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朝につぶやく言葉

作者: 空人
掲載日:2014/04/09

 顔を持ち上げ意識を灯せばそこは闇。

 雲を掻き風を凪いでわたしは泳ぎだす。

 一つ二つと顔を見せ始める星たちに挨拶をして。

 ふと見下ろせば、いつもそばに居てくれる友人が眠そうにこちらを見上げてきた。

 彼女の陰に隠れてさえいればわたしの時間はいつもと同じに平凡で平和で。

 長い時間を共に過ごし、世界を廻るわたしたちにとってそれは、変わらずに積み重なっていくだけの。

 とてもとても尊い風景だ。


 そんな一日の終わりに、うすれゆく意識の端っこに、突然の目映い光が差して。

 わたしは彼が目を覚ましたことを知る。

 心が跳ねる。

 目を細めて見つめると、いつもの晴れ晴れしい笑顔。

 完全に重なる事なんてほとんど無い二人の生活時間に眉を寄せつつ。

 彼から目が離せなくなっている自分に、わたしはもう気が付いている。

 いつも私が頑張って輝いていられるのも。

 自らは輝けない自分に気を落とし、色薄くなるのも。

 全て彼が原因だというのに。

 当人はそれをまったく理解せず、今日も変わらず私の世界の中心にあり続けるのだ。


 だからわたしは世界に背を向けて。

 心の中で彼に届かない言葉を抱きしめて。

 大きくあくびをする彼に手を振ってつぶやく。

 

 終わり行く夜にさよならを。

 始まる今日におはようを。

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