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物語序章 第一版 22章

数値で動く帝国 ― 生産統制と情報管理の始まり


プラント群が次々と稼働を始め、

帝国の沿岸は昼夜を問わず蒸気と炎に包まれていた。

だが明賢は、炎よりも恐れていた。

制御なき成長――それこそが文明を崩す最初の兆しだった。


「この国は“勘”では動かさない。

 数字で動く“理の帝国”にするのだ。」



生産統制制度 ― 科学が統べる秩序


各化学プラントにはそれぞれ**所長(工業技監)**が置かれた。

彼らは帝国大学工学部・化学部の高等卒であり、

技術と統計の両方を理解する者だけが任命された。


明賢は各所長へ通達を出す。


「すべての生産は報告でなく、記録で管理せよ。」


プラントごとに配置された計測機器は、

圧力、温度、反応時間、生成量を常時記録し、

そのデータを所長が**専用端末パソコン**に入力。


入力されたデータは、

瞬時に中央政府の生産管理局へ送信され、

一括で集計・分析された。



情報の流れ ― 帝国の神経網


中央庁舎の地下には、

無数のパソコンが並ぶ情報集積室があった。

壁面には全国の工業地帯を示す光点が浮かび、

各地のプラントからのデータが

リアルタイムで更新されていく。


圧力の上昇、温度の変動、出荷量の増減――

それらすべてが中央の監視網に表示される。


「この情報網は、国家の神経である。」


明賢はそう語り、

中央政府庁舎の中枢に新たな部門――

**生産統制局**を設けた。



理で動く経済


このシステムによって、

帝国は初めて“数値に基づく生産”を実現した。


どのプラントが効率的か、

どこで事故が起こりかけているか、

どの薬品が不足し、どこが余っているのか――

すべてが数値として見える。


家康はその報告書を手に取り、

明賢に言った。


「そなたの言う“科学による支配”とは、

 このようなものか。」

「はい。殿。

 この国では、もはや“感覚”で政治は行われません。

 理と記録が、帝の言葉となるのです。」



こうして日本国は、

初めて“情報”という見えざる資源を手にした。

それは後の時代において、

国家の運命を左右する最も強力な武器となっていく。


帝国物流統制局 ― 資源と情報の循環構造


生産が増えれば、次に必要となるのは流れの管理である。

どれほど優れた技術も、

適切な場所と時に届けられなければ意味を持たない。


「鉄も薬も、止まればただの石だ。

 流れてこそ国を動かす血となる。」


明賢はそう言い、

国家運営の中枢に物流と資源の統制機構を設けることを決定した。



物流統制局の創設


1600年代初頭、中央政府の経済庁の下に、

新たな部署――**物流統制局**が創設された。


その目的は単純にして明快。

**「全国の物資の流れを、数値と通信で制御する」**ことであった。


各地の工場・鉱山・農地・港・倉庫・鉄道駅には、

小型端末パソコンが配備され、

各施設の責任者がリアルタイムで資源の入出量を記録。


石炭、石油、鉄鉱石、木材、薬品、穀物――

そのすべてがデータとして中央に送信され、

帝国物流統制局の中央監視盤で即座に反映された。



情報で動く補給線


庁舎の壁面には、

全国の物流拠点と鉄道・港湾網を示す巨大な光地図が設置されていた。

光点が点滅するたび、

列車の位置、船の積荷、倉庫の残量が更新される。


明賢は地図の前に立ち、静かに言った。


「これが“補給”ではない。

 これは“国家の循環器”だ。」


このシステムにより、

・どの工場にどの資源を何時に送るか

・輸送に使う列車や船の配置

・港湾の出入荷予定

すべてが中央の指令一つで統制可能となった。



自動化の萌芽 ― 配分アルゴリズム


帝国大学の数学部と情報工学課の協力により、

単なる報告体制は自動配分システムへと進化する。


各施設が送る在庫・需要データをもとに、

中央の演算機が最適な資源配分を自動算出し、

即座に配送指示を各所へ送信。


現場の責任者は指令を受け取り、

列車や輸送艦、馬車部隊を動かすだけでよかった。


人の判断ではなく、数式が国を動かす。



鉄と海の連携 ― 輸送網の完成


この統制体制の下、

帝国鉄道網と造船所の輸送艦隊が完全に同期した。


鉄道で運ばれた資材はそのまま港へ、

船で運ばれた燃料は再び工場へと戻る。

“地と海の循環”が確立されたことで、

帝国の産業はまるで巨大な一つの機械のように動き始めた。


清助は統制局の地図を見上げてつぶやいた。


「先生……この国は、本当に生きているようですね。」

「そうだ。」明賢は微笑む。

「この流れこそが、理の血流だ。」



こうして、帝国は史上初めて、

情報による物流と資源の完全統制国家となった。

これにより、物資不足による停滞はほぼ消え、

国家は“合理の力”で動く存在へと変貌していった。

今のところ80話ぐらいまで予約され

書いている話は160話ぐらいまであるので

これから数ヶ月かけて投稿していきます

これが終わったら

試作版ではなくきちんとした形に書き換えていこうと思います

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