物語序章 第一版 220章
てんりゅう型軽巡洋艦 ― 艦隊の刃
あたご型が「拳」ならば、
てんりゅう型は間違いなく「刃」であった。
切り込み、走り、護り、追う。
戦場のあらゆる隙間に滑り込むために生まれた艦。
それが、日本海軍軽巡洋艦
てんりゅう型である。
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設計思想 ― 速さは防御である
全長180m、全幅20m、排水量13000トン。
重巡洋艦より一回り小さいが、
この艦の本質は大きさではない。
速さだ。
てんりゅう型の設計段階で最初に決められた数値は、
武装でも装甲でもなく、
「最大速力」
であった。
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推進機関 ― CODAGの完成形
推進方式はCODAG方式。
・ガスタービンエンジン2基
・ディーゼルエンジン2基
これらを統合し、
最大70000kwの出力を叩き出す。
巡航時はディーゼルのみで低燃費・低騒音。
戦闘時にはガスタービンが加わり、
一気に加速する。
そして最大速力――
70km/h
これは17世紀の水上戦闘艦として異常な数字だった。
巡洋艦の常識を完全に破壊する速度。
艦隊運動では先行偵察、
商船護衛では緊急対応、
戦闘では一撃離脱。
てんりゅう型は、
「駆逐艦に追従可能な艦」として設計されていた。
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主武装 ― 150mm三連装砲
主砲は3連装150mm砲×3基、計9門。
口径は抑えられているが、
連射性能と射界が重視された。
高速航行中でも精度を落とさないため、
砲塔はジャイロやコンピューターによって安定化され、
射撃はFCSが管制する。
敵艦、補給艦、沿岸陣地――
これらを短時間で制圧するのが役割だ。
重巡のように殴り合わず、
切り刻む。
それが150mm砲の使い方だった。
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多用途武装 ― 小さな艦の多機能性
副武装と近接防御も抜かりはない。
・120mm速射砲×6
・40mm機関砲×4
・20mm多銃身機関砲×2
加えてVLS16セル。
対空、対艦、対潜、対地――
作戦任務に応じてミサイルを選択する。
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対潜能力 ― 海中への目
艦首にはアクティブソーナーが設置されている。
日本国にて潜水艦が正式戦力として登場した以上、
水上艦がそれを見逃すことは許されない。
ソーナー情報は即座にFCSへ送られ、
艦砲・ミサイル・回転翼機と連携する。
てんりゅう型は単艦でも
対潜哨戒線を形成できる。
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電子装備 ― 情報の結節点
艦橋上部には
フェイズドアレイレーダー。
その下にCIC。
・対空
・対水上
・対潜
・衛星通信
・位置誘導
すべてが一体化されている。
商船護衛時には船団全体を管理し、
艦隊行動では駆逐艦を束ねる。
てんりゅう型は
「小さな旗艦」でもあった。
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防御思想 ― 受け流す装甲
装甲は重巡より薄い。
だが単純な鋼板ではない。
・セラミック
・燃料タンク
・鋼板
・バラストタンク
これらを重ねた複合構造。
一撃を耐えるのではなく、
致命傷を避ける。
速力と合わせて、
てんりゅう型は「生き残る軽巡」だった。
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航空運用 ― 目と手を伸ばす
艦尾には発着甲板。
回転翼機を1〜2機運用可能。
索敵、対潜、連絡、救難――
小さな艦でありながら
艦隊の感覚器官として機能した。
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てんりゅう型の役割
商船護衛。
艦隊護衛。
先行偵察。
哨戒。
切り込み。
どこにでも行き、
どんな任務もこなす。
目立たず、
だが常に最前線にいる。
それが
てんりゅう型軽巡洋艦。




