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明賢の物語(日本建国物語)試作版 第一版  作者: 大和草


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240/248

物語序章 第一版 240章

第四設計局


第1世代主力戦車 試作5号車


(極限性能追求型・先進モデル)



開発思想


第四設計局の方針は明確だった。


「今できることではなく、

できる限り先の戦争を想定する」


その結果、性能の天井を壊すことには成功した。



達成された要素(技術的偉業)


砲安定・射撃統制装置

•異常な性能の砲安定装置

•スラローム射撃を操縦手の技量にほぼ依存しない

•高速走行中でも照準保持が可能



電力・電子装備

•強力なAPU搭載

•大量の電子機器を常時稼働可能

•エンジン即時始動

•電子制御による俊敏な加減速


第四設計局は

“電子化戦車”という存在を完成させた。



防御・先進装備

•リアクティブ装甲板搭載

•APS(アクティブ防護システム)搭載

→ 低速ロケット弾迎撃可能


技術的には完全に時代を超越している



致命的な問題点


① 重量超過

•車重:70トン超

•空輸・架橋・地形適応力が低下

•足回りへの負担が極大



② 足回りの崩壊

•高重量+高機動要求

•サスペンション・履帯が頻繁に破損

•整備負荷が極端に高い


評価:


「走るが、帰ってこれない」



③ 生産性の破綻

•電子配線が複雑すぎる

•組立・検査に膨大な時間がかかる

•量産には不向き



④ 動力の問題

•ガスタービンエンジン搭載

•高出力だが燃費が極悪

•補給負担が増大


当時の将校の言葉:


「燃料を貪る怪物」



⑤ 過剰防御

•リアクティブ装甲は生産コストが高い

•APSは対戦車ロケット弾が存在しないため現状の脅威環境では不要



総合評価

項目評価

火力◎

砲安定◎

電子戦能力◎

先進性◎

機動力(理論)◎

機動力(実際)△

信頼性×

生産性×

実用性×


試作5号車は採用されなかった。


しかし――


「失敗作」とは誰も言わなかった。



本当の価値


第四設計局は

“技術的限界”をすべて示した。

•どこまで電子化できるか

•どこまて信頼性を維持できるのか

•重量と防御の限界

•補給が破綻するライン


これにより:

•第一設計局の堅実設計

•第二設計局の戦闘システム

•第三設計局の軽量化思想


それぞれの正しさが証明された。


技術はすべて出そろい、

数えきれない失敗と試作を経て、

第一設計局が最後に選ばれた理由は明確だった。

•性能を“盛る”のではなく

•使い続けられること

•量産できること

•壊れにくく、直しやすいこと

•戦場と工廠と補給の現実を裏切らないこと


それを何十年も守ってきたのが、第一設計局だった。



1式主力戦車 量産型


それは

•最先端だけを集めた怪物ではなく

•全試作車の「成功だけ」を静かに束ねた存在


明賢ドクトリンが求めた

国家としての力を示す兵器

が、ついに形になった。


世界初の戦車は、

最も派手な形ではなく、

最も現実的な形で完成した。


1式主力戦車 量産型


1式主力戦車量産型は、単一の革新的技術によって成立した兵器ではない。

軽戦車開発から主力戦車試作群に至るまでに蓄積された機械・電子・運用・生産の国家が鍛え上げた全要素を統合した結果として完成した戦闘システムである。


車体・レイアウト


全長10.1m、全幅3.7m、全高2.6m、戦闘重量59トン。

重量制限60トン以内という条件を守りながら、130mm砲・無人砲塔・自動装填装置・高度電子装備を搭載するため、内部配置は極端に合理化されている。


最大の特徴は完全な車体内乗員配置である。

砲塔は完全に無人化され、車長・砲手・操縦手・ドローンオペレーターの全員が車体装甲に包まれた区画に配置される。この構成により、

•砲塔の容積を最小化

•装甲重量の集中配置

•被弾時の人的被害低減


が同時に達成された。


パワーパックと機動性能


キ1型パワーパックは、第一設計局が長年培ってきた信頼性重視設計の集大成である。

ディーゼルエンジンと発電・駆動系を統合したハイブリッド方式を採用し、最大出力1100kWを発生する。


この方式により、

•発進時・急加速時の高トルク確保

•低速時の静音性

•走行間射撃時の姿勢安定

•電子装備・センサー群への安定電力供給


が可能となった。


最高速度は68km/hと、過度な高速化は追求していないが、59トン級車両としては十分な機動力を持ち、スラローム射撃や急減速時にも挙動が破綻しない。


航続距離は500km。

補助動力装置(APU)により、停車中でも電子装備・ドローン運用・通信が可能で、燃料消費と熱・騒音の低減に寄与している。


武装・射撃システム


主武装は55口径130mm砲。

長砲身化により初速と直進性を高め、長距離交戦を前提とした設計となっている。


自動装填装置は装填速度を一定に保ち、人員疲労や状況変化に左右されない射撃間隔を実現。

弾薬は車体内の防護区画に配置され、被弾時の誘爆リスクを最小限に抑えている。


射撃統制装置は、

•車長用全集確認カメラ

•砲手用高精度照準カメラ

•操縦手用周囲確認カメラ


を統合し、走行中でも高精度射撃が可能となった。


副武装として重機関銃1挺、1式軽機関銃車載型1挺を搭載し、近接防御と歩兵支援にも対応する。


装甲・防護思想


装甲はモジュラー式複合装甲を採用。

正面・側面・サイドスカートに至るまで複合装甲化されており、任務や輸送条件に応じて装甲構成を変更できる。


この方式は、

•生産時の標準化

•損傷時の迅速な交換

•将来的な装甲改良への対応


を可能にし、完成した兵器でありながら、発展の余地を残す設計となっている。


電子装備・統合運用


1式主力戦車は単独で完結する兵器ではない。

データリンクシステムにより、陸・海・空の統合作戦ネットワークに接続される。


特筆すべきはドローン運用能力である。

車体後部のドローン発射機から偵察ドローンを展開し、上空からの情報をリアルタイムで取得。

車内のドローン操縦用コンピュータによって、戦車自体が「移動するセンサー拠点」として機能する。



総評


1式主力戦車量産型は、

「最強の戦車」ではない。

しかし、

•作れる

•使い続けられる

•直せる

•戦場で役割を果たせる


という条件をすべて満たした、世界初の完成度を持つ戦車戦闘システムである。


初期配備と運用構想


1式主力戦車量産型の最初の生産拠点は、新大陸アラバマに設けられた陸軍工廠であった。

広大な用地、既存の重工業インフラ、長距離射撃・機動試験に適した演習場を併設できる地理条件が選定理由である。

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