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明賢の物語(日本建国物語)試作版 第一版  作者: 大和草


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221/248

物語序章 第一版 221章

駆逐艦建造 ― 艦隊の背骨


空母、戦艦、巡洋艦。

それらがどれほど強力であっても、

艦隊は駆逐艦なしには成立しない。


護衛、索敵、迎撃、追撃、輸送。

あらゆる隙間を埋め、

常に主力艦のそばに居続ける存在。


日本海軍はその事実を、

誰よりも正確に理解していた。


そこで計画されたのが、

むらさめ型駆逐艦である。



設計思想 ―「何でもできる」ことが強み


むらさめ型に与えられた要求は、

単純で、そして苛烈だった。

•艦隊護衛ができること

•対潜戦闘で活躍できること

•商船護衛の行動できること

•対艦・対空戦闘にも参加できること

•高速輸送任務に対応できること


つまり――

**「全部やれ」**という要求である。


専門特化ではない。

しかし中途半端でもない。


むらさめ型は

日本海軍艦艇の中で最も数が多く、最も酷使される艦

として最初から設計された。



艦隊の基準速度


駆逐艦に最も強く求められた能力は、

火力でも装甲でもなく、


速力と追従性だった。

•空母機動艦隊

•原子力戦艦隊

•巡洋艦隊

•輸送船団


どの部隊にも遅れず付き、

必要とあらば先行し、

危険があれば即座に割り込む。


そのため、

むらさめ型は「艦隊速度の万能艦」として設計される。


艦隊がどれだけ高速化しても、

むらさめ型は追従できなければならない。



量産前提の設計


むらさめ型のもう一つの特徴は、

最初から大規模量産されることを前提にしていた点である。


日本海軍はこの艦を

長期間製造することになる。

•建造時期による改良

•技術進歩の反映

•電子装備の更新

•武装構成の変更


これらを柔軟に受け入れるため、

艦体構造・電力配線・区画配置は

余裕を持って設計された。


その結果、

•むらさめ型一型

•むらさめ型二型

•むらさめ型三型


といったように、

同一艦名でありながら中身が進化していく

「成長する艦級」となる。



艦隊運用の中核へ


数で揃えられ、

任務で鍛えられ、

常に第一線に立つ。


むらさめ型はやがて、

•空母機動艦隊の外周防御

•戦艦隊の近接防空

•巡洋艦隊の機動護衛

•商船団の命綱


そのすべてを担うようになる。


派手ではない。

だが欠ければ艦隊は崩れる。


むらさめ型駆逐艦 一型 ― 艦隊の影となる剣


むらさめ型一型は、

日本海軍が「量」と「質」を同時に成立させるために生み出した艦だった。


戦艦ほど重くなく、

巡洋艦ほど高価でもない。


だが、

艦隊にとって最も長く、最も多く働く艦として、

設計段階から徹底的に合理性が追求されていた。



船体設計 ― 小さく、しかし不足はない


全長150メートル。

全幅18メートル。

排水量8000トン。


17世紀の世界基準から見れば異様なほど巨大だが、

日本海軍内部では「小型艦」に分類される。


船体は細長く、

波を切り裂くようなシャープな艦首形状を持つ。


内部区画は細かく区切られ、

被弾時に一部を失っても艦全体の機能を維持できる構造となっていた。


防御は最低限。

鋼板とセラミックを重ねた複合装甲は

20mm機関砲程度までの被弾を想定したものに過ぎない。


だがそれで十分だった。


むらさめ型は、

撃たれないことを前提に設計された艦なのだから。



推進機関 ― 艦隊の速度を決める者


むらさめ型一型の心臓部は、

COGLAG方式の推進システムである。

•巡航用ガスタービンエンジン ×2

•高速用ガスタービンエンジン ×2


これらを電気によって制御し、

状況に応じて最適な出力配分を行う。


通常航行では巡航用のみを使用し、

燃費と静粛性を確保。


戦闘時、あるいは緊急時には

高速用エンジンを叩き起こし、

最大速力75km/hに達する。


この速度は、

空母、戦艦、巡洋艦、輸送艦、

そのすべてに追従するために設定された。


むらさめ型が追いつけない艦は、

日本海軍には存在しない。



武装 ― 過不足なき牙


むらさめ型一型の武装は、

「多すぎず、足りなすぎず」を極限まで突き詰めた構成だった。


砲兵装

•単装120mm速射砲 ×3

•対艦・対地・対空の三役をこなす主砲

•単装40mm機関砲 ×4

•6連装20mm機関砲 ×2


近接防御は重層的で、

低空から迫る航空機や小型艇に対し即応できる。


ミサイル兵装

•VLS 16セル


搭載弾は任務に応じて変更可能。

•対空ミサイル

•対艦ミサイル

•対潜ミサイル


これにより、

むらさめ型は単艦でも限定的な戦闘が可能となる。



航空・対潜能力


艦尾には発着甲板が設けられ、

瑞雲乙型や無人回転翼機の運用が可能。


これにより、

•対潜索敵

•海上監視

•救難

•通信中継


といった任務を柔軟に遂行できた。


アクティブソーナーと航空機の組み合わせは、

潜水艦にとって最悪の存在となる。



電子装備 ― 小さな艦の大きな目


むらさめ型一型は、

駆逐艦でありながら極めて高度な電子装備を持つ。

•フェイズドアレイレーダー

•対水上レーダー

•アクティブソーナー

•射撃管制システム(FCS)

•電子妨害装置

•衛星通信アンテナ

•位置誘導アンテナ

•周囲確認用監視カメラ


これらは単艦用ではなく、

艦隊の一部として機能することを前提に設計されている。


陸・海・空の情報は常にリンクされ、

むらさめ型は「見る者」であると同時に

「伝える者」でもあった。



艦隊で最も忙しい艦


むらさめ型一型は、

派手な武勲を立てる艦ではない。


だが、

•最前線に居続け

•最後まで沈まず

•最初に敵を見つけ

•最初に撃ち

•最後に味方を守る


その役割は、

日本海軍にとって欠かすことのできないものだった。


「むらさめが居るなら、艦隊は動ける」


そう評されるようになるのに、

時間はかからなかった。

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