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コトの年代記  作者: 綿雪 ミル
七幕
35/36

収穫祭Ⅳ

 緋炎龍の高熱ブレスが水の結界とぶつかり合ったことで莫大な水蒸気爆発が発生した。さすがのコトもあれほどのブレスと爆発を同時に至近距離でまともに喰らっては無事ではないはずだ………しかし水蒸気爆発によって発生した水蒸気が晴れると尻もちをついた無傷のコトが姿を現した。


 「あれ…私生きてる…?」


 「ねぇねぇ主様…私のこと忘れてない?」


 声のした方を向くとそこには拗ねて頬を膨らませたソフィーナが立っていた。どうやら緋炎龍のブレスからはソフィーナが守ってくれたらしい。


 「心外だなー、私が大切な家族のことを忘れるわけないでしょ。守ってくれてありがとね。」


 「それならいいけどさー。どういたしまして! さて、この緋炎龍は倒しちゃっていいの?」


 「いいけど…あまり無茶しないでよ。」


 「それ主様も言えたことじゃない。」


 「うぐッ……と、とりあえず無茶せずに二人で倒すの!!」


 「はーい!」


 二人は話し終わるとまずは緋炎龍から距離をとった。どうやら緋炎龍は再度ブレスを放とうとしているようだ。


 「そんなことさせると思う?《大地の神撃グラウンド・ゼロ》」


 ソフィーナの詠唱破棄による大地魔法は緋炎龍の足元から無数の刃を突き出し体を穿ち切り裂いた。痛みに耐えかねた緋炎龍はブレスを中断し上空へと飛び上がる。


 「まってたよ。」


 しかし、緋炎龍が飛び上がった先にはコトが浮かんでいた。どうやら魔法の詠唱は終えているらしく緋炎龍の頭上には氷魔法特有の空色の魔方陣が描かれていた。


 「ごめんね、ほんとにあなたに恨みはないんだけど……《絶零の流星ゼロ・メテオ》!!」


 絶対零度系統――氷魔法の天災級に位置する一つ。頭上より絶対零度に達した無数の氷が緋炎龍に向かい降り注ぐ……自身の死期を悟ったのか緋炎龍の咆哮があたりに響く。


 「え……違う、なにあれ?」


 「主様!逃げて!!」


 緋炎龍の最後と思われた咆哮と共に黒炎の大爆発が辺り一面を吹き飛ばした。


 「なんなんですか……今の…」


 コトは瞬時に魔力を纏うことで鎧を作りさらに結界で防ぐことで致命傷は避けたようだったが爆発の高熱と爆風により地面に叩きつけられたことで軽いとは言えないケガを負っていた。コトを心配してソフィーナがすぐさま駆け寄ってきた。


 「大丈夫!主様!?」


 「なんとかね……致命傷は避けたけど、あまり動けないかも。あれ……なんなの?」


 「緋炎龍が瘴気を纏ったんだ。私たちじゃ倒せない……」


 「でも、何とかしないとたくさんの人が傷つくよね……じゃぁ私たちがやらなきゃ。」


 コトは自分の体をいじめるように無理に立ち上がろうとしたが、すぐにバランスを崩して倒れこんでしまった。


 「ダメだよ!!主様そんな状態なんだから無茶しちゃ!!」


 ―悔しいな……これじゃ誰も守れない―


 上空では緋炎龍が二人を見つけて黒炎のブレスを放とうとしていた。それを見たコトは――


 「ソフィーナだけでも逃げて!」


 「主様を置いていけるわけないじゃん!だから私が!!」


 ソフィーナはその言葉と同時に変身魔法を解き元の銀龍の姿に戻った。


 「私の家族は、私が守る!!」


 瘴気を纏った緋炎龍のブレスは地上のコトとソフィーナめがけて放たれた。それに対抗しようとソフィーナもブレスを放つが……


 ―瘴気の力が強すぎる……相殺することもできない、このままじゃ―


 「やらせるかよ!!」


 その声と同時に瘴気を纏った緋炎龍に向かって一筋の雷撃がほとばしった。

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