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コトの年代記  作者: 綿雪 ミル
三幕
12/36

出会いⅡ

コトとソフィアはルイス国王陛下の頼みを聞き入れるとソニアの部屋まで案内されたのだ。一方ルース公爵はというと…別件があるとか何とかでルイス陛下に呼び止められたのだ。

 コトとソフィアはソニアの部屋の扉の前に立つとソフィアがノックをして中にいるであろうソニアに話しかけた。


 「ソニア…久しぶり…ソフィアです。貴女に会いに来たのこの扉を開けてくれる?」


 「帰って…貴女の顔なんて見たくないわ…」


 中からは少し強めの言葉が返ってきた…


 「ソフィア…ちょっと代わってもらえますか?」


 コトの問いかけにソフィアは頷き一歩下がった。

 コトは扉の前に立つと中にいるソニアに語り掛けた。


 「初めましてソニア王女。私はコトと言います…貴女様と話がしてみたくてここにやってまいりました…どうかこの扉を開けてもらえませんか?」


 コトはその言葉に微弱な魔法を乗せたのだ…治癒魔法の派生系で公式な名前さえない安らぎの魔法を…

 すると、ゆっくりと扉が開いたと思うとコトは中に引きずり込まれたのだ。ソフィアは焦って閉まった扉に向かって叫ぼうとしたが中にいるのが友人であるソニアだから安心したのか踏みとどまったのだった…


 ×××××××


 「月明りの様に輝く銀の髪に炎の様な赤い瞳…綺麗…」


 コトの長い髪を触りながらソニアが呟いたのだ…


 「貴女がソニア王女殿下…」


 コトの目の前には14歳にしては大人びた茶髪に茶眼の少女が座っていたのだ。


 「ソニア王女…今すぐにここから出て国王陛下やソフィアに会ってください!」


 コトは率直に言ったのだった。コトは普段孤児院で幼い子の面倒を見ているので駄々をこねる子にはこれが最適だとわかっているのだ。


 「嫌だ…」


 「何故ですか?」


 「私はお父様やお母さまに見捨てられて…やっとできた初めての友達にも見捨てられた…もう…人には会いたくない…」


 ―私は知っている…人に捨てられる悲しさを…私も昔はこの人と同じだった…でも、私の場合はすぐそばに神父様やシスターの二人それに、佳穂とアリスがいた…―


 「王女様私の話を聞いてくれますか…私の昔話を…」

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