物語序章 第一版 234章
車両開発
1号随伴輸送車 ―― 歩兵に追随する静かな機械
1660年、
火器と防具が完成した陸軍に、
最後の課題が残っていた。
兵が強くなりすぎた結果、持ち物が重くなりすぎた
1式自動小銃、
分隊支援火器、
狙撃装備、
防弾衣、
通信機、
予備弾薬、
医療器材。
どれも必要不可欠だが、
すべてを人が背負うには限界があった。
そこで導入されたのが、
1号随伴輸送車である。
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設計思想 ―― 目立たず、邪魔せず、黙ってついてくる
この車両は「戦車」ではない。
「装甲車」でもない。
兵器分類上は、
歩兵随伴装備
という、
まったく新しいカテゴリに属していた。
移動方式
•履帯式
•電動駆動
•完全密閉モーター
内燃機関を持たず、
作動音は人の足音より小さい。
夜間、霧中、森林。
敵に気付かれる要素はほぼなかった。
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最大の特徴は、
自動追尾機能である。
分隊長、または指定された兵士を
基準点として認識し、カメラにより
•距離
•速度
•地形傾斜
•障害物
を演算しながら、
常に歩兵の隊形を乱さない位置を保って移動する。
移動速度
•最低:匍匐移動に合わせた低速
•標準:徒歩行軍速度
•最大:分隊の短距離ダッシュに追従
兵が止まれば止まり、
兵が伏せれば即座に静止する。
「命令しなくても、そこにいる」
それが随伴輸送車だった。
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搭載能力 ―― 分隊の“背中”
1号随伴輸送車は、
分隊単位で配備される。
主な積載物
•予備弾薬
•分隊支援火器用弾帯
•狙撃班用補給品
•医療器材
•水・食料
•通信予備電源
これにより、
兵士個人の負担は大幅に軽減された。
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担架輸送機能
上部ユニットを交換することで、
即席担架モードに移行できる。
•負傷兵を迅速に後送
•衝撃吸収履帯
•姿勢安定制御
銃声が鳴る中でも、
声一つ立てずに運び去る。
兵たちはそれを見て言った。
「倒れても、我々は置いていかれない」
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移動電源としての役割
随伴輸送車には
大容量電池が搭載されている。
電力供給用途
•無線機
•暗視装備
•照準器
•簡易医療機器
•野戦工作用工具
前線での電力自給が可能になり、
夜戦・長期潜伏能力が飛躍的に向上した。
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戦場での評価
初めて実戦投入された際、
敵軍はそれを認識できなかった。
銃声の数は少ない。
しかし弾は尽きない。
負傷者は消える。
部隊は疲弊しない。
「兵が休まず進み続けている」
それが敵側の報告だった。
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兵士たちの呼び名
正式名称は
1号随伴輸送車。
だが兵たちは、
別の名前で呼んでいた。
•「牛」
•「荷物持ち」
そして最も多かったのは、
「新たな分隊員」
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総括 ―― 歩兵という概念の変化
火器、
防具、
通信、
機動。
そして――
持続力。
1号随伴輸送車は、
陸軍を「一時的に強い軍」から
長く戦える軍へと変えた。




