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コトの年代記  作者: 綿雪 ミル
二幕
6/36

永遠の約束Ⅰ

 コトがソフィアと別れ教会に帰宅すると、二人の幼い少女が飛びついてきた。


「コトねぇ、おかえり‼」


「お帰りなさい…」


 元気よくポニーテイルにした茶髪を揺らしながら飛びついてきた少女はアリス、このミルフィーユの生まれで二歳の時に両親を亡くしている。二番目に少々おどおどした様子で近づいてきた黒髪の少女は佳穂かほ、東の大陸弧状列島ヤマトを統治する国『日本國』の生まれだが特殊魔法とくしゅを保有する特殊魔導士エクスターのため犯罪者や奴隷商人に狙われ両親を殺されたため佳穂の父の友人であるミルフィーユ王国現国王に保護されこの教会にやってきた。


「ただいま、アリス、佳穂。」


 アリスがコトに抱き付いていると奥の居間から茶眼に茶髪を肩のあたりだ切りそろえた女性が出てきた。


「あら、コトお帰りなさい。」


「ただいま、アルシアさん。」


 彼女の名前はアルシア・デンゼル、この教会のシスターの一人だ。


「アリスその辺にしておきなさい。ご飯を食べましょ。」


 奥の居間に行くと既にメルヴィン神父とアルシアの妹でシスターのヘティーが座っていた。コト、アリス、佳穂の三人は今日一日あったことを話しながら夕食を口に運んでいった。


 ×××××


 翌日、コトは朝早く起きて木刀で素振りをしていた。これはコトに剣術と戦闘術を教えた師匠の言いつけであるからだ。

 「毎朝一万回素振りをしろ‼」それが師匠が旅に出るときに残していった言葉だった。

 そのときはただの有難迷惑だったが今となってはその言いつけを守ってきたおかげでその白くて細い見た目に反した腕力と体力を持っているのだ。

 日課の素振りを終えるとコトはシャワーを浴び、朝食を作っているアルシアの手伝いに行った。

 朝食を食べ終えるとコトは鞄を持って学園に向かった。今日、の授業は幻獣学の使い魔召喚と魔法学の対魔術の授業だ。


 「おはよう、コト。」


 中央区北部の大階段にたどり着くとソフィアが待っていた。


 「おはようソフィア。今日は使い魔召喚の授業があるね…」


 何故かそう呟いたコトの顔は少し暗かった。


 「どうしたのコト、そんなに不安今日の授業が?」


 「ちょっとね…」


 「そんなに心配しなくても大丈夫よ、皆初めてなんだから。」


 コトはそれを聞いて頷いたがコトが心配なのはそこではないのだ。

 だが、コトにとっては初めての友達であるソフィアが心配してくれる事が心の底からうれしかったのだ。


 ×××××


 学園の教室につくと担任のミーシャの指示で生徒たちは学園の裏にある森林へと向かった。この森林は、基礎体力強化授業や幻獣学の授業で使われることが多い森林だ。

 幻獣学の担当は茶髪に茶眼をしたウォルト・ラストンという男性教師で、性格は明るく頼りになる…かどうかはわからないような人である。


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