物語序章 第一版 156章
日本大改造論
1630年代 ― 日本国内で始まる “第二次国家大改造”
スペイン・ポルトガルとの戦いよりもはるか以前。
まだ日本が国内基盤を徹底的に固めている最中の1630年代――
明賢主導による 国家総インフラ刷新計画 が本格始動した。
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高層住宅の大量建設から「一段上の都市」へ
1610年代に建てられた
10階建て前後の耐震鉄骨集合住宅 は、
当時としては圧倒的に近未来的だったが、
人口増加・技術の向上・資材の大量生産によって
もはや“旧式”とみなされるようになった。
特に問題だったのは、
•上下水道が未整備で、公園の給水設備に依存していた
•電力供給網も脆弱
•冷暖房やガス供給が無い
•配管・配線の基準が新技術に追いつかない
これらを解決するために、
都市中心街から計画的な建て替え が始まる。
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国家プロジェクト:上下水道 “完全近代化”
日本国内の国土交通省は、
全ての都市に向けて以下を通達した。
上水道
•大型浄水場の建設(河川・ダム水源を統合管理)
•各都市へ高圧送水本管を敷設
•10階以上へも余裕で送水可能なポンプシステム導入
•各家庭へメーターを導入し漏水監視を自動化
下水道
•生活排水・雨水を完全に分離する “分流式” を採用
•下水処理場を最新式に建設
•大口径の下水道管を全国に敷設
•旧来の汲み取り式トイレを完全廃止へ向かわせる
この整備だけでも、世界のどの国も成し得ていない
超近代化計画 となった。
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石油大量精製・ガス供給の安定化
日本は新大陸・豪州・アフリカで資源採掘を始めていたため、
石油の輸入ではなく 完全自前の資源供給国 に変貌しつつあった。
•現代の世界基準すら超える大規模精製プラントが建設
•都市ガス網を整備し、家庭用ガスを大量供給
•LPGの量産により、寒冷地でもガス暖房が可能に
•工場向け高圧ガス供給が安定し産業力が爆発的に増加
ガス供給の安定化は、
家庭料理革命(ガスコンロ普及) や
温水装置の一般化 につながり生活レベルが激変した。
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剰電力が発生し始める
大規模火力発電所と大規模水力発電網の整備が並行して進み、
もともと軍や産業向けに確保していた電力が
ついに 民間向けにも余剰が出る段階 に突入した。
•各都市に変電所が最新技術で設置
•家庭への100V電力供給の安定化
•街灯・公共施設の24時間電力化
•電動照明・電動ポンプ・冷暖房機器の普及
これにより、
旧式の10階建て住宅は電力系統の更新が追いつかず、
全面建て替え が必要となった。
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10階建て住宅の計画的解体と「都市再設計」
都市部(江戸・大阪・京都・名古屋・福岡ほか)では
すでに人口増加が凄まじく、
10階建て住宅では将来の人口を収容できなかった。
そのため政府は以下を発表する。
都市中心部の旧式高層住宅を順次解体し、
上下水道・ガス・電力の基準に対応した
新世代20階級の住宅群 を建てる。
解体エリアは以下から始まった。
•江戸城の外周エリア
•業務区として拡張する地域
•新鉄道網の主要駅周辺
•海沿いの再開発可能地域
解体と同時に道路拡張・地下配管埋設が行われ、
完全に近代都市国家としての姿 を取り戻していく。
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社会的変化
1630年代の日本は、
すでに世界のどの国よりも「未来の都市」へ近づいていた。
•水道が家に来る喜び
•夜でも明るい街
•ガスコンロや電灯の一般家庭への普及
•高層マンションの建設ラッシュ
•新しい街並みへの期待
前世のように個人の土地所有権持たせることはせず、
前世の中華人民共和国のように土地は国家が所持し国民は間借りする体制となっていたため
立ち退きはすんなりと行われた。
そしてこの都市再編は、
後の 宇宙産業革命 や 世界征服級の外交力 を支える
巨大な基盤へつながっていく。
新基準建築:日本版タワーマンションの誕生
1630年代、日本政府はあらゆる都市インフラを刷新し、
それに合わせて 次世代住宅の全国統一基準 を制定した。
この住宅基準は、前世の明賢が知る
「2000年代級の日本のマンション」 をほぼ再現する内容であり、
当時の世界文明からすれば数世紀先を行く
とてつもない建築規格となった。
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建物仕様:20階建て鉄筋コンクリート巨大マンション
基礎構造
•20階建て・鉄筋コンクリート(RC造)
→ 地震に強く、耐火性能も極めて高い。
•全棟に大型エレベーターを2基以上 設置。
•免震構造 が導入され、揺れを大幅にカット。
各部屋の標準設備
•電力が 各階・全戸へ安定供給
•上下水道が各部屋に直結
•24時間換気システムや全館空調(冷暖房) を完備
•都市ガスが 各階へ供給
•キッチンには ガスコンロまたはIHコンロ を標準装備
•浴室には
•給湯器
•バスタブ
•シャワー
•換気設備
を完備
•洗面・トイレは最新式の水洗トイレ
まさに 前世の2000年代マンション そのものである。
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各階からそのままゴミ捨て可能
各階のゴミ捨て場は、
縦に設置された ダストシュートに接続され、
ゴミは地上階の集積室へ自動的に落ちる。
住民は下まで降りる必要がなくなり、
革命的な生活改善であった。
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建築配置:一定間隔で立ち並ぶ“計画都市”
政府は都市計画法を制定し、
どの都市でも 一定の間隔・配置基準 に従って
この20階マンションが並ぶ街区を形成した。
•マンション街の間には
•学校
•公園
•病院
•消防署
•小売店
•大通り
が整備され、住民が徒歩圏で生活できるように設計。
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建設地域
次世代マンションは以下の地域で同時多発的に建てられた:
日本本土
•東京
•大阪
•名古屋
•京都
•福岡
•札幌
•仙台
…など主要都市の中心部すべて。
新大陸(北米・中米)
•山番市
•メキシコシティや近隣都市
•沿岸大都市の再開発区域
•日本が整備した新しい貿易都市全域
豪州
•シドニー
•メルボルン
•ブリスベン
•日本移民都市の新中心部
これにより、
日本領の主要都市はすべて“日本式未来都市”へ変貌 していった。
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社会への影響
•住民の生活水準が一気に21世紀並みに向上
•伝染病・水害・火災のリスクが大幅に減少
•都市人口を桁違いに収容できるようになる
•移民・労働者の受け入れが容易になり産業が拡大
•高度な生活インフラを基に
教育・研究・軍事の発展がさらに加速
この「新基準マンション」の登場は、
日本が世界都市のモデルとなる転換点だった。




