物語序章 第一版 135章
ハワイ発射場の巨大拡張
スペイン・ポルトガル戦争終結後、
日本は急速に人口増加・海外領地の開発が進み、
政府による通信インフラの需要は爆発的に増加した。
明賢は宇宙軍・政府通信庁を集め、
次なる計画を実行する。
「10〜20号機。
これは日本の“地球規模通信網”の根幹になる。」
この計画のため、羽合発射場は再整備された。
拡張ポイント
•組立棟が3棟に拡大
→ 3機同時に組立・試験が可能
•新型液体燃料プラント建設
→ 燃料補給時間が従来の1/3
•新しい発射台が2つ追加
→ 同時に最大3基のロケット発射が可能
•地下には極秘通信司令室を拡張
→ 衛星の暗号化操作・軍事連携もここから行う
•島外周には無線妨害防護網を構築
→ 外国に情報が漏れない徹底対策
拡張後の羽合施設は、
名称:日本宇宙軍 羽合統合発射センター(H-CFLC)
となり、世界最大の宇宙拠点となった。
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10〜20号機:政府・民間通信用衛星
衛星10〜20号は、主に軍事用ではなく
「全地球測位システム」
「政府機関向け通信」および
「将来的に民間開放予定の国内通信網構築」
として打ち上げられる。
この時代の世界で“衛星通信”の概念を持つのは日本だけで、
まさに異次元の技術だった。
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10号機(1649年8月)
目的:日本全土の行政通信の高度化
•中央政府〜地方領主〜新領土の行政局を接続
•暗号化通信
•災害情報や気象衛星との連携
•通信容量は6号機軍事衛星の3倍
これにより日本本国と
北米・中南米・アフリカの新領土を即時同期させられるようになる。
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11〜13号機(1649年10月~1650年1月)
目的:民間通信網の基礎構築
•日本国内の電信ネットワークを衛星接続
•後に民間への通信サービスを提供
•大学・研究機関が利用する「国際学術回線」も搭載
•一部帯域は外交施設専用
当面は内部利用のみだが、
将来「世界初の衛星」にも転用できるスペック。
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14〜16号機(1651年3月〜5月)
目的:国際通信専用衛星
特徴:
•日本大使館(欧州・アジア・アフリカ・南米)と直接接続
•外国を経由しない、完全“日本独自の国際通信網”
•軍事衛星と異なる表向き用途のため偽装仕様
(観測衛星を装っている)
14〜16号機で完成した通信網により、
日本は世界のどの地域でも
即座に中央政府に情報を送れる唯一の国家 となった。
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17〜20号機(1651年9月〜1651年12月)
目的:未来の民間開放を視野に入れた大容量通信衛星
これらは日本が
「通信を“産業”として輸出する」
という明賢の長期構想の核となる。
•高出力トランスポンダ
•数百万人規模の同時通話・情報伝送
•未来の“衛星電話”にも転用可能
•軍民共用の災害時バックアップ通信を内蔵
これにより1651年時点で
日本の通信衛星数:20基
世界の通信衛星総数:日本以外“ゼロ”
という圧倒的な差となった。
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発射ラッシュ
羽合発射センターは
連日ロケットの轟音に包まれた。
•朝
•夕方
•深夜
時間帯をずらしては発射した。
世界のどの国も知らない。
フランス天文学者は
「また光ったぞ! いったい何がどうなっているんだ!」
とパリに報告したが、
誰も理解できなかった。
日本だけが、
地球の表と裏を
通信で完全に支配していた。




