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16話 初めての取引

さて、いい加減僕の空腹も限界に近いので、ハースキーさん達にいい所を見せようと思ったけど、手頃なご飯を狩ろう。

何かいないかなー


高めに高度を取りつつ羽音を立てず、なるべく静かにご飯を探す。

あれ? これって隠れて狩りをていた時と同じだなぁ……まぁ結局、これが一番狩りしやすいんだよね。

あ、クマっぽいのが居たからあれで良いかな、食べ応え在りそうだし。

急降下で……ドーン。

奇襲だけは、上手になったなぁ……



早速、毛皮を剝いで貰う為に皆に来てもらおう。

と思ったけど、流石に狩りの最中だけあって、皆物陰に隠れているのかな?

上から探しても見つからない。

どうしよう、狩った後に連絡する方法聞いてなかったような気が。


「ハーースキーーさーーん、狩りましたよーーー!! どこに居ますかーーー?」

「うるせーーーーーーーーー!」


石投げられた!

案の定、物陰から出て来たハースキーさん達が僕の狩ったクマっぽいご飯の周りに全員集合。


「落ち合う場所や、連絡方法の説明をする前に飛んでいきやがった上に、挙句の果てにこんなでかい声を上げやがって」

「度々すみません……」

「次は、もうちょっと何か考えて動けよ」


え、次?

次もあるんですか?


「よし、ちゃちゃっと剥いじまうから待っててくれ」

「はいー、流石に僕もお腹がペコペコなので、なるべく早めにお願いします」


獣人の人達が凄い勢いで毛皮を剥いでいくけど、何と言うか一歩引いたところから生き物の皮剥ぎを見ていると、徐々にグロテスクな感じに見えて来る。

いつも頭から丸吞みか、直ぐにコゲコゲに焼いちゃうからじっくり見た事なかったけど、あんな風になってたのね。

暫く掛かると思ってたけど、あっと言う間に皮剥ぎが完了。

じっくりとお肉を確認してみると、生でお肉食べられなくなりそう……

今後の食生活に一抹の不安が込み上げて来たけど、なるべく考えない様にしなくては。


「待たせたな、終わったぞ。 こりゃあ中々の上物だ! しっかり礼を出す」

「それじゃあ焼いちゃいますので、ちょっとだけ離れて貰っていいですか?」

「おう!」


やっとご飯にありつける。

獣人の人達を巻き込まない様にお肉を焼き始めると、周りから声があがったけど何かあったのだろうか。

兎にも角にもご飯を頂きます!



青い空の下で、お腹一杯お肉を食べれるのはとても幸せ!

「ご馳走様でした」

「流石に目の前で火を吹くところを見ると、ドラゴンだなって感じるな」

「今までどんな風に見ていたんですか……」

「しかし、白い躰だからスノードラゴンかと思ってたんだが、火を吹くって事は何ドラゴンなんだ、お前?」

「何ドラゴンって、ドラゴンはドラゴンですよ。 何言っているんですか?」


ハースキーさんの説明を聞いて見て、初めて質問の意味が理解出来た。

ドラゴンのブレスは基本的に自分の躰の色に合ったものが吐けるそうだ。

赤なら火、黄色なら雷、そして僕の躰の白色なら氷らしい。

白いのに火を吹く僕が意味が分からないとの事だけど、母さんも姉さんも自然に色々なブレスをを吐いているから種類なんて気にしていなかったのが、正直なところ。


「僕って、何ドラゴンなのでしょう?」

「それは、俺が聞きたいところなんだが」


ですよね。

ドラゴンに種類があるなんて知らなかった。


「ごめんなさい、今まで僕が何のドラゴンかなんて疑問にも思ってなかったので分からないんです」

「まぁ、別に知ったところでどうにかなるわけでもねーし、そこまで気にする必要はねえって。

 変な質問して悪かったな。」


気にする必要は無いと言われても、一度気になり出したら止まらなくなって来た。

今度、母さんに合ったら聞いて見よう。


「さて、話は変わるんだが。 毛皮の礼はどうすっか?」

「お礼ですか?」

「ああ、正直なところ集落で消費する程度の毛皮しか取れないと思っていたんだが、予想以上だ。

 こりゃ、街に出て金に換えられる程の質だ」


このくらいでお礼がもらえて良いのかがちょっと疑問だったけど、貰えるものは貰っておこう。

でも、何を貰えるんだろう。


「お礼って何が貰えるんですか?」

「そうだなぁ、俺らの食いもんとかじゃあ、お前にとって一口にもならないだろうし、何か希望があるか?」


うーん、食べ物もこの森がある以上、特に問題は無いし、毛皮のお礼程度の物となると……

あ、一個欲しい物があった。


「ハースキーさん、僕一個欲しい物がありました」

「何だ?」

「網が欲しいです」

「はぁ? 網? 網って罠で獲物を引っ掛ける網の事か?」

「それです! 僕、顎の力が強すぎて物を咥えて飛ぶのが凄い大変なんですよ。

 網があればそれに包んで爪で引っ掛けて持ち運べるなーって」


貰った網の作り方を調べて、丈夫な網を魔法で作れば何時でも持ち運びが出来る便利な運搬道具になるはず。

そうすれば、巣にご飯を持ち帰ってのんびり食べる事も出来る様になる!


「網なんかで良いならこっちもありがてぇが、本当に良いのかそんなんで?」

「はい、網があれば噛み砕く心配をする事無く、巣に色々持ち帰る事が出来ます」

「んじゃ、数日待ってくれ。 倉庫にある奴でお前に渡せそうなの見繕って持っていくから」

「有難うございます」


その後、獣人族の人達との連絡手段についての方法を決めてその日は解散。

網、楽しみだなー。

これで巣に色々運べる事が出来る。


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