母IV
私はナターシャ・スカルディーナといいます。これでもスカルディーナ伯爵家に長女として生まれた列記とした貴族だったんですよ……って今も貴族ですねしかも王家という……今まで王都の人や騎士団の人たちにしか話したことのなかった私の過去を可愛い後輩のコトちゃんに話さないといけないみたいです。
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「私はね伯爵家の長女としてスカルディーナ家に生まれたの、両親は二人とも王国の騎士で父は団長をしていたわ。」
「強かったよあの二人は……騎士団の団長だったナターシャの父クレイブはこの国で一番の騎士だった、それを支えていたのが騎士であり軍師でもあったナターシャの母アメリアだった……」
「でもね十二年前の八月……突然北から炎龍が飛龍の大群を連れてこの国を襲撃したの……父はすぐさま部隊を編成し討伐に向かったわ……数十万いた騎士団は炎龍と飛龍に半分以上を壊滅させられて絶対絶命だった……そこで父と母は部隊を王都に撤退させて自分たちだけ戦場に残ったの……」
そこで、ナターシャは一呼吸おいて続きを話し始めた。
「父が炎龍の気をひいている間に母が魔法で飛龍を焼き払った……炎龍が気が付いた時には既に飛龍は全滅していたの、炎龍は母めがけて襲い掛かったわ……それを父が庇ったけど炎龍の力は予想以上で母も父もその爪に貫かれた……父は最後に炎龍の目に向けて持っていた剣を投げたのそれは見事に命中したそうよ……母の最期の魔法で炎龍を追い払うことには成功したけども……父さんと母さんは……」
泣きそうなナターシャをミレーヌは抱き寄せた……そして、「ここからは私が話そう」と言った。
「当時ナターシャは三歳だった。 父方の祖父母も母方の祖父母も早くに亡くなっていてナターシャには引き取ってくれる親戚がいなかったんだ。 だから、私は二人の最後の頼みを実行したんだ。」
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十二年前、【キャンデラ王国王都】炎龍討伐隊出撃前
「ミレーヌ陛下!!」
「どうしたんだクレイブ……アメリアまで。」
ナターシャの父クレイブ・スカルディーナは金髪に金の瞳をしている男性、母アメリア・スカルディーナは茶髪に碧眼をした女性だ。
どうやらナターシャは父の髪色と母の瞳の色を受け継いでいるようだ。
-閑話休題-
アメリアがミレーヌにこう言ったのだ。
「陛下……もしこの戦いで私たちが帰ってこれなかったときは娘を……ナターシャのことをお願いします!」
「なっ! なにを縁起でもないことを!!」
ミレーヌは珍しく怒鳴った。 ミレーヌにとって二人は兄妹のようなものだ、その二人が自分の目の前からいなくなるなど考えたくはない……人は誰だってそうだ……
「ミレーヌ姉さん、私は本気で頼んでるんです!!」
「本当に……本当に本気で言っているのアメリア、クレイブ兄さん!?」
「僕たちは本気だよミレーヌ……流石に炎龍相手ではどうなるかわからない……だから戦場に行く前に、大事な家族の君に頼んでいるんだ!」
クレイブとアメリアの瞳には決意と覚悟が宿っていた。 二人が消えることは受け入れることができない、でも二人の決意と覚悟を無駄にすることもできない……
「わかったわ……でも約束してクレイブ、アメリア……絶対に生きて帰ってくると!!」
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「私と二人の約束は果たすことができなかったけど……ナターシャを引き取るという約束は果たした、この話はナターシャが八歳になったときにに全て話したわ。 だから、この子はすべてを知っているし当時は二人の墓の前で大泣きしてたわ……でもこの子は私を恨むこともせず今も私の娘でいてくれる。」
「母さんは何も悪くないですから……」
ナターシャが小声で呟いた……
「さて、この子の話はここで終わり! 本題に行くよコト! あっ、そうそう炎龍が攻めてきた日は初めてこの石板が光った日でもあるわ。」
-え!それって……もしかしたら私が……-




