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第一章
第一章
2027.8.27日埼玉
「はぁ、」
彼の形見の双眼鏡は机の上においてあり、あの戦争のとき着用していた鎧は押し入れの奥にある。彼は最後の戦闘に先だって『十年後の夏までに取りに行かなければその双眼鏡はどうしようとお前の勝手だ。だが、それまではいつ取りに行っても良いようにしておいてくれ。』といっていたがその最後の戦闘から今日で10年目になる。もっともあの戦争、第三次世界大戦の終結からはまだ8年だ。新しい中国は今や朝鮮半島全てを支配下に置いている。一時期戦場となった日本は復興しつつある。だがあの戦争で共に前線を駆け回った戦友たちとは最後の戦い以来会っていない。伝え聞いた話では第八分隊は私以外全員戦死したらしい。見上げると雲ひとつない晴天だ…あの日の空と全く変わらない空をみてため息をついた。
すいませんプロローグその2みたいなものです