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兄が妹萌えになりまして。  作者: 池田中務少輔輝里
最終章 兄妹→恋人
19/27

第十九話 「私は自分から飲んだんだけどね」

名前:霧生アズサ→霧生アリサ

年齢:15→12(3回服用したことによる年齢退化。しかし、本人はその事にきづかず)

身長:162→148

体重:51→41

3S:88、58、87→71、52、76

髪色:ネイビーブルー→ワインレッド

髪長:セミロング→ロング

瞳色:黒と青のオッドアイ→両方、青そして…


筒井みちる

身長:157

胸大:C


緑山百合子

身長:154

胸大:B

 休み時間になると委員長が私の所に来た。何をしに来たか一ヶ月ほど前に同じことを体験した私は手に取るようにわかる。


「校舎を案内するからついてきて」

 ほら来た。まさか2回も同じ校舎を同じ人物に案内されるとは。いやいいですとは言えないから黙ってついていく。委員長はあれこれ説明してくれるが私は全く聞いてなかった。この校舎の事は彼女と同じくらい知っている。そして、最後の方になってきて急に委員長が足を止めた。どうしたの?私は訊いた。


「ねえ…あなたのお兄さんはどこにいるの?」

 私は返事に窮した。


「ねえ、どこにいるの?あなた知ってるんでしょ?」

 私は顔を背けた。とても彼女と目を合わせられるものではない。教室で担任が説明したのは前の私"霧生アズサ"の行方だけ。男だった私の行方は言ってない。皆、男の方の私は世界を飛び回っていると思っている。彼女だけがこの町にいると知っているのだ。


「どこなの?ねえ、どこ?」

 義兄はいない。私はそう答えた。


「いない?いないってどういうこと?そんなことないわ。だって私一昨日彼と会ったのよ?」

 彼女の目に涙が。私は一昨日一時的に男に戻った。その時に彼女から告白を受けた私は思いもよらぬ事で気が動転してその場で返事ができなかった。学校で返事すると約束して。しかし、家族の卑劣な罠に嵌って私は今の姿になってしまい二度と彼女との約束を果たせぬ体となってしまった。でも、それは言い訳にはならない。私には彼女に真実を言う義務がある。真実を言うべきか否か私は迷った。真実を告げたところで彼女が信じるとは思えない。あまりに荒唐無稽な話だからだ。少し考えて私は自分の身に起きたことを彼女に話した。


「えっ?」

 案の定、彼女は驚いた顔になった。何を電波な事をとでも思っているだろう。が、次の彼女の言葉で今度は私が驚かされる。


「そう、あなたもあの薬を飲んだの……」

 はひっ?私は一瞬、彼女に言っている意味がわからなかった。あなたも?あなたもってどういう事か。委員長はTS薬を知っていた。あなたもという事は彼女の知り合いがそれを飲んで性転換した。若しくは……。委員長、君はいったい……。


「私もあなたと一緒よ。ただし、私は自分から飲んだんだけどね」

 ……。予期せぬ委員長のカミングアウト。まさか私以外にあの薬の服用者がいたなんて。いや、あの薬は雑誌で堂々と広告を出していた。私以外の人間が服用してもおかしくは無い。しかし、それが自分の見知った人間とは。えっ、という事は委員長は本当は男だった?


「そうよ。私の前の名前は……」

 その名前には聞き覚えがあった。中学校の時の級長だ。真面目で勉強ばっかやってたガリ勉くんがどうして?しかも、ずっと私の事が好きだった?なんてこったい。

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