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明賢の物語(日本建国物語)試作版 第一版  作者: 大和草


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226/248

物語序章 第一版 226章

200トン型高速巡視艇 ― 海を駆ける稲妻


この艇が出動する時、

それはすでに事案が動いている時だった。


不審船が逃走を開始した。

遭難信号が入った。


その瞬間、

港に係留されていた200トン型は

ほとんど間を置かずに動き出す。



船体 ― 速さのための形


全長50メートル。

全幅8メートル。

排水量200トン。


船体は細く、低く、鋭い。


余計な構造物は削ぎ落とされ、

上部構造は可能な限り軽量化されている。

•波を叩かず、切り裂く艦首

•高速時でも姿勢を崩さない船底形状


この船は止まることを前提に作られていない。



推進 ― 圧倒的な加速力


ディーゼルエンジン 3基。

総出力 12,000kw。


推進方式はウォータージェット。


スロットルを入れた瞬間、

船体は水面を蹴り飛ばすように前へ出る。

•最高速力 80km/h

•急加速

•急旋回

•浅海域対応


大型巡視船では追いつけない。

小型高速艇では航続距離が足りない。


その中間で、

「追いつける速度」と「使える時間」

両方を成立させたのがこの艇だった。



武装 ― 威圧と制止


武装は単純明快。

•6連装20mm機関砲 ×1


この艇に求められるのは撃破ではない。

•警告射撃

•進路封鎖


高速で接近し、

相手の船体を斜め前から捉え、

逃げ場を奪う。


20mm砲は

「逃げ続ける」という選択肢を

相手から消し去るための装備だった。



電子装備 ― 見失わない


電子装備は必要最小限、だが高性能。

•対水上レーダー

•FCS

•高精度監視カメラ


夜間、霧、逆光。

どんな状況でも、

•航跡

•船型

•乗員の動き


を捉え続ける。


この艇は

「追いつく」だけでなく

「追い続ける」ことが使命だった。



役割 ― 最速の初動部隊


200トン型の役割は明確だ。

•最初に現場へ到達する

•状況を把握する

•逃走を阻止する

•必要なら後続を誘導する


単独行動も多い。

だからこそ、

•操艦性

•視認性

•通信の確実性


が徹底的に重視された。



広い海域を持つ管区の切り札


この艇は、

•オセアニア

•南米沿岸

•島嶼部が散在する海域

•航行密度が低いが広大な管区


に多く配備された。


「距離があるから仕方ない」

という言い訳を許さないためだ。



多くの事案で、初動で活躍したのは


最初に到着したのは200トン型高速巡視艇であった


その一文が、

事態が最悪に至らなかった理由だった。


100トン型巡視艇 ― 海上保安庁の基礎単位


この艇の姿を見ない港は、ほとんど存在しない。


大規模な巡視船が沖合を抑え、

高速巡視艇が事件へ飛ぶその足元で、

日常を守り続けている船――

それが100トン型巡視艇であった。



船体 ― 小さく、軽く、扱いやすい


全長30メートル。

全幅6メートル。

排水量100トン。


港湾、狭水道、入り組んだ沿岸部。

どこでも扱えるよう、

•喫水はとても浅く

•構造は単純


にまとめられている。


大型船では近づけない場所へ、

この艇はためらいなく入っていく。



推進 ― 即応性を最優先


ディーゼルエンジン 2基。

総出力 4,000kw。

ウォータージェット推進。


スクリューを持たないため、

•浅瀬での運用

•漂流物の多い海域

•港内での急制動・急旋回


に極めて強い。


最高速力 65km/h。

数字だけ見れば中型艇に劣るが、

出港準備の速さ、加速の鋭さ、取り回しは別次元だった。



武装 ― 抑止のための最小構成


武装は一つだけ。

•重機関銃 ×1


この艇に火力は求められていない。

•警告


それができれば十分だった。


むしろ重要なのは

武装を使わずに終わらせること。

そのための存在感として、

重機関銃は甲板中央に据えられている。



電子装備 ― 見るための装備


搭載される電子装備は最小限だが、実用的。

•航海用レーダー

•高精度監視カメラ


密漁船、不審船、漂流物。

遠距離探知よりも、

•確認

•識別

•記録


に重点が置かれている。


この艇が集めた情報が、

後続の巡視船や航空機の判断材料になることも多い。



運用 ― 少人数で回る船


100トン型の最大の特徴は

人を食わないことだった。

•少人数での当直

•簡素な機関構成

•自動化された操舵・監視


これにより、

ほぼすべての管区で

常時複数隻を動かすことが可能となった。



役割 ― 日常を守る数の力


この艇は、

•全管区に配備

•海上保安庁最多の保有数

•24時間どこかで航行中


という存在だった。


派手な活躍は記録に残らない。

だが、

•密輸の未然防止

•不審行動の早期発見

•小規模事故への即応


その積み重ねが、

「何も起きなかった一日」を作り出している。



100トン型は

海上保安庁という組織の骨格そのものだった。


静かに、確実に、

今日も沿岸を走り続ける。

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