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いつも読んでくださる皆様、ありがとうございます。

「おいしいわね。このお菓子」

皆様ごきげんよう。私達はアイヒ様の館の庭でのんきにお菓子を食べていますのよ。

このお菓子は伯爵がくれたものらしかった。

「まあ、医者だからよく患者のご機嫌取りに持っていくのでしょうね・・・・・・」

「あはは、そうなのかしら」

しっかし、どうも棘があるなあ。本当に二人には何があったんだろうか。

「アイヒは伯爵によく突っかかるわね」

「別にぃ・・・・・・」

アイヒはそっぽを向いた。ああ、これは答えてはくれないわね。まあ、悪い人ではないと思うのだけど。いろいろと腹黒さは垣間見えるが。


「まあ、アイヒ様の反抗期と言ったところでしょうね」

答えてくれたのはヨシュアだった。

「反抗期?」

それって普通親にやるもんじゃないのか。でも、王様に反抗するのって、やっぱり王女でもまずいのかしら?

「伯爵は確かアイヒ様がお生まれになったときからの仲ですから」

「それは長い付き合いね。でも、ご親戚か何かなの?」

そういえばあの、成金侯爵とも話していたし・・・・・・。

「いえ、医師としてだそうです。生まれたときも研修と言う名目でいたとおっしゃっていたような・・・・・・」

ああ、なんというか、半分家族なのかもしれないわね。

「へー。やはり優秀な方なのね」


「まあ、アイヒ様もお年頃と言うことですかね」

「お黙り、ヨシュア」




――――その夜、離宮に与えられた館にて。

「お嬢様、お休みになる前に包帯をかえましょうか」

ルカが医療セットを持ってやってきた。

「はーい。でも、もうあまり痛くないから外しちゃったらダメかしら」

「だめです。化膿したらどうするのですか」

「はーい。・・・・・・というか、ルカ。包帯を巻けますの?」

するとルカは無表情のまま

「当然です。従者ですから」

と言い放った。従者は何でもできるらしい。さすがと言うべきか。ルカは慣れた手つきで包帯を取っていく。

「・・・・・・お嬢様」

ルカの手が止まった。

「なに?」

「ケガ、されたのですよね」

「ええ。皮が剥げていたわね。・・・・・・え? そんなにひどくなっていますの?」

私は自分の足を見た。

「え・・・・・・?」

そりゃ、さっきから痛くはないと思っていたけど?

私は自分の目を疑った。・・・・・・だって、私の足には、あるべき傷が、なかった。

「・・・・・・子どもってそんなに早くケガが治る生き物だったかしら?」

衝撃のあまり頓珍漢なことを言った。

「いや、聞いたことはありませんが」

ルカは冷静に言い放った。

「バールトン伯爵が魔法でもかけたのかしら・・・・・・。ルカ、知っていて?」

あの時魔法を使ったようには見えなかったし、何も言われなかったが・・・・・・。

「私は魔法には詳しくありませんが・・・・・・。そうなのかもしれません」

「きっとそうなのだわ。後でお礼がいるわね。もう、包帯はいいわ」

私はバールトン伯爵が何かしたと思うことにした。だけど・・・・・・。

『神の力』。お父様がそう言っていたことを思い出した。

「かしこまりました」

ルカは納得したのか、していないのかわからない表情で、私が巻いた包帯を捨てに部屋を出た。

「・・・・・・神の力なの?」

ぽつりとつぶやいた。

「お嬢様?」

はっとした。ルカが戻ってきたらしい。

「ああ、大丈夫よ」

ああ、とか言っちゃったわ。結構動揺していたわね。

「そうだ、ルカ。すっかり忘れていたのだけど、幽霊が出る屋敷って離宮のどこにあるか知っている?」

このお泊まり会の目的を完全に忘れていた。

「実はすでに様子を見てきたのですが、外観はほかの建物より少し古びていました。確かに少し薄気味悪いかもしれません」

「まさに、時の王様に忘れ去られたお妃の住まいって感じなのね。って、もう行ったの!?」

「ええ。特に何も出ませんでしたけどね。昼間ですから仕方ないですが」

「何か感じたりはした?」

「私にはその手の才能は有りませんので、わかりません。でも、ここは離宮ですし、国王陛下やほかの占術師たちも何も言わないなら、その幽霊は案外悪いものではないと思いますよ」

「そういうものかしらね。ま、これだけ騒ぎになっているのに国王陛下たちが何もしないってことはそうなのかもね」

(明日、アイヒに聞いてみよう)


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