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物語序章 第一版 151章

世界各地の科学者が観測した“奇妙な光”


1650 年代、

ヨーロッパの天文観測者がある異変に気づき始めた。

•夜空に 静止しない光点 が突如現れてはゆっくり動き、

そして突然消える

•その光点は星の軌道とは明らかに違う

•さらに、観測史上存在しない場所に「新しい星」が出現する

•しかし翌日になると再び消えている


もちろん、

彼らは「人工衛星」や「通信衛星」や「月面探査装置」など

知るはずもない。


だが――日本は水面下で

20機以上の人工衛星を地球周回軌道に投入済みであり、

それらが反射した太陽光が世界中の人々の目に入っていたのだ。



日本大使館に押しかける世界の科学者


原因不明の異変に各国の学者は困惑し、

最終的にすがるように日本へ問い合わせを始めた。

•「日本は空の光点について何か知っているのでは?」

•「星の位置が時折変わる理由を教えてほしい」

•「日本の”新技術”なのか?」


スペイン、ポルトガル、イギリス、フランス、オランダ、

さらにはロシアツァーリ国の学者たちまで――


各国の日本大使館に列を作る異常事態となった。


どの大使館も毎日のように科学者や貴族学者が押しかけ、

外交官たちは回答に困る日々が続く。


日本各地の大使館から出された報告書はこう記されていた。


「ここ数ヶ月の問い合わせは通常の百倍以上。

特に天文学者たちの質問が急増しており、

日本の新技術に関する情報を強く求めている。」



日本政府:状況を把握


日本国内でもすぐに共有され、

外務省・宇宙軍・空軍・科学技術省に緊急資料として回された。


明賢はその報告書に目を通し、

静かにこう言った。


「……そろそろ、衛星の存在をどう扱うか決めねばなるまいな。」


人工衛星は完全なトップシークレットだった。

しかし、このままでは世界が騒ぎ始め、

「日本だけが空に謎の力を持つ」という噂が拡大する。


宇宙軍の司令官は言う。


「地球観測衛星の反射光はどうしても避けられません。

とくに大型通信衛星は太陽光を強く反射します。」


外務省の意見は割れた。

•「まだ隠すべきだ」

•「外交上、不信感が高まる前に一部情報を開示すべき」

•「衛星の能力は隠し、原理だけ説明するのはどうか」


日本、人工衛星の“存在だけ”を公式に認める


各国の科学者が大使館へ押し寄せ、

「空の光点」や「謎の移動する星」について質問攻めにしてくる状況が

もはや無視できないレベルに達した。


そこで日本政府は方針を決めた。


・人工衛星は日本の技術である

・それ以上の詳細はいっさい回答しない


この「最小限の情報だけ開示する」という決断は、

当時の望遠鏡の分解能では人工衛星を識別できないという事実を

最大限に利用したものだった。


日本は技術流出を避けつつ、

世界中の疑念を“最小の情報”で抑え込むことに成功した。


大使館の正式発表は簡潔だった。


「あの天に現れる光は、日本の新型観測装置によるものです。

詳細は国家機密であるため説明は控えます」


これだけだった。



世界中が震え上がる:


「日本は…どこまで先へ行ってしまったのか?」


情報は瞬く間に大陸を駆け巡った。


科学者たちの反応


「宇宙に“もの”を浮かせている……?」

「恒星でも惑星でもない人工物?」

「説明できない現象の正体が日本の装置……?」

「何十年、いや百年先を行っているのでは?」


天文学者は混乱し、

物理学者は震え、

数学者は桁違いの軌道計算に驚愕し、

各国の学会は蜂の巣を突いたような騒ぎとなった。


貴族・政治家の反応


「日本は空に武器を置けるということか」

「砲弾も大砲も無意味になる時代が来るのではないか」

「日本に逆らうことは国の滅亡を意味する」


その恐怖はもはや戦争の次元ではなかった。


軍部の反応


各国の将校たちは情報を整理できず、

最終的にたった一つの結論に至った。


「日本が本気を出せば欧州全土を同時に監視できるはずである」


その理解は合っていたが、

彼らが想像する以上の能力を日本は既に手にしていた。



「日本の技術力は測れない」という世界の総意


もはや世界はこう理解した。

•日本は海戦で最強

•陸戦でも最強

•経済力も最強

•科学も最強

•宇宙に物を飛ばす技術まで持っている

•技術レベルは未来人のようで比較ができない


「日本の限界がどこにあるのか分からない」

という恐怖と尊敬が世界全体に広がっていった。


各国の王や貴族は日本語を学び、

日本に逆らう気など毛ほども起きなくなる。


外交官たちの間ではこう囁かれた。


「日本は天と地の両方を支配する国だ」


宇宙開発の拡張


日本、ついに「再利用ロケット」開発へ踏み切る


人工衛星の量産と月面開発が軌道に乗ったことで、

宇宙軍・空軍・帝国大学の合同会議では

「宇宙へのアクセスコストを下げなければならない」

という結論に達した。


明賢は会議の席で明確に宣言した。


「今後の宇宙計画には再利用ロケットが必須だ。

我々はロケットを“消耗品”の時代から“使い回す”時代へ移る。」


これにより、

日本は世界史上誰よりも早く“再利用ロケット計画”を本格的に始めた。



1段目を自動帰還させる技術の開発


技術的基盤はすでに整っていた。

•高性能な半導体

•日本独自のコンピュータシステム

•高精度のGPS代替衛星

•地上局の高速通信ネットワーク


これらの組み合わせにより

ブースターの自動制御・逆噴射・姿勢制御・着陸のためのコンピュータ制御

は十分可能であった。


帰還方法

•1段目切り離し後、スラスターを使い姿勢変更

•大気圏での空力制御

•降下中に補助エンジンで減速

•最後に主エンジンを逆噴射し着陸脚で着地


完全自動で発射場へ戻る設計だった。


技術者は「鶴」のように優雅に戻る姿から

この方式を “ツル・ランディング方式” と呼んだ。



3種類の再利用型ブースターが開発された


小型ブースター(TSURU-S)

•小型衛星を“一度に複数”打ち上げるための機体

•大学・研究所向け

•民間用途(将来の通信衛星網)にも使用予定

•着陸も短距離で可能


中型ブースター(TSURU-M)

•有人宇宙船(地球周回軌道)の主力ロケット

•大型気象衛星・観測衛星に対応

•安全性重視で冗長系が多い


大型ブースター(TSURU-L)

•月探査機・大型観測装置・大量物資輸送向け

•月・小惑星帯・地球以遠探査の基幹技術

•1段目は巨大だがゆっくりと着陸する

•“浮遊要塞”のような着陸の迫力がある


これにより、日本の宇宙輸送力は

年間100機以上の衛星を運べる能力を持つことになった。



ハワイ島に“新巨大ロケット発射場”を建設


既存のハワイ発射場はすでに限界だったため、

新たに ハワイ島 に巨大な敷地を選び、

以下の施設が建設された。


大型ロケット発射パッド(L-1 / L-2)

•TSURU-L専用

•月面基地建設に必要な大重量ロケットを扱う

•地下には巨大な冷却水プールと制御室


中型ロケット発射パッド(M-1 ~ M-4)

•TSURU-M用

•同時に4機の並列発射が可能

•有人飛行スケジュールの柔軟性が大幅に向上


小型ロケットクロスランチャー(S-1 ~ S-10)

•TSURU-Sが1日3機ペースで打ち上げ可能

•世界初の大量衛星供給体制


自動着陸エリア(帰還ランウェイ)

•全ての1段目ブースターがここに帰還

•数千ものセンサーが着陸を誘導

•夜になると誘導灯が青く光り「未来都市」のような光景となる


ロケット整備ドック

•海軍の造船所技術を応用

•分解 → 点検 → 再組立 のルーチンが高速化

•再利用率は 90%以上



これにより日本は宇宙開発コストを劇的に削減した


再利用ロケット導入後、日本の宇宙輸送コストは


1/5 ~ 1/10へ低減


月探査が“数年に一度 → 毎年可能”に


衛星打ち上げは“貴重品 → 日常業務”へ


世界は知る由もなかった。


「日本は空でも、海でも、宇宙でも、

どの国も追いつけない領域へ入った」


こうして日本は

世界初の宇宙輸送大国

へと進化していく。


再利用ロケットは“日常の風景”になった


再利用ロケット・TSURUシリーズは、

運用が始まると 毎日のようにハワイ島から打ち上げられた。


朝・昼・夜を問わず、

発射場では絶えずカウントダウンが流れ、

帰還用ランウェイでは逆噴射の轟音と着陸脚が伸びる金属音が響く。


着陸したブースターは

宇宙軍や空軍の技術者と宇宙軍整備班によって

わずか10日で再整備され、

再び発射台へと運ばれていった。


「ロケットは船と同じだ。

修理し、整備し、また海へ――いや宇宙へ出す。」

――宇宙軍整備主任


ロケットの発射数は年間数百回に達し、

この世界史上ありえない速度で技術蓄積が進んだ。

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