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明賢の物語(日本建国物語)試作版 第一版  作者: 大和草


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125/190

物語序章 第一版 125章


戦後処理


スペイン戦後処理 ― 支援艦隊の準備完了


日本では、条約締結と同時に次の段階が始まっていた。


東京湾には巨大な補給艦隊が整列し、

まるで一つの都市のように並んでいる。

•食料満載の補給艦

•医療船

•工兵・建設部隊の輸送艦

•発電機・道路建設機械・ポンプを積んだ工業支援船

•警備用の護衛艦隊


明賢は艦隊を見渡しながら静かに言った。


「スペインを“救う”のは、戦争でなく秩序だ。

明日、出航せよ。」



スペイン戦後処理艦隊、出港


翌朝。


汽笛が一斉に鳴り響き、

巨大な支援艦隊が東京湾を出ていった。


行き先はスペイン本土。

その手には、砲弾ではなく 食料・医療・港湾建設 の道具が握られていた。


日本海軍の旗艦が最後尾から全体を見守る。

深い霧の中へ船団が消えていくと、

明賢は小さくつぶやいた。


「これでようやく、本当の戦いが終わる。」


スペイン国内 ― ハプスブルク派の最後の抵抗


日西戦争の敗北は、スペイン全土に深い衝撃をもたらしていた。

軍は散り、食糧は尽き、街では暴動が散発していた。


その混乱の中、ハプスブルク派は最後の抵抗を試みる。


王宮の一室で、彼らは密かに集結していた。


「王家は無能だ! 日本に屈するとは何事だ!」

「我らハプスブルクがスペインを導かねば国は滅びる!」

「和平など認めぬ! 軍を集め、王宮を制圧するのだ!」


彼らは王家を排除して「徹底抗戦」を掲げていた。

しかし、もはや戦える軍など、どこにも残っていなかった。


残党は焦り、王宮の門へ向けて集まり始めた。



その瞬間――「使節団帰国」の報が入る


城門前で騒ぎを起こそうとしていたハプスブルク派の頭上に、

兵士が駆け込んできて叫んだ。


「報告! 日本に使わしていた使節団が――帰国しました!」


ハプスブルク派の指導者たちは唖然とした。


「なに……!? 本当に帰ってきたのか……?」

「破られたのか? 殺されたのではなく?」

「講和は……締結されたというのか?」


ハプスブルク派の中に焦りの色が走り、ざわめきが広がった。


その報告を裏付けるように、王都の大通りには歓声が上がっていた。


遠くから日本海軍の護衛を受けた使節船が港に接近し、

王都では鐘が鳴り響いていた。



王家による使節団出迎え ― 真実が伝えられる


使節団が王宮に到着すると、

王家は涙ぐむほどの安堵で彼らを迎えた。


使節団の代表は膝をつき、条約書を掲げた。


「陛下……日本との講和、無事に締結して参りました。

 スペインは滅びずに済みます。

 北米・南米は失いますが、祖国は残ります。」


王家は使節団を抱きしめて喜び、

周囲の兵士たちからも歓声が上がった。


しかし、その場に居合わせたハプスブルク派の顔は

みるみる青ざめていった。



国民の反応 ― 「和平派」が一気に主流となる


和平の知らせは瞬く間に王都全体に広がった。

飢えと戦争に疲れ果てた国民は、

歓喜に満ちて街に集まった。


「これで戦争が終わる!」

「日本から食べ物が来るらしいぞ!」

「もう息子が戦場に行かなくて済むんだ!」


まるで嵐が去った後のように、

国中が安堵の涙で満たされた。


この空気の中で、

「徹底抗戦」を叫ぶハプスブルク派は完全に浮いてしまった。



追い詰められるハプスブルク派


王都の広場では、

国民が自然とハプスブルク派を非難し始めていた。


「和平を壊そうとする裏切り者だ!」

「飢えさせたのはお前らだ!」

「日本に喧嘩を売ったのもハプスブルクだろう!」


兵士も民も王家も――

誰も彼らをかばわなかった。


逆に、これまでの独断専行と専横が

次々と暴露されていく。



王家の決断 ― 「ハプスブルク派、国賊と認定」


王家は議会を招集し、

短い審議の後に決定を下した。


議場に王の声が響く。


「ハプスブルク派は国家を危機に陥れ、和平を妨害した。

 よって、国賊と認定し、逮捕・追放する。」


広間は拍手と喝采で満たされた。



逮捕劇 ― そして国外追放へ


王室親衛隊がハプスブルク派の拠点を包囲。

抵抗はほとんどなかった。


彼らは拘束され、

一部は国外追放、

重罪者は終身刑として収監された。


王都の民衆は、その様子を遠巻きに見ながら安堵した。


「これで……ようやくスペインは救われる。」



ハプスブルク派消滅 ― 新しいスペインの始まり


こうして、

スペイン国内からハプスブルク本家派は完全に排除された。


日本との講和は国内で歓迎され、

復興のための道がようやく開けたのである。


その直後、

彼らの代わりに、

日本の支援艦隊がスペイン沿岸へと到着することになる。


日本の監査役、スペイン政府に正式着任


スペイン支援艦隊の到着から数日。

民衆の飢餓はひとまず抑えられ、港も最低限機能を取り戻しつつあった。


そのタイミングで――


日本から派遣された監査役団が、スペイン王室へ正式訪問する。


王の前には、黒い軍服を端正に着こなした監査役の代表が立った。

彼らは軍属でありながら、同時に外交と内政監視の専門家でもあった。



新憲法の草案がスペイン政府へ手渡される


監査役団の代表は、革製の綴りを卓上に置いた。


それは 「スペイン新基本法草案(暫定案)」 と題された文書だった。


王と閣僚たちは息を呑み、静かにページを開いた。



草案の要点 〜 日本が求めた“再発防止の枠組み”


草案には、スペインが再び戦争に向かわないための要項が明確に記されていた。


1. ハプスブルク本家との完全な断絶

•政治的影響力を完全排除

•これ以降ハプスブルク家関係者の官職就任禁止

•外交・軍事・財務における関与も禁止


理由:ハプスブルク本家こそ破滅の根源であるという分析のため。



2. 王政は維持、だが王の下に「助言議会」を設置


スペインは民主主義概念を持たず、共和政への移行は危険だった。

そのため日本は、伝統を壊さずに安定だけを確保する妥協案を提示。

•王は国家元首として存続

•国政は王が主権を維持

•ただし、王の意思決定は「助言議会(10〜15名)」が補佐

•日本監査役は議会に常時参加し、議会の暴走を防ぐ


議会は選挙ではなく、

官僚・軍人・聖職者・学者などから王が指名する方式。



3. 対日敵対行為の禁止(最重要条項)


草案の核心。

•日本に対する敵対的政策の禁止

•日本と締結した条約の遵守を義務化

•軍備を増強する際には、日本監査役への事前通知

•対外戦争を禁止。例外は日本の承認を得た防衛戦のみ



4. スペイン本国が安定するまで植民地政策の放棄と、本土集中の財政構造へ転換

•海外領土は日本へ譲渡済み

•植民地維持費は大幅削減し国内が安定してから植民地政策を復活させる

•国内インフラと食料生産へ財政を集中



5. 日本による暫定監査体制の設置

•日本の監査役は、議会と政府にオブザーバーとして参加

•内政・財政・軍事・外交をチェック

•必要に応じて助言

•スペインが安定すれば段階的に権限を返還



スペイン政府の反応 ― 重苦しい空気


草案を読み終えた王と閣僚たちは、静かに溜息をついた。


王「……これは、我が国を守るために必要なものなのか?」


監査役「はい陛下。

スペインが戦争の惨禍を二度と経験しないための、最低限の枠組みです。」


閣僚A「これは……主権を大きく制限されることになる。」


閣僚B「だが……拒否したら日本は王家の統治権を取り上げ日本の配下になるだろう。

それは国家消滅を意味する……」


王はゆっくりと頷いた。


王「国を残すためには、受け入れねばならぬ。

スペインは……もう戦争できる体力は残っていない。」



新体制構築の開始


こうしてスペインは草案を元に新しい体制を作り始める。

•ハプスブルク本家排除

•助言議会の設置準備

•各省庁の改革

•日本監査役の常駐化

•財政再建計画の立案


日本の監査役はすぐに政府内に部屋を与えられ、

内閣会議・軍部会議・財務会議のすべてに出席し始めた。


監査役は厳しいが、公平で論理的だった。


民衆も次第に


「日本の監査役がいるなら、政治も腐敗しないだろう」

「戦争はもう起きない」

「我々の生活が戻るかもしれない」


という期待を抱き始めた。

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