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コトの年代記  作者: 綿雪 ミル
七幕
36/36

収穫祭Ⅴ

圧倒的火力のを持つ緋炎龍のブレスが2人を焼き付くさんとする刹那、2人の背後から放たれた一筋の雷撃により翼を撃ち抜かれた緋炎龍は体制を崩す。

それによりブレスはあらぬ方向へと放たれ、黒炎のブレスが着弾した地帯を焼き尽くした。

さらに、追い討ちをかけるかのように茶髪の男が大剣を緋炎龍に向け振り下ろす…身体強化と重力魔法を纏わせた大剣の一撃により緋炎龍は数キロ先へと吹き飛ばされた。


「大丈夫かコト!」


雷撃が放たれた方角からコトの師であるシャルルがその姿を現した。


「怪我はしてますが、生きてますよ師匠。」


コトの怪我は制服に覆われている部分は魔闘術+制服に施された防御魔法によってダメージは軽減され目立つ傷はないが制服に覆われていない手足、顔には火傷と切り傷が複数見られた。

それを見たシャルルから怒り混じりの言葉が緋炎龍に向け発せられる。


「……貴様、嫁入り前の娘の顔に傷をつけやがったな!これで嫁の貰い手が無くなったらどうしてくれるんだ!」


ーえ!?そこ!?酷くないバカ師匠!?ー


シャルルの友である大剣を担いだ戦士アーノルドはそれを見て苦笑いをしている。


「こうなれば生きては帰さん!"天に轟音轟て 天光満ちて迸る 其は神の怒りの代弁者《神々の轟雷(ディユ・ケラウノス)》"」


シャルルの詠唱に共鳴するかの如く天には黄に輝く魔法陣が描かれ、雷雲が形成される。


「おいおいシャルル、辺り一帯を焼け野原にするつもりか!?」


「範囲は緋炎龍のみに抑えてある。これでヤツも絶命するだろう。」


神代魔法…師であるシャルルが使える魔法の中で最高位の雷魔法だ。本来であれば、大陸1つを焼き払うほどの広範囲高威力の魔法だが今は緋炎龍にのみ魔法の範囲を限定してあるようだ。


「終わりだ…」


シャルルのその言葉と共に雷雲から一筋の白き雷が緋炎龍に向かい放たれた…その刹那コトは見逃さなかった本来であれば真紅であるはずの緋炎龍の鱗が黒く染まりつつあることをー

白き雷が緋炎龍に直撃すると激しい衝撃波が辺り一帯に広がる。神代級と謳われる魔法を直撃させたとて安心はできない、4人は警戒心を解くことなくシャルルが索敵魔法を使用し緋炎龍の魔力を探知するー索敵を終えたシャルルは険しい顔をする。


「冗談じゃない…神代級が直撃したにも関わらず生きているのか!?」


シャルルの言葉を聞いたアーノルドは驚愕する。無理もない神代級魔法は神の御業にも匹敵する力の魔法、それが直撃したにも関わらず緋炎龍は生きているー

シャルルとアーノルドが驚愕する最中、コトは魔眼により危機を察知していた。


「師匠逃げて!!」


だが、数秒遅いーコトの叫びとほぼ同時いやヤツの方が早く動いていただろうー緋炎龍がシャルルを吹き飛ばしたのだ。吹き飛ばされたシャルルは大樹に背中から打ちつけられ吐血した。


ークソッ!肋骨を何本かやられている…ー


「師匠!!」


コトが叫ぶーそれに反応したかのように緋炎龍ー否、もはやこれを緋炎と呼んで良いのだろうか?鱗は黒く染まり吐く炎は黒炎、その身には先程までと同様に黒い瘴気を纏う龍。これはもう「緋」ではなく「黒」黒炎龍ーはコトを次の標的であると言わんばかりに睨んでいた。

それを庇うかのようにアーノルドが大剣を構えコトの数歩前に立ちはだかる。


「そこの嬢ちゃんと一緒に逃げるんだ。」


「2人を置いていけないって分かってて言ってますか!?」


「あぁ、お前なら俺たちを見捨てないだろうな。だが、そんな甘ったれた考えに今は付き合えない。こいつは格が違いすぎる!街まで戻って伝えろ、それがお前の役目だ。」


そう言い終わると同時にアーノルドは龍へと突撃する。その手に持つ大剣で龍の攻撃を間一髪避けながら斬撃を浴びせていくーが、黒化して強度を増した鱗にはその刃は通らない。

コトは決心したー転移魔法を用いて街へ飛ぼうとした瞬間、アーノルドが吹き飛ばされ目の前を横切った。


「クソ…なんて力だ」


黒炎龍は2人にトドメを刺そうというのかブレスの体勢に入る。


「ーめろ…やめろ!!!」


それを見たコトは叫んだーその叫びに呼応するかのようにコトの体から黒く輝く魔力が溢れ出る。

黒の魔力を放つコトの髪は陽光に輝く銀ではなく、深淵のような黒に、瞳は燃える炎のような赤ではなく、深海のような青に変化していた。


「私の大切な人たちをこれ以上傷つけさせない!」


「主さま…?」


コトにソフィーナの声は聞こえてないようだった。

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