表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
明賢の物語(日本建国物語)試作版 第一版  作者: 大和草


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

224/248

物語序章 第一版 224章

巡視艇の就役


1万トン級巡視船の誕生


海上保安庁の再編が進む中で、

最後まで議論が続いた艦があった。


それが――

1万トン級巡視船である。


従来の巡視艇では能力が届かず、

海軍の艦艇を前に出すには政治的に重すぎる。


その“間”を埋める存在として、

この艦は設計された。



巨大な白い船


全長160メートル。

全幅20メートル。

排水量1万トン。


17世紀の海において、

この船は異様なまでに大きい。


だが戦艦のような威圧感はない。

白い船体、簡素な上部構造、

しかし隙のない装備配置。


見た者は直感的に理解する。


これは戦う船ではない。

だが、戦える船だ。



機関と航続力


ディーゼルエンジン4基。

総出力35,000kw。


最高速力45km/h。


速度を見れば軍艦には到底及ばない。

だがこの艦に求められたのは速さではなく、


長期間活動可能なこと

指揮艦として多数の巡視艇を従えること


であった。


数週間、あるいは数か月。

補給なしで海域に居座り続ける。


それこそが、この艦の最大の武器である。



武装 ― 必要にして十分


武装は控えめだが、甘くはない。

•120mm速射砲 ×1

•40mm速射砲 ×1

•6連装20mm機関砲 ×1

•3連装対潜短魚雷発射管 ×2


相手は想定されている。

•武装商船

•私掠船

•英国を中心とした海賊

•潜水行動を伴う半潜水艦


120mm砲は警告にも実戦にも使える。

40mmと20mmは接近拒否と制圧用。

対潜短魚雷は万が一のための装備。


撃沈は目的ではない。

行動不能にすることが目的である。



航空運用能力


後部には広い発着甲板が設けられ、

航空機2機の同時運用が可能。

•偵察

•違法拠点の確認

•失踪船舶の捜索

•沿岸部の監視


この艦が一隻存在するだけで、

半径数百キロの海域が“見える海”になる。


航空機は基本的に武装はしない。

だが「見られている」という事実が、

最大の抑止力となる。



電子装備 ― 保安庁の目


搭載される電子装備は、

軍艦と遜色ない水準に達していた。

•対水上・対空FCS統合レーダー

•衛星通信アンテナ

•位置誘導アンテナ


この艦は単独行動が可能だが、

決して孤立していない。


常に本部、周辺管区、

場合によっては海軍艦隊と

情報を共有している。



役割 ― 海の主権を示す存在


この1万トン級巡視船は、

単なる巡視艇ではない。

•海上保安庁の旗艦

•広域管区の移動司令部

•有事の際の即時海軍編入艦


平時は白い船。

有事には再塗装され灰色になる。


指揮系統が切り替わるだけで、

そのまま海軍の作戦行動に組み込まれる。



海賊対策としての効果


17世紀後半、

英国を中心に海賊行為が増え始める。


だがこの船が現れると、

海賊は戦わない。


逃げる。

あるいは、最初から接近してこない。


なぜなら彼らは知っている。


この船は、逃がさない。



明賢はこの艦を見て、こう言った。


「これは剣ではない。

だが剣を抜かせない盾だ」


海軍の前に立ち、

外交の前に立ち、

そして戦争の一歩手前に立つ。


それが、

1万トン級巡視船の役割だった。


6000トン級巡視船 ― 海を押さえる中核


1万トン級巡視船が

「海域に君臨する存在」だとすれば、


6000トン級巡視船は

海を動き回り、押さえ続ける存在であった。



バランスの取れた船体


全長135メートル。

全幅16メートル。

排水量6000トン。


外見は引き締まっており、

1万トン級のような威圧感はない。


だが――

細長い船体と上部構造は、

一目で「速い船」だと分かる。


この艦は見せるための船ではない。

追い、捕らえ、塞ぐための船である。



機関 ― 静かで、確実


ディーゼルエンジン4基。

CODAD方式。


総出力30,000kw。

最大速力50km/h。


ガスタービンは使わない。

理由は明確だった。

•燃料効率

•長期運用時の信頼性


この艦は戦場ではなく、

日常の海で動き続ける。


止まらないこと、壊れないことが

何より重要だった。



武装 ― 明確な線引き


武装は最小限。

だが意図ははっきりしている。

•120mm速射砲 ×1

•6連装20mm機関砲 ×2


これで十分だった。


海賊船、武装商船、

違法改造船、密輸船。


沈めるためではない。

拿捕するための武装である。



航空運用能力


後部発着甲板には、

航空機2機を同時運用可能。

•長距離捜索

•海賊拠点の確認

•不審船の追尾


6000トン級は、

「自分で見つけ、自分で捕まえる」。


その思想を形にした艦であった。



電子装備 ― 管区の眼


搭載される電子装備は簡潔だが強力。

•対水上・対空FCS統合レーダー

•衛星通信アンテナ

•位置誘導アンテナ


この艦が1隻いるだけで、

その管区の海は「抜け穴のない海」になる。


上空、海面、通信――

すべてが線で繋がっている。



準大型という立ち位置


公式には

「準大型巡視艇」。


だが実態は違う。

•長期任務が可能

•単独行動が可能

•即応展開が可能


1万トン級が配備されていない管区で、

この艦が旗艦として動く。


問題を大きくしない。

戦争にしない。


それがこの艦の使命である。



海賊との関係


17世紀後半、

英国系の海賊が活動を活発化させた。

しかし日本国貨物船への攻撃は弱まって行った。


彼らは学習し、結果航路から姿を消す。


存在そのものが抑止力となった。



有事の顔


平時は白い船。

だが有事には迷わない。


国家緊急事態法で、

指揮系統は海軍へ切り替わる。


武装は最低限だが、

情報と位置は完全に共有される。


この艦は前に出て、

海軍が来るまで海を閉じる。



6000トン級巡視船は日本の海を

静かに、しかし確実に囲い込む存在であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ