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変わる世界観

作者: zefaro
掲載日:2013/10/17

重複投稿です。

           変わる世界観

                           Zefaro

           その1

秋の色が濃くなって来た10月中旬、俺は何時もの飲み屋からの帰り道、見た事も無いコインらしき物を拾った。

誰も待つものが居ない寂しい部屋の明かりを点けて何処の国のコインだろうと思いながらテーブルの上に置いて着替えた。

まだ少し飲み足りないと思い冷蔵庫からビールを出してテーブルの上のグラスに注ごうとしてコインに少しこぼしてしまった。

するとコインから映像が飛び出して来た。

ホログラムと言う奴だ。

ビックリした。

映像は女性の姿を映し出し何やら喋っている。

最初は何を言っているのか?解らなかった。

耳を澄ますと彼女の声が聞こえた。

「お願いです、助けてください、スペースシップが沼にハマって身動きが出来ません」

と言う。

何だ、これは、と思った。

しかし、よく聞くと、この近所らしい。

スペースシップ、宇宙船と聞くと馬鹿でかい物を想像した俺はテレビのニュースを見た。

何も宇宙船の様な話は出て来ない。

着替えてコインを持って外に出る。

コインが指し示す方向に行くと裏山の方だ、俺は懐中電灯を点けながら裏山に向かうと池の途中の茂みの中を指す。

茂みの中を探すと泥に半分埋まったプラモデルの様な宇宙船が在った。

泥の中から取り出して小脇に抱え家に持ち帰り水道で洗ってテーブルの上に置いた。

するとハッチが開き中から小さいホログラムと同じ女性が出て来た。

正直驚いた。

「ありがとうございます、本当に助かりました」

「貴女は何方から来たのですか?」

「少し遠い所からです」

俺はガリバー旅行記を思い出しながら彼女を見つめた。

彼女は遠い星から地球を探索に来たと言う。

何処もかしこも大きい物ばかりで、とてもコンタクトを取れなかったと言う。

そして人目を避ける為に茂みに入って着陸をした所、地盤が良くなくて泥に埋まってしまったと言う。

そして救援メッセージのミサイルを発射したと言う。

「何とか船を乾かす方法は、ございませんか?」と言う。

俺はドライヤーで船を乾かしてあげた。

「船を修理するのに電子部品があると助かるのですが」と言うので俺は古くなったパソコンを分解して見せた。

彼女はCPUを指さして欲しいと言うので取り外した。

細かくなりませんかと言うのでペンチで分解した。

中のチップを手に彼女は、これから修理をすると言い残して宇宙船の中に入って行った。

夜も遅いので俺も眠る事にした。

翌朝、テーブルの上にまだ宇宙船が在った。

夢では無い。

朝食の準備をしていると何時の間にか彼女がテーブルの上に立っている。

「ありがとうございます、無事修理が終わり、これで帰れます」と言う。

窓を開けて欲しいと言うので開けてあげると彼女は宇宙船に乗り込みブーンと言う音と共に宇宙船が窓から飛び出して行った。

俺は会社に行き誰かに話たかった、しかし誰が信じると言うのか。


          その2

秋の健康診断があり自分では健康だと思って居たが、要検査の判定が出て病院で検査を受けた。

すい臓癌が見つかった。

ショックだった、気づかない内に癌が進行していた。

もう手術も出来なくらいだそうだ。

投薬と放射線治療が始まった。

死が現実のものとなり迫って来る。

諦めと、かすかな希望が見え隠れする。

恋人も出来ない寂しい人生だから、もう良いかなと思いながらお酒に手を出し酔って現実逃避を繰り返していた。


そして数ヶ月後の、ある日の夜、窓を叩く音がする。

窓を開けると彼女の宇宙船が飛び込んで来た。

テーブルの上に着陸すると中から彼女が現れた。

「先日は、ありがとうございます、前回は、ろくにお礼も出来ず申し訳ありませんでした」と言う。

格納庫を開け中から海ぶどうの様な物を出して来て食べてくださいと言う。

口に入れると柑橘系の味がした。

彼女は暫く居られると言う事で奇妙な同棲生活が始まった。

ショルダーバッグに彼女を忍ばせ外出して美術館等を案内した。

レストランに入り膝の上にバッグを置いて彼女と食事をした。

店員に見つからない様に細心の注意をはらっての食事は気を使いすぎて味を覚えていない。

病気の話になり彼女曰く助かる道もあると言う。

何でも細胞の再編成をすれば助かると言う、ただし彼女と同じサイズになると言う。

藁をもすがる気持ちで彼女に託す事にした。

彼女は自国星に帰り準備をして来ると言い宇宙船で帰って行った。

彼女の話によると細胞の再編成をすると残りの細胞は死を意味すると言う。

つまりほとんどの肉体が死ぬと言う事だ。

この世界での死を迎える為、俺は遺書を両親にあてて書いた。

涙が止まらなかった。

葬儀の為の準備も行った。


彼女が5機の宇宙船を引き連れ現れた。

「どう?準備は良い?」

「後は、この手紙を出すだけだ」

早速、手紙を投函して布団に横になる。

5機の宇宙船が周りを取り囲み鋭い光が当てられる。

と同時にテーブルの上にも光が集約して俺の新しい肉体が作り出される。

最後に精神の移動がされて生まれ変わった。

信じられなかった、自分の部屋が広大な空間に変わった。

「ありがとう」

硬い握手を交わして彼女の宇宙船に乗り込んだ。


         その3 旅立ち

スクリーンに世界が飛び交う。

大気圏を抜ける時に、猛烈なGがかかり失神した。

目が覚めると彼女ミシャが笑って居た。

「情けないわねぇ~」

「そんな事言ったって初めてだからね、訓練もしていないし」

「まぁ、そうね、私達は肉体改造しているから平気な所もあるわね」

「肉体改造?つまりサイボーグと言う事?」

「地球の言い方をすればそうね」

「ほら、貴方の星が小さくなって行くわ」

地球が小さくなって行く、心の中で、さようならと呟いた。

「これから亜空間に入って私の星を目指すわ、見納めよ」

と言って宇宙地図を見せてくれた。

そこは、銀河系の中心にある太陽系だった。

「どの位、亜空間で飛ぶ訳?」

「大体10日位ね」

「たった10日で、そんな遠くまで行けるのか、驚いた」

「私達も亜空間の存在を知るまで自分の太陽系を出た事は無いわ、最も大昔の事だけど」

「ところで、お腹空いていない?食事にしない」

「運転していなくて大丈夫なの?」

「やぁねぇ、自動運転に決まっているでしょう」

パスタとサラダの簡単な食事を取った。

「少し、勉強していただくわね」

「勉強?苦手なんだけど」

「大丈夫よ、このカプセルの中でリラックスしていればいいだけだから」

「睡眠学習?」

「まぁ、似たようなものね、催眠状態にして脳にインプットするの」

「さぁ、入って」

言われた通りカプセルの中に入る、霧の様な物が出て意識が薄れる。

何時間入って居たのか解らない。

目を覚ますと彼女が居ない。

カプセルを出て椅子に腰掛けると様々な事が解る、彼女の星ベクターの歴史や文化、言語、法律。

暫くするとミシャがやって来た。

「どう?感想は?」

「凄い、勉強した気がしないのに何でも解る」

「まぁ、何でもじゃ無いけど」と彼女の星の言語で答える。

「しかし、解らない、どうやって地球の言語を習得したの?」

「あら、簡単よ、地球に最初行った人が眠っている人からダウンロードしただけ」

「そんな簡単な、ダウンロードだなんて」

「貴方の脳が色々解るのも勉強したと言うよりダウンロードしたと言う方が解りやすいわね」

「素晴らしい」

「これからシュミレーターで宇宙船の運転を覚えてもらいます」

と言って別な部屋に案内された。

「基本は、もう知っているはずだから、実際的な訓練をするわよ」

それからと言うものシュミレーターでの運転技術の習得と戦闘訓練が始まった。

あっと言う間に10日間が過ぎた。

「もうすぐ私の星に着くわ」

と言って亜空間から出た。

地球と同じ青い星が見えた。

「大きさは地球の月と同じくらいかしら」

そんな事を言われても随分大きい感じ、次第に近づく。

滑る様にベクターに降りて行く。

広大な宇宙基地に降りた。

ミシャと一緒に大地に降り立つ、地球で感じた重力よりも体が軽い。

入国管理室に入ると身体検査や血液検査を受けた。

その間ミシャが入国手続きをしてくれた。

保証人にもなってくれたらしい、でなければ入国は出来ない。

空港から移動チュウブで彼女の家に向かう。

チュウブは高いビルの間を縫う様に走っていた。

駅から移動道路で進みあるビルの前で降りる。

エレベーターで134階まで登る。

彼女は1人暮らしをしていた。

「疲れたでしょう、この部屋を使って」と案内してくれた。

確かに疲れた、壁にある水を飲みベットで横になる、直ぐに睡魔が襲う。


         その4 借金

次の日はミシャが、この星の案内をしてくれた。

博物館、歴史的建造物、美術館、競技場など、どれも新鮮だった。

食事も地下60階にあるレストランに連れて行って貰った。

どれも新鮮で美味しい料理だった。

夜、あるパーティーに呼ばれてミシャと行く。

ミシャは淡いブルーのドレスで着飾った。

俺は、この星の民族衣装のミレと言う物に着替えた。

そのパーティーでミシャの親友と言うカミュと出会った。

ワインに似た飲み物で暫く歓談していてミシャが席を外した時にカミュからミシャが莫大な借金を負った事を聞かされた。

全て俺の為に使ったお金だと言う。

確かに特殊宇宙船5機を地球に派遣して貰うのにはお金が掛かっただろう。

俺は申し訳無い気持ちで一杯になった。

パーティーはダンスや音楽の演奏で賑やかに終わった。

帰ってミシャに自分の為にお金を使わせて申し訳ないと言うと。

「大丈夫よ、お金は、また働けば良いから、それより地球で助けて貰って、こちらこそ感謝しても、し足りないくらいよ」

「俺に出来る事なら何でもする」

「そうね、このままここに居てもどうしょうもないわね」

「来週から私と辺境の星だけど行って見る?」

「何処へでも行くさ」

「じゃ、決まりね」

1週間後、ミシャの宇宙船ヴィラで出航した。

何でも、その星は原始的な星らしい、詳しい事はミシャにも解らないそうだ。

ミシャの仕事は現地調査、星の現状を報告すれば良いそうだ。

また、亜空間に入って戦闘訓練に明け暮れた。

勿論、地球で言う所の映画も見た。

メガネ無しの3Dは迫力十分だった。

匂いまでして、シーンが変わるとサッと匂いも消えた。

椅子は画面と連動して振動する優れものだ。

20日間かけて銀河の果てに着いた。

地球と同じ位の大きさで人工的な物は見当たらない。

恐竜に似た、いや正に恐竜が我が物顔で至る所に居た。

ある丘の上に宇宙船を着陸させて周りをバリアーで囲った。

探査機を飛ばして状況を確認する。

調査に含まれていない地中の探査も行った。

するとこの星にダイヤモンドが大量にある事が解った。

俺は借金返済の為に掘るべきだと提案して任された。

地中掘削機を何とかダイヤモンドのある谷へと運んだ。

掘り進めるとダイヤの他ルビーもエメラルドも大量に手に入れた。

ミシャも喜んでくれた。

「これで借金を返しても、まだ余裕があるわ」

「俺も安心して、この世界に居られるよ」

小さい鳥の様な恐竜で今夜は焼き肉をして腹いっぱい食べた。

まさに鶏の様な味がした。

現地調査で原住民が居ない事を報告書にまとめて帰国する事にした。

その星を飛び立って直ぐ怪しい宇宙船に出会った。

いきなり攻撃して来た、バリアーが無かったら帰れなくなる所だった。

ヴィラの運転を俺に任せてミシャが戦闘宇宙船で発艦した。

敵の宇宙船を2機撃墜した所で彼らは慌てて引き上げて行った。

これも報告書にしたためた。無論ミシャがだが。

帰国して政府に報告書を提出して任務が終わった。

大量のダイヤモンド等で借金は無くなった。

宇宙船ヴィラの借金も無くなった。

また、地下60階のレストランで乾杯をした。

すると彼女は退職を考えていると言う。

「そんなに急いで結論を出さなくても良いんじゃない」

「そうね、特に今の所やりたい事も無い訳だし」

「それより新しい住居を購入するのは、どう?」

「それよりもゆっくり旅行がしたいわ」

「旅行か、俺には何処が良いのか解らないから任せるよ」

ミシャが旅行のプランを立てて週末から出かける事にした。


          その5 旅行へ

友達に声をかけて男3人と女性が4人の総勢7人で旅行する事になった。

やはり大勢でワイワイ言いながらの旅行は楽しい。

青い海で泳ぎ、水中散歩をしたりリゾートを十分楽しんで居た。

夜の宴会もお酒が回るにしたがって賑やかさを通り越してうるさい。

それぞれが、自分の事をアピールして仲間の意識が高まった。

そんな中、俺はカミュの友達のリンと親しく話す様になって居た。

リンは学校の教師をしていると言う。

学校では、知識を如何に現実に活かすかを教えていると言う。

歳は27歳、両親と離れて、一人暮らしをしていてペットの猫の様な生き物を飼っていると言った。

切れ長の目で髪をポニーテールにしている。

夜の砂浜を2人で散歩する、何方ともなく手をにぎる。

リンからミシャとの関係を聞かれた。

「ミシャは俺の先生であり、俺の命を救ってくれた救世主で家族の様なものさ」

「じゃ、特別な感情は無い訳?」

「それについては、お互い触れない様にしている」

「じゃ、まるっきり無い訳でも無いのね」

「まぁ、そうとも言えるが考えない様にしている」

「じゃ、私が入り込む余地があるのね」

「勿論」

浜辺のベンチに腰掛けると俺は今までの自分の事を話した。

「じゃ、私達と違う訳ね、驚いたわ」

「人間は、人間だけどね、ただ大きさが違っているだけさ」

「自分の居た世界が懐かしい?、帰りたくはないの?」

「ここの生活の方が好きだね、生活の為とは言え毎日会社と言う所に行って好きでも無い仕事をするのは苦痛以外の何物でもなかったよ」

その後もリンとは色んな事を話あった。

そして、旅行を終えて帰って来た。

ミシャも旅行疲れをしているものの満足そうだ。

俺は、俺で、新しい住居を探して引っ越した。

地上26階の2LDK、1人で住むには十分だ。

料理も機械が自動で作ってくれる。ただしメンテナンスを3ヶ月に一回しなければならない。

メニューが限られているが、それはしょうがない。

食材を買って来て機械にストックすれば良い、後は調味料のセットだけ。

早速、シチューを選んでボタンを押した。

熱々のシチューを食べているとミシャから連絡が来た。

次の依頼が来たと言う。

また、銀河系の外れにある星の調査だと言う。


          その6 巨大な星

3日間準備に追われ、4日目にミシャとヴィラで現地に向かって旅立った。

また、長い旅だ。

亜空間を30日近く飛ばなければならないと言う。

ナビが無ければ自分が何処に居るのかも解らない。

新しい知識をダウンロードしたり本を読んだり、新作の映画を見たり、肉体の訓練を重ねたりして過ごす。

目的の星の暫く離れた所から亜空間を出る。

どうやら文明のある星が近い、センサーがいたる所にある。

どうやら我々の船は小さすぎてセンサーは反応しないらしい。

センサーに引っかかったと思った時は、ドキリとしたが安心した。

その赤茶けた大きな星の周りには人工衛星が幾つもある、どれも馬鹿でかい。

夜、海の真ん中へと降りて行く。

そして夜の海上を進む。

陸地が迫って来た。

馬鹿でかいビルや建物が見える。

近づくと人間も大きい、ゆうに10メートルの身長がある。

季節は夏らしい。

誰もかも半袖姿だ。

暫く飛んで郊外の林の中の着陸する。

早速、エアーバイクでミシャとヴィラから飛び出す。

1軒の家の様子を覗う。

蚊までデカイ、自分と同じくらいだ、危うく刺される所だったのでレーザーガンで撃ち落としてやった。

3人の姿が見える、1人は十代の女性らしい。

俺の住んで居た地球によく似ている。

食事を家族でしている所だ。

取りたてて問題にする所は無い。

後は、眠るのを待ってデーターをダウンロードするだけだ。

深夜、網戸を開けて中に入る、グッスリと眠っている夫婦の奥さんの脳にアクセスする、センサーから脳波が流れて来る。

時間にして約15分でダウンロードが終わった。

速やかにヴィラに引き上げて解析する作業に入る。

やはりここの住民は最近宇宙に出たばかりで亜空間の存在も知らない。

したがってこの星の太陽系から外に出た事は無い。

ヴィラを離陸させて宇宙基地を探す。

基地とは言いがたい所だった、飛行場そのものの様だ。

つまり飛行機に宇宙船を載せ大気圏近くまで行って宇宙船を切り離して大気圏を出ると言うものだ。

暫く探索していると、いきなりサイレンが鳴り響き警備が集まって来た。

彼らも我々がこれ程小さいとは考えて居ないらしく右往左往している。

建物の影から様子を見ていると誤報と判断したらしく解散して行った。

報告書のデーターが取れたので帰国する事にして低空で、その場を離れて海上に向かい一気に大気圏を抜ける。

また、失神してしまった。

ミシャが、また笑う。

「しょうがないだろう、この星の重力が強すぎるんだ」と良い訳をする。

やはりサイボーグに改造しないとまずいかも知れない。


           その7 敵わない人達

帰国してリンとデートを重ねる。

リンが部屋の掃除をしてくれると言う。

夜、リンの手料理で舌鼓を打ち、お酒を飲む。

リンは本当に料理が上手い。完全に胃袋を掴まれた。

音楽を流しダンスをする、抱きしめた腕に力が入る。

抱き上げてベッドに向かう。

朝、料理の音で目が覚める。

何て幸せな時間なのかとあらためて思う。

ミシャも先日一緒に旅行したビュとデートを重ねているらしい。

4人で食事をする約束をする。

楽しい会話と美味しい食事にワイン、しかもお互い全て上手く行っている。

その後、俺は肉体の改造について悩み、遂に手術を受ける事にした。

骨の大部分をチタンに似た金属に変えた。

内蔵にも補助ジェネレーターに似た物を取り付けて新陳代謝が良くなる様にした。

目も利き目の右側を人工の眼球に変えた、これで動体視力が飛躍的に良くなった。

そしてコンピュータの映像も見える。

脳にもコンピュータとメモリを付けた、そしてGセンサーショックを付けて失神しない様にした。

副作用や何やら調べて病院から出るのに一ヶ月かかった。

病院から帰るとミシャから連絡が来た。

次の依頼が来たと言う、出発は1週間後。

今度は、場所も良く解らないそうだ、地図で、この辺りを探査しろと言うものらしい。

リンが見送る中ヴィラで出発した。

今度は、また遠くて40日かかるらしい、まぁ、行ってみない事には正確には解らない。

ミシャの料理の腕が上がっている、いったいどうしたのか?と尋ねると料理教室に通っていたと言う。

また、何時もの様に船内で過ごして目的の近くで亜空間から出る。

暫く宇宙地図を眺めながら進む。

太陽から4番目の星を目指して進むとある所で、まるで宇宙船が動かなくなった。

戦闘宇宙船で外を調べようにもハッチが開かない。

まるでエネルギーを何かに吸い取られた様に何もかも動かない、動いているのは生命維持装置だけ。

諦めて椅子に座っているとガクンと衝撃があり、外を見ると何処か室内の様な所に居る。

すると坊主頭の人達が見えた、目が異様に大きい、身長は1.5Mくらい。

何をしているのかと覗っていると急に声がした。

頭の中に直接話かけてくる。

「危害は加えないから速やかに出てきて欲しい」と言う。

ミシャと俺は諦めてハッチを開けて外に出た。

透き通っている床だ、彼らは空中を飛んでいる。

その中の1人が目の前に降りて来て君達の目的は何かと尋ねてくる。

別に隠す様な事も無いので正直に全てを話した。

その正直さが良かったらしく丁重にもてなしてくれる。

まずボードの様な物に乗るとふわりと浮かぶ、不安定かと思ったがちゃんと重力が効いていて落ちる事は無い。

そのボードが彼らの後をついて行く。

透明な床の上に椅子がある、そこに座る様に促される。

2人で座る。

「君達の体をスキャンさせて貰った、君達はサイボーグだね」

「はい、体を少し改造しています」

「君達が、私達の星を探査したいのは解った、しかし我々も無益な争いは好まないので、なるべく秘密にしたい、解るかね」

「解ります、きっと逆の立場なら、そうするかも知れません」

「報告書を上げないと言うなら君達に、そっとこの星の事を教えてあげよう」

「お願いします」

「我々は皆、クーロンで子供を生み育てると言う事をして来ない、そこで頼みがある、是非聞いて貰いたいのだが、何世代もクーロンを積み重ねると遺伝子の劣化が起こる様になる、つまり成長出来ず死んでしまうのだよ」

「そこでお願いだ、君達の遺伝子を少し分けて欲しいのだが」

「解りました、私達の遺伝子で良ければ差し上げます」

「そうか、ありがとう」

すると女性らしき人が来て腕に何かをぺたりと貼り付けたと思うと直ぐ剥がして持って行った。

彼らはこの銀河全体を把握していた、しかも驚くのは隣の銀河も把握していると言う。

しかも驚くのは彼らは亜空間など使わない。

自分の居る空間の1点と行きたい所の1点を空間を歪めて2点を1つにして一瞬に移動すると言う。

報告書は彼らの言う通りに作った。

そして、彼らの技術で一瞬に送って貰った。

母星に着いて報告をあげると長い休暇を貰う事にした。


          その8 最終話

彼らに遺伝子を提供してから、プレゼントがあると言われたが、何の事だか解らなかった。

が、多分自分では瞬きをしたつもりだったのに眠らされて体に何かされたらしい。

その証拠にミシャの事を考えると彼女が今、何をしているのかが解る。

思わず話かけると通じる。

彼らのプレゼントとはテレパシーを使える様にしてくれたのだとミシャに言うと、

ミシャは、それだけではない様な気がすると言う。

しかし、テレパシー以外は何だか解らない。

他にいったい何があるのだろう?

リンの事を考える、彼女が何をしているか解るが残念ながら彼女のテレパシーは、こちらに届かない。

話かければきっと俺の声は届くのだろうが、何より驚かせてはいけないと思い話しかけてはいない。

そして、触れてはいけないミシャの心の奥の扉の中を覗いてしまった。

お互い、自分の本当の心の内を押し殺して居たのが、ダムが決壊した様に一気に溢れ出た。

何よりもハッキリと、そして誰よりもお互いを愛している事が解る。

直ぐに会いに行って朝まで抱きしめた。


リンに会いに行く。

「初めに言っておく、けして君が嫌いになった訳じゃ無い、ただ以前言っていた様にミシャと俺との間の特別な気持ちを、お互い触れない様にしていたのだが、そうは行かなくなって、お互い誰よりも大切な人で、心の奥底から愛していると言う気持ちが浮かび上がって来た、すまない」

リンは無言で涙を一筋流した。


ミシャはミシャで別れを切り出していた。


ミシャとの新しい生活が始まった、何よりお互いを良く知っているので変な気を使わなくても良い。

今、俺も料理の勉強をしている、知識と実践は違いすぎる、包丁が思うように使えない。

料理はお互い交代で出来るだけ機械に頼らないで自分で作る事を目指している。

そして、次の依頼が来た。

今度は、地球の資源の調査だ。

無論、余計な事は言わない。

両親の姿を見る事が出来る。

実際見て今の姿で会いに行くかどうかは解らない。

3日後、地球に向かって旅立った。


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