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兄が妹萌えになりまして。  作者: 池田中務少輔輝里
第Ⅱ章 在校生→転入生
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第六話 「そこ男子トイレよ」

名前:霧生アズサ

年齢:15

身長:162

体重:51

3S:88、58、87

髪色:ネイビーブルー

髪長:セミロング

瞳色:黒と青のオッドアイ

利腕:右も左も使える

特技:昔から勉強よりもスポーツが得意。小学生の頃、誰がライダー役をやるかバトルロイヤルで決めた際に最後まで残って見事ライダー役を勝ち取った

好物:オムライス

嫌物:ポテトサラダ

 俺は一瞬にして人気者になった。男だけでなく女も惚けた顔でこっちを見ている。


「じゃ空いてる席に座ろうか。どっか空いてる席は…あそこしかないな」

 先生が指差したのは俺の席だった。空いてるのはそこだけだった。なんてことはない。俺が女になっただけであとは何も変わらないのだ。でも、母親は俺は家出した事にするって言ってたけど、それって俺が帰ってくる可能性があるってことだろ?だったら、俺がこうしてこの席を使うのはよろしくなくね?


「あー、ちなみに…」

 先生が俺(男の方)の事を言いだしたぞ。


「…はお母さんから連絡があって『俺は俺より強い奴に会いに行く』と書置きして家出したそうだ。しばらく帰ってこないみたいだぞ」

 なんじゃそりゃ。どこのストリートファイターだよ?母さんももっとまともな家出理由を考えろよ。俺より強い奴に行くって情緒不安定にもほどがあるぞ。にしても皆あまりリアクションしないな。まあ、家族がそんなに大事みたいにしてないから他人が騒いでもねってところか。


 休み時間になって女子が俺の周りに群がってきて俺の髪や体を触りまくった。


「髪きれーい」

「お肌もスベスベーっ」

「おっぱいでかーい」

「ねえねえ、どんなケアしてるの?」

 えっと…なんて言っていいかわからない。まさか昨日女になったばかりなんて言えないよな。俺は笑ってごまかした。


「はいはい、そこまで」

 と一人の女生徒が割って入った。彼女はこのクラスの委員長で三つ編みとメガネという典型的な優等生タイプだ。親友の一人が作成した美人度ランクではB+に入る。B以上が美人に該当するそうなので美人なのだろう。俺には勉強が得意な真面目な委員長というイメージしかないが。


「学校の中を案内するからついてきて」

 そうか、さっき先生が言ってたもんな。転校生に学校を案内するのは委員長の仕事だ。でも、俺全部知ってるよ。とは言えず、ついていくことにした。委員長があれこれ説明してくれるのを俺は上の空で聞き流していた。後ろからこっそりついてきている男どもを気にしないようにしながら。


「とまあこんなぐらいかな。見ての通り何の変哲もない公立の学校だけどワイドショーのネタになるような事は無いから安心して」

 それは俺もよく知っている。ごくごく普通の学校だ。在校しているのに転入というわけわからん生徒がここにいる以外は。一通り見回ったところでチャイムが鳴り、俺たちは教室にもどった。と、その前にトイレに行っておこう。すると委員長が大声をあげた。


「どこ入ろうとしてんの!?」

 へっ?きょとんとして委員長を見る。


「そこ男子トイレよ」

 はっ。ついついいつものくせで。そうだった。もう俺はここに踏み入る事は許されないんだった。その代わりにそれまで絶対に踏み入る事が許されなかった禁断の聖地に入る事ができる。入るのを躊躇う。でも時間が無い。意を決して俺は女子トイレへと記念すべき第一歩を踏み入れた。すごいね。何がすごいって?小便器が一つも置いてございません。さらに男子トイレでは見たことが無い芳香剤が置いてあるじゃあーりませんか。便器も洋式だし、男トイレではお見えにかかれない消音器がある。なんか感動してきた。俺はさっさと用を済ませて教室にもどった。


 昼食。俺は母に作ってもらった弁当箱を広げた。女の子らしい可愛い弁当箱だ。前よりかは少し容量が小さいようだ。女の子だからこれで十分なんだろう。一昨日までは一緒に弁当を食べるクラスメートは男だったが、いまは女の子と食べている。こんな光景見たことなかったな。"女三人寄れば姦しい"とはよく言ったものでお喋りが弾む。とても会話の中に入っていけない。因みに英語ではThree women (and a goose) make a market.が意味的に近いと思う。


「ねえ、朝からあんまり話すの見てないけど無口さんなの?」

 あまりにも俺が喋らないからか一人の女生徒が聞いてきた。いや、そういうわけじゃないんだけど。


「転校してきたばかりなんだから慣れてないのよ」

 ごめん。それはない。まあ、こんな風に女子と弁当を食べるなんて慣れてないのは事実だけど。喋らないのは俺が寡黙な性格というわけじゃなく、言葉を注意して喋らないといかんのなら最初から喋らないようにしているだけだ。それは朝に母から注意されたことがきっかけだった。

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