井に向かって指を指す。

警戒しつつ天井を見るけど特に何もない、あるとすればこの神殿の通路のブロック?

説明になっていない気がする。


「上?」

「吾輩、こう見えてもこうして再び動く事が出来る様になるきっかけを作ってくれた小娘には、それなりに恩義を感じている」

「だ、だから何です?」

「そして、杖を振り回すだけで壁や床を破壊してしまうだけのバカ力を振るっても、その反動でダメージを受けていないという事は肉体的にも異常な程丈夫なのだろう。 残念ながら今の吾輩には、そんな規格外の肉体を行動不能にする程のダメージを与える術がない」

「えっと、回りくどすぎて……」


結局、僕を褒めて有頂天にさせて攻撃を止めさせるって事?

いや、そんな事で止めるられるとは流石に思っていないだろう、さっきだって僕を怒らせて魔法を使わせていたりしたし、これも何かの挑発と考えていた方がよさそうだ。


「魔法は吸収し攻撃は全て避けられる吾輩と、多分吾輩の攻撃が効かない小娘、お互い決め手がない。 そして、吾輩は一応恩がある……そこから導き出される事は!」

「事は?」

「吾輩、これから全っ力っで逃げる。 それも地上に向かって逃げる。 そしてそのまま街に出て、街からも出て姿を晦ます」

「……はい?」


あれ? 最終手段?

確か最終手段の話をしていたんじゃなかったっけ?

あれ? えっと、逃げる? ちょっと落ち着こう。

最終手段は最後の手段の事で、最後はこうしよう見たいな考えで……


「さい…ご、あれ? 手段だから……あながち間違っても…… え? でも、骸骨で……手段で…あれ?」

「おーい、小娘。 帰ってこい」

「えっ? あ、はい」


呼びかけに応じて目線を前に戻すと、先程と同じ人差し指を天井に向けているポーズをとっている骸骨。

なるほど、上に行くって脅迫していたのか。

多分、逃げられたら止める手段は本当に全力……竜に戻って大暴れするくらいしか残っていない。

でもそんな事をしたら、この街を干からびない様にして守ろうとしている努力が水の泡になってしまう。


「で、話とは?」

「お、聞く気になったようだな」

「大変不本意ですが、それが最善の手段ですから……」

「ふむ、関心関心」


だからなぜこの骸骨のは常に上から目線なのだろう?

隙を見て何とか一撃加えられない物だろうか……


「話と言うのは何の事も無い。 先程の取引、あれを少し内容を変更して承諾して欲しい」

「取引? 魔力を供給しろって言う奴の事? それなら取引も何も……もう動いてるじゃないですか」

「だから、内容を少し変更して貰いたい」


確か、下層への道案内の代わりに魔力をって話だったはずだけど、既に目的は達成しているはず。

なのに何故ここまで取引をしたがるのだろう、そもそも変更したい内容って?


サブタイトルは一定数溜まってから変更予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。