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明賢の物語(日本建国物語)試作版 第一版  作者: 大和草


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196/248

物語序章 第一版 196章

東海原子力研究施設の建設


立地:東海村


帝国大学原子力科と陸軍は、

日本本土における最初の原子力研究拠点として

常陸国・東海村を選定した。


選定理由

•首都圏から適度な距離がありながら、輸送・連絡が容易

•地盤が比較的安定している

•周辺人口が少なく、隔離管理がしやすい

•海に近く、将来的な冷却・実験用途の余地がある


後世、この地は

「原子力の誕生の地」と呼ばれることになる。



施設の性格


この研究施設は、大学施設でありながら

実質的には軍事研究拠点であった。


正式名称は

帝国大学・陸軍合同原子力研究所(通称:東海研究所)



厳重な警備体制


外周警備

•施設全体は高い塀と監視塔で囲まれる

•常時、陸軍兵士が警備を担当

•外部からは研究内容が一切分からない構造


出入口管理

•すべての入口に金属探知機を設置

•持ち込み物は厳密に制限

•私物の研究区画持ち込みは禁止



機密レベルによる区画管理


施設内部は、

機密4段階レベルによって明確に区分されていた。


機密区分(例)

•レベル1:基礎理論・一般研究区域

•レベル2:放射線実験・材料試験区域

•レベル3:原子炉関連理論・臨界実験準備区域

•レベル4:軍事直結・最高機密研究区域


各区画は物理的に隔離されており、

該当レベルの身分証を持たない者は一切入室不可。


研究者であっても、

自分の担当区画以外には立ち入れなかった。



監視システム


研究施設内部には、当時としては異常なほどの

監視体制が敷かれていた。

•廊下・実験室・出入口すべてに監視カメラ

•人の動線を常時記録・追跡

•不審行動は即座に警備に通知


この監視は「疑うため」ではなく、


事故と情報漏洩を未然に防ぐため


という明賢の強い指示によるものだった。



研究員の健康管理


原子力という未知の技術に対し、

日本は最初から人体影響の管理を重視した。


実施内容

•研究員は定期的に血液検査を実施

•白血球数・異常値の常時チェック

•被曝量の測定と記録

•体調不良者は即時研究から外される


「研究のために人が壊れることは許されない」

という方針が、制度として徹底されていた。



研究者たちの認識


研究員たちは、この施設についてこう語ったという。


「ここは大学でもあり、

兵器工場でもあり、

そして未来そのものだ。」



東海研究所は、

•日本初の原子力研究拠点

•世界で最も早く“安全管理を制度化した”原子力施設

•学問と軍事が完全に融合した象徴


であり、

後の原子炉建設・発電・宇宙技術に至る

すべての起点となる。


原子炉計画


ウラン資源の確保と濃縮体制の構築


ウラン採掘の開始


原子力開発を本格化させるにあたり、

日本はまず 燃料資源の完全自給体制 を目指した。


主な採掘地域

•新大陸北部カナダ

•日本領オーストラリア内陸部


これらの地域は、

•ウラン鉱量が豊富

•長期的開発に向く


という理由から選定された。



現地での一次精製


採掘されたウラン鉱石は、

すべて現地で一次精製される。


精製工程

1.採掘された鉱石を粉砕

2.化学処理により不純物を除去

3.**イエローケーキ(酸化ウラン濃縮物)**へ転換


これにより、

•輸送量の削減

•新大陸での科学技術の向上


が同時に達成された。



日本本土への輸送


イエローケーキは、

•厳重に封印された専用容器

•陸軍・海軍による護送


のもと、日本本土へと運ばれる。


輸送ルート・日程・数量はすべて機密扱いであり、

関係者以外には一切知らされなかった。



六フッ化ウランへの転換


日本本土に到着したイエローケーキは、

東海村の原子力研究施設で次の工程へ進む。


転換工程

•酸化ウラン → フッ化処理

•六フッ化ウラン(UF₆) へ化学変換


六フッ化ウランは加熱により気体化できるため、

遠心分離による濃縮に適した形態となる。



濃縮施設


遠心分離棟

•数百基規模の遠心分離機が林立

•常時稼働し、低濃縮から高濃縮まで対応可能

•人の立ち入りは最小限に制限


ロボットによる自動化

•原料投入

•分離制御

•回収・保管


すべてが 自律型ロボット によって行われる。


人間は直接操作せず、

異常時のみ介入する設計となっていた。



データ管理と監視


濃縮工程で得られるデータは、

原子力技術そのものと同じく重要視された。


管理体制

•回転数・分離効率・温度・圧力を常時監視

•データはリアルタイムで中央サーバーへ送信


このサーバーは、

•研究施設内でも最深部に設置

•陸軍管理下に置かれ

•二重三重の物理・電子的防護が施されていた



明賢は、この工程についてこう述べたとされる。


「原子力は“暴力”ではない。

“人類に管理できるかどうか”こそが文明の差だ。」


この思想のもと、

•採掘

•精製

•濃縮

•管理


すべてが 一貫して統制された国家技術 として構築された。


研究用原子炉の制作と配備


研究炉計画の開始


東海村の研究施設では、

ウラン濃縮体制の確立を受けて 実験用原子炉の建設 が正式に開始された。


目的は単なる発電ではなく、

•炉型ごとの特性理解

•軍事・民生両面での応用検証

•将来世代の原子炉設計に向けた知見蓄積


であった。


そのため、異なる設計思想を持つ三種の原子炉 が同時並行で試作される。



1号機:沸騰水型原子炉(BWR)


目的

•一般用途の発電

•将来の商用原子力発電所の原型


特徴

•炉心で直接水を沸騰させ蒸気を得る方式

•構造が比較的単純


この炉は、

「原子力を日常の電力に変える第一歩」

として位置づけられた。



2号機:加圧水型原子炉(PWR)


目的

•艦船搭載用原子炉の試験

•長期間安定運転の検証


特徴

•冷却水を高圧で保持し沸騰させない

•放射性物質の隔離性が高い

•小型化・耐振動性に優れる


この2号機は、

将来的に建造される

•原子力空母

•原子力観測船

•原子力潜水艦


への搭載を見据えた 軍民両用試験炉 であった。



3号機:ガス冷却炉


目的

•次世代小型原子炉の技術蓄積

•冷却材多様化の研究


特徴

•冷却材にガス(ヘリウム等)を使用

•高温運転が可能

•小型・高効率化に向く


この炉は、

将来の

•離島用発電

•地下施設

•軍事拠点用独立電源


を視野に入れた 先行研究炉 であった。



原子炉容器の製造体制


原子炉容器の製造は、

当時の技術水準を大きく超える要求を突きつけた。


人材動員

•造船所の大型ベンディングマシーン

•熟練溶接工

•圧力容器設計技師


が、日本本土の造船所から選抜・引き抜かれた。


原子炉は「船よりも厚く、船よりも精密」な構造物であり、

造船技術こそが最適解だったからである。



新大陸での試作施設


新大陸に建設される原子炉施設では、

•冷却塔を必要とする設計

•将来の大型商用炉を見据えた配置


が採用された。


試作模型

•縮尺模型による流体試験

•冷却効率・熱交換挙動の検証

•事故時シナリオの再現実験


が事前に行われ、

「作ってから考える」ことは許されなかった。



立地と安全設計


原子炉はすべて、

•海岸線近く

•固い岩盤上


に建設された。


非常設備の配置

•非常用発電装置

•制御系バックアップ

•燃料冷却系補助設備


これらは すべて標高の高い位置 に配置された。



前世の教訓


この設計思想の根底には、

明賢の前世の記憶があった。


「技術は事故を起こす。

だが、配置は人が選ぶ。」


前世における 福島第一原子力発電所 の経験から、

•津波

•浸水

•電源喪失


という最悪の連鎖を、

設計段階で断ち切ること が徹底された。



この研究炉群は、

•発電技術

•軍事応用

•安全思想

•国家管理能力


すべてを同時に育てる 文明の炉心 であった。

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