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61.

お久しぶりです。遅くなって本当に申し訳ありません。

次の更新がいつになるかはっきりしませんが、よろしくお願いします。


皆さまごきげんよう、ルーシェ・リナ・リスティルですわ。

最近、過保護に拍車のかかるルカとお父様、グレンの癇癪をなだめ、それを見たおばあ様がお父様たちに説教をするのが一連のルーティンとなりました。そんなこんなで、私、九歳になりましたの。

「最近、本来の目的から遠ざかってしまっているのですけれど・・・・・・」

そう、私のあの夢を現実にしないために頑張っているのに、一向に進展しないのはなんでだろうか。理由は簡単、それどころではなかったからである。

「あと三年」

思わず呟いた。

「何がですか?」

突然後ろから声が聞こえた。

「きゃあ!!!」

誰もいなかったはずの部屋で突然聞こえた声に、本気で驚いた。

「ルカ!! 驚かさないで!」

「失礼いたしました」

しれっと(しかし、表情は無)返された。

(絶対思っていないわね)

「お嬢様? 何があと三年なのですか?」

さすがに「家出するまでよ」なんて言えないので、適当にごまかした。

「内緒よ。内緒」

「そうですか・・・・・・」

そんな無表情で後ろで捨てられた子犬をみせないでほしい。最近ルカの無表情のなかの感情が読み取れるエスパーになってきた。

「それで? どうかしたの?」

「旦那様がお呼びです」

「あら、お父様が?」

何だろうか。また、お菓子とドレスの山じゃないだろうな。

「旦那様の部屋には何もありませんでしたよ」

「私は何も言ってないわ」

(なぜ私の心の声を読んだのかしら?)

「そうですか?」

「・・・・・・お父様の部屋に行くわ」


***


「え? リスティル領に行く?」

お父様の部屋に訪れた私を待ち受けていたのは、デレデレの顔だった。普通にしていればかっこいいはずなのに、なんでこう崩れてしまうのか。

「ああ、グレンを領民たちに顔見せしていないから、そろそろしないといけなくてね。ルーシェは生まれてすぐにやったんだが、あまり覚えてないだろう?」

一応やったんだ、私。さすがにその記憶はない。

「じゃあ、グレンとお父様は領地に帰られるの?」

天使としばらく会えないのね。残念に思っていると・・・・・・。

「いや、ルーシェもだよ。・・・・・・ずいぶん帰っていないし、そろそろ姪っ子に会わせろって、弟がうるさくてね」

私も行くのか・・・・・・。しかし気になるのはお父様の弟である。

「私の叔父様?」

「ああ、私の弟だよ。私達が王都にいるからね、代わりにリスティル領を守ってくれているんだよ」

それは初耳だった。私、叔父様が居たのね。「叔父」の言葉に、ある人物の存在が思い浮かんだが、振り払った。

「お前と同じくらいの息子が二人いるんだ。従兄弟にも初めて会うだろう?」

「そうなのですね。とても楽しみですわ」

男の子か、ラスミア殿下みたいに生意気じゃないといいなあ。この年齢って、やんちゃなんだよね。

「まあ、アイツの子どもだから、くそガキではないようだが、いじめられたら言いなさい」

お父様も帰れてないようだからどんな子どもなのかはわからないらしい。

「はい。それで叔父様はどんな方なのですか?」

「・・・・・・」

「お父様? どうなされたの?」

その沈黙がとても気になるのですが。なんだろう、会う人会う人、一癖も二癖もあるのは私の気のせいなのかしら。普通ってなんだっけ?

「まあ、悪い奴ではない。お前が生まれたときかなり喜んだし、かわいがってくれたんだぞ」

そう言って頭を撫でられた。かなりごまかされた感があるが。


***


出立は一か月後と言われ、私は部屋に戻った。

「王都を離れるのは初めてね」

そう言えば生まれてこの方、王都の外の世界を旅することはなかった。これはチャンスだ。外の世界を知るための。

「そうですね。ご安心をお嬢様。快適な旅を過ごしていただきます」

どこかの航空会社のキャッチフレーズみたいだな。

「それはありがとう。ルカは、王都の外のことを知っているの?」

「・・・・・・そうですね。いろんなところを転々としていましたから・・・・・・」

あ、これはだめだと思った。ルカの歯切れが悪い。あまり言いたくない過去があるに違いない。そもそもお父様に拾われたのだから、ご両親に悲しいことをされたのかもしれない。私のバカ。

「そう。じゃあ、迷子になっても大丈夫ね」

そう言って話を変えた。

「お嬢様、迷子になるご予定でも?」

(突っ込まないで・・・・・・)

苦し紛れに言った一言に食いつかれてしまった。

「いやいや。もしもの話よ? もしもの。・・・・・・それより、荷物とか用意しないとね」

もっと話をずらすことにした。苦しい。ルカの視線が痛い。

「すでに、メイドの方々が準備しておられるかと」

「そうよね」

彼女たちはばっちり仕事をこなすのだ。

「それとお嬢様・・・・・・」

「なにかしら」

「新しいドレスを・・・・・・」

「作らないわ」

「そんなこと言わずに、旦那様と奥様のご要望ですので」

「・・・・・・もういっぱい作ったのに」

「あれでも少ないくらいですよ」

作らないと言ったが、両親そろっての要望なら、もう逃げられんではないか。

ああ、憂鬱だわ。部屋に帰ったらメイドという名の鬼がいるのよ、きっと。





誤字脱字等を教えてくださった方々、ありがとうございます。

ゆっくりですが変えていきたいと思います。

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