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明賢の物語(日本建国物語)試作版 第一版  作者: 大和草


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213/248

物語序章 第一版 213章

加賀型一番艦「加賀」建造


加賀型原子力航空母艦一番艦――

加賀。


その巨体は、

神戸造船所の乾ドックで静かに形を成していった。


原子炉区画、電磁カタパルト、

広大な格納庫とアングルド・デッキ。


それらは一つひとつが

それまでの造船技術の限界を超えており、

建造そのものが国家規模の実験でもあった。


やがて進水の日を迎える。


港に集まった技術者、海軍将官、研究者たちは、

艦首に刻まれた名を見上げた。


「加賀」


それはかつての名を継ぎながらも、

中身はまったく別物の艦であった。



就役


就役と同時に、加賀は――

第一空母機動艦隊 旗艦 に指定される。


これは象徴的な意味だけではない。

加賀は通信能力、管制能力、演算能力のいずれもが

艦隊中枢として最適だったからである。



第一空母機動艦隊 編制


加賀を中心とする基本編制は以下の通りであった。

•原子力航空母艦

•加賀 ×1

•巡洋艦

•×2隻

(防空・対水上戦闘・指揮補助)

•駆逐艦

•×4隻

(対潜・近接防空・哨戒)

•潜水艦

•×1隻

(先行哨戒・不可視護衛)


この編制は固定ではなく、

作戦・演習・試験内容に応じて柔軟に変更されるが、

「加賀を核とする輪」は常に維持された。



第1空母航空団


空母に搭載される航空戦力は

空母航空団 と命名された。


その基本編制は以下である。


戦闘・攻撃戦力

•戦闘攻撃飛行隊 ×4隊


制空・対艦・対地を兼任する主力部隊であり、

状況に応じて装備を切り替える柔軟な運用が想定されていた。



索敵・管制

•早期警戒隊 ×1隊


艦隊の「目」となる部隊であり、

フェイズドアレイレーダーと連動し

艦隊全体の空域を掌握する。



回転翼戦力

回転翼機隊 ×2隊

•対潜哨戒

•捜索救難

•連絡輸送

•極地・悪天候対応


固定翼では補えない領域を担当する。



支援

支援隊 ×1隊

•補給隊

•空中給油隊


表に出ることは少ないが、

航空団の稼働率を支える重要な存在だった。



加賀の役割


加賀は単なる戦力ではなかった。


1. 空母運用ノウハウの蓄積

•電磁カタパルトの実用データ

•原子力艦特有の運用手順

•艦載機の整備動線

•人員配置とレインボーギャングなどの服装整備


すべてが詳細に記録され、

後続艦へとフィードバックされていく。



2. 新装備試験の母艦

•新型艦載機

•新型電子装備

•新型兵装

•将来型無人機構想


それらはまず「加賀」で試される。


成功すれば艦隊へ。

失敗すれば設計段階へ戻る。



3. 海軍思想の中核


加賀の存在そのものが、

海軍の思想を変えていった。


「艦は砲で戦うものではない

情報と航空で戦うものだ」


この考えが、

実体を伴って理解され始めたのである。



静かな始まり


就役直後、

加賀は派手な示威行動を取らなかった。


演習、訓練、試験――

ひたすら地味で、しかし膨大な回数が繰り返された。


世界はまだ気づいていない。


だが海の上では、

すでに 次の時代の戦争の形 が

完成しつつあった。


加賀型航空母艦の拡充


二番艦「赤城」


加賀の就役から間を置かず、

二番艦・赤城 の建造が始まった。


加賀で得られた膨大なデータは、

設計段階から即座に反映される。

•電磁カタパルトの冗長化

•艦内動線の簡略化

•原子炉区画の遮蔽強化

•艦載機整備区画の拡張


就役後、赤城は

第二空母機動艦隊の旗艦 となり、

加賀と対を成す存在となる。



建造は止まらない


以後――

•三番艦

•四番艦

•五番艦……


と、加賀型は 計画通り10隻 が順次起工・進水・就役していく。


造船所は複数に分散され、

神戸、横須賀、呉の巨大ドックが

常に稼働していた。


それはもはや単なる艦艇建造ではなく、

国家的な流れ作業 であった。



艦隊演習の日々


就役した艦は、即座に実戦投入されることはない。


まず行われるのは、

延々と続く演習 である。

•単艦行動

•複数空母連携

•水上艦隊との統合行動

•潜水艦との協同

•極地・熱帯・外洋での運用試験


海は演習海域で埋め尽くされ、

加賀型は常にどこかで航行していた。



「動き」が揃っていく


最初はぎこちなかった。

•進路変更のタイミング

•航空機発艦の間隔

•補給艦との接舷

•防空圏の重なり


だが、繰り返される訓練の中で、

次第に艦隊は 一つの生き物 のようになっていく。


命令が出る前に、

各艦が次の動きを理解している。


誰かが突出せず、

誰かが遅れることもない。


それが「艦隊行動」だった。



空母航空団の鍛錬


同時に、

空母航空団 もまた鍛え抜かれていく。


発着艦の反復

•荒天時

•夜間

•電磁妨害下


ありとあらゆる条件で

発艦と着艦が繰り返された。


失敗は記録され、

原因は即座に分析される。



人と機械の一体化


やがて、

搭乗員と整備員、管制員は

言葉を交わさずとも意思疎通ができるようになる。


甲板は戦場であり、

同時に精密機械工場でもあった。



中核戦力へ


こうして――

•艦は艦として完成し

•艦隊は組織として成熟し

•航空団は戦力として洗練されていった


加賀型10隻は、

単なる「強力な空母群」ではなく、


帝国海軍そのものの中核

として存在するようになる。



海の上では、

静かに、しかし確実に――

誰にも止められない均衡 が築かれていた。


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