物語序章 第一版 224章
巡視艇の就役
1万トン級巡視船の誕生
海上保安庁の再編が進む中で、
最後まで議論が続いた艦があった。
それが――
1万トン級巡視船である。
従来の巡視艇では能力が届かず、
海軍の艦艇を前に出すには政治的に重すぎる。
その“間”を埋める存在として、
この艦は設計された。
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巨大な白い船
全長160メートル。
全幅20メートル。
排水量1万トン。
17世紀の海において、
この船は異様なまでに大きい。
だが戦艦のような威圧感はない。
白い船体、簡素な上部構造、
しかし隙のない装備配置。
見た者は直感的に理解する。
これは戦う船ではない。
だが、戦える船だ。
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機関と航続力
ディーゼルエンジン4基。
総出力35,000kw。
最高速力45km/h。
速度を見れば軍艦には到底及ばない。
だがこの艦に求められたのは速さではなく、
長期間活動可能なこと
指揮艦として多数の巡視艇を従えること
であった。
数週間、あるいは数か月。
補給なしで海域に居座り続ける。
それこそが、この艦の最大の武器である。
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武装 ― 必要にして十分
武装は控えめだが、甘くはない。
•120mm速射砲 ×1
•40mm速射砲 ×1
•6連装20mm機関砲 ×1
•3連装対潜短魚雷発射管 ×2
相手は想定されている。
•武装商船
•私掠船
•英国を中心とした海賊
•潜水行動を伴う半潜水艦
120mm砲は警告にも実戦にも使える。
40mmと20mmは接近拒否と制圧用。
対潜短魚雷は万が一のための装備。
撃沈は目的ではない。
行動不能にすることが目的である。
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航空運用能力
後部には広い発着甲板が設けられ、
航空機2機の同時運用が可能。
•偵察
•違法拠点の確認
•失踪船舶の捜索
•沿岸部の監視
この艦が一隻存在するだけで、
半径数百キロの海域が“見える海”になる。
航空機は基本的に武装はしない。
だが「見られている」という事実が、
最大の抑止力となる。
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電子装備 ― 保安庁の目
搭載される電子装備は、
軍艦と遜色ない水準に達していた。
•対水上・対空FCS統合レーダー
•衛星通信アンテナ
•位置誘導アンテナ
この艦は単独行動が可能だが、
決して孤立していない。
常に本部、周辺管区、
場合によっては海軍艦隊と
情報を共有している。
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役割 ― 海の主権を示す存在
この1万トン級巡視船は、
単なる巡視艇ではない。
•海上保安庁の旗艦
•広域管区の移動司令部
•有事の際の即時海軍編入艦
平時は白い船。
有事には再塗装され灰色になる。
指揮系統が切り替わるだけで、
そのまま海軍の作戦行動に組み込まれる。
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海賊対策としての効果
17世紀後半、
英国を中心に海賊行為が増え始める。
だがこの船が現れると、
海賊は戦わない。
逃げる。
あるいは、最初から接近してこない。
なぜなら彼らは知っている。
この船は、逃がさない。
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明賢はこの艦を見て、こう言った。
「これは剣ではない。
だが剣を抜かせない盾だ」
海軍の前に立ち、
外交の前に立ち、
そして戦争の一歩手前に立つ。
それが、
1万トン級巡視船の役割だった。
6000トン級巡視船 ― 海を押さえる中核
1万トン級巡視船が
「海域に君臨する存在」だとすれば、
6000トン級巡視船は
海を動き回り、押さえ続ける存在であった。
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バランスの取れた船体
全長135メートル。
全幅16メートル。
排水量6000トン。
外見は引き締まっており、
1万トン級のような威圧感はない。
だが――
細長い船体と上部構造は、
一目で「速い船」だと分かる。
この艦は見せるための船ではない。
追い、捕らえ、塞ぐための船である。
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機関 ― 静かで、確実
ディーゼルエンジン4基。
CODAD方式。
総出力30,000kw。
最大速力50km/h。
ガスタービンは使わない。
理由は明確だった。
•燃料効率
•長期運用時の信頼性
この艦は戦場ではなく、
日常の海で動き続ける。
止まらないこと、壊れないことが
何より重要だった。
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武装 ― 明確な線引き
武装は最小限。
だが意図ははっきりしている。
•120mm速射砲 ×1
•6連装20mm機関砲 ×2
これで十分だった。
海賊船、武装商船、
違法改造船、密輸船。
沈めるためではない。
拿捕するための武装である。
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航空運用能力
後部発着甲板には、
航空機2機を同時運用可能。
•長距離捜索
•海賊拠点の確認
•不審船の追尾
6000トン級は、
「自分で見つけ、自分で捕まえる」。
その思想を形にした艦であった。
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電子装備 ― 管区の眼
搭載される電子装備は簡潔だが強力。
•対水上・対空FCS統合レーダー
•衛星通信アンテナ
•位置誘導アンテナ
この艦が1隻いるだけで、
その管区の海は「抜け穴のない海」になる。
上空、海面、通信――
すべてが線で繋がっている。
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準大型という立ち位置
公式には
「準大型巡視艇」。
だが実態は違う。
•長期任務が可能
•単独行動が可能
•即応展開が可能
1万トン級が配備されていない管区で、
この艦が旗艦として動く。
問題を大きくしない。
戦争にしない。
それがこの艦の使命である。
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海賊との関係
17世紀後半、
英国系の海賊が活動を活発化させた。
しかし日本国貨物船への攻撃は弱まって行った。
彼らは学習し、結果航路から姿を消す。
存在そのものが抑止力となった。
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有事の顔
平時は白い船。
だが有事には迷わない。
国家緊急事態法で、
指揮系統は海軍へ切り替わる。
武装は最低限だが、
情報と位置は完全に共有される。
この艦は前に出て、
海軍が来るまで海を閉じる。
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6000トン級巡視船は日本の海を
静かに、しかし確実に囲い込む存在であった。




