物語序章 第一版 126章
スペイン王国に、日本大使館が建設される
和平締結から数ヶ月。
スペイン国内の混乱は治まりつつあり、日本の監査団が主導する再建作業が徐々に形になっていった。
その中で最も重要な要素として位置づけられたのが――
「日本大使館(治外法権区域)の建設」 だった。
場所はマドリード中心部。
王宮からも近い、由緒ある広場をひとつ潰して建てられた。
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大使館内部は「日本の領土」
建物は外見こそ石造りの宮殿風に偽装されていたが、
内部は最新の日本技術によって完全に再設計されていた。
•完全な治外法権
•スペイン警察も軍も立ち入り禁止
•外周には隠されたセンサーと監視装置
•防音・防爆構造
•地下には専用の避難壕
そして最重要施設である……
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無線通信施設の完備
館の最上階には、スペイン側には「装飾用の煙突」と説明されている構造物があった。
だが実際は――
高出力広帯域無線通信設備が入っていた。
•日本本土との通信は軍事暗号化
•スペイン国内の日本軍および監査役への指示
•非常時には大使館から軍艦を直接呼べる
•緊急時、館全体が司令部になる仕様
通信経路は以下のような構造だった。
日本大使館 → 港に停泊する日本海軍艦 → 長距離無線 → 日本本土司令部
これにより、
スペインの政治・経済・治安の情報がリアルタイムで日本に送られる体制が完成した。
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スペインの反応 ―「日本は常に見ている」
スペイン政府は最初こそ緊張したものの、
次第にこの日本大使館が治安維持に役立つことを理解していった。
•暴動情報の早期察知
•密輸組織の追跡
•ハプスブルク残党の動きの監視
•不正官僚の摘発
王と助言議会は、日本の監査役団とやり取りをしながら政策の失敗を未然に防ぐことができるようになった。
スペイン国内では次第にこう噂されはじめる。
「日本は遠くにいるようで、すぐそこにいる。」
「日本大使館がある限り、スペインはもう倒れない。」
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同様の大使館がイギリス・ポルトガルにも建設される
スペインでの成功を受け、日本は同じ設計思想で
•ロンドン
•リスボン
に大使館を建造。
特にポルトガルは日本との同盟国となったため、
大使館の建設は「日本の友好の証」として歓迎された。
イギリスは内部監査の影響を恐れたが、
議会派・王党派の内戦後で疲弊していたため最終的に受け入れた。
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海底ケーブルは敷設せず
技術流出を防ぐため、日本は海底ケーブルの敷設を禁止した。
理由は明確だった。
ケーブルを敷けば、解析され、日本の技術が流出する可能性がある。
その代わり、海外通信はすべて 無線通信網 に統一。
•大使館
•日本海軍艦艇
•海外基地
•本土司令部
これらが統一規格で繋がることで、
17世紀世界において日本だけが広域通信網を持つ世界唯一の国家
となった。
新領土の整備
日本、巨大新領土の本格整備を開始
スペイン・ポルトガルから譲渡された領土は膨大だった。
•中米・南米の広大な地域
•アフリカ西岸・南部の重要沿岸部
•フィリピン諸島
•大西洋・太平洋に点在する島々
17世紀において、これほど一度に領土を得た国家は存在しない。
日本政府は即座に計画を立案し、軍・民間を総動員した。
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街づくり ― 緯度経度から作り直す
最初に行われたのは 測量 だった。
日本から派遣された技官・工兵・測量士たちは
現地で大量の三角測量を開始し、
誤差数十cmの測量を実現。
この測量結果をもとに、
•街区の再編成
•広い幹線道路の建設
•港湾の再設計
•未来の鉄道路線に合わせた都市計画
•日本式の上下水道の設計
が同時に進められた。
古いスペイン様式の街並みは、歴史的価値のある建築を除き、
必要に応じて解体 → 日本規格で再建。
新しい街には、以下が敷設される。
•電線を偽装した内部通信管
•大規模貯水池
•防災機能を兼ねた街区配置
•港湾への直通道路
•小規模ながらも日本式の防衛基地
17世紀とは思えない近代的都市が続々と生まれていった。
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日本からの移民 ーー 未来技術を持つ人々が世界に散らばる
新領土の開発は膨大な労力を必要とした。
日本政府は本土で余剰気味になっていた人口や、
農民・工場労働者・技師・教師などを対象に
•住居の提供
•開拓地での職業保証
•給与補助
•航海費用無料
を条件に、移民を募集。
すると――
数十万以上の志願者が集まった。
彼らは次々と新領土に渡航し、
新天地で日本式の街・農場・工場を作り上げていった。
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先住民への統治方針
日本はスペインとは違う方針を取った。
1.奴隷禁止
2.日本式の教育を必修化
3.日本人として日本国籍とマイナンバーの付与
4.税は軽く、治安は移住した警察が担当
5.医療は無料(最低限)提供
6.日本語と現地語の併用
先住民に対して日本は明確に説明した。
「今後、この土地は日本が統治する。
皆が安全に暮らし、飢えず、病気で死なないようにする。
スペインの支配は終わった。」
初期は警戒されたが、
日本軍が秩序と物資を提供したことで、支持を得るようになった。
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インフラ整備が進むと同時に ―「本命」が始まる




