物語序章 第一版 123章
終結の前に
南米・南アフリカ戦線
― 日本陸軍、最後の掃討作戦へ
スペインとポルトガルの主力部隊はすでに壊滅し、
降伏した者たちは次々に本国へ送り返された。
だが広大な南米とアフリカには、
まだ各地の山岳地帯や密林、沿岸部に
点在的に取り残されたスペイン軍・ポルトガル軍の小集団が残っていた。
日本陸軍、本格的な“ローラー掃討”を開始
南米では三つの方面軍が同時に進撃した。
・北方軍:メキシコ国境から南下
・中央軍:パナマ方面から南米内陸へ前進
・南方軍:チリからアルゼンチン方面へ展開
南アフリカでは、
・東アフリカ方面軍:モザンビーク沿岸を制圧し内陸へ
・西アフリカ方面軍:ナミビアから北進し旧スペイン領を一掃
日本軍の掃討戦は徹底していた。
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ローラー戦術
― “撃滅する”のではなく“回収して送り返す”
日本陸軍は殺戮を目的としなかった。
むしろ逆だ。
捕虜にして本国へ返すことが“心理兵器”そのものであった。
山間の砦を包囲して叫ぶ
「スペイン軍諸君、無駄な血を流す必要はない!
武器を捨てて出てこい!
温かい食事とベッドを用意してある!」
鉄条網と塹壕で包囲した後、
放送車が高所に配置され、
降伏を促すアナウンスが繰り返された。
飢えていたスペイン兵の多くは、
その匂いに釣られたかのように
次々と手を挙げて出てきた。
捕虜に対する丁寧すぎる扱い
降伏した兵士は
日本式のカレーや白米、野菜スープが振る舞われ、
医療班が治療を施し、
怪我や病気はすぐに手当てされた。
「敵にここまでされるのか…」
「我々は本当に利用されていたのかもしれない」
兵士たちは泣きながら食べる者もいた。
回収した武器はコンテナに封印し、
捕虜は鹵獲したスペイン船に乗せて
故国へ次々送り返された。
その度、スペイン本土はさらに混乱した。
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占領地では“戦後復興”が始まっていた
― 工兵隊の本領発揮
掃討戦と同時に、
日本陸軍工兵隊は破壊された町を再建し始めた。
日本式道路網の再整備
•山を削り、平坦な新道路を敷く
•日本基準の幅員
•カーブや標高差を緻密に計算
簡易水道・浄水施設
井戸だけに頼る生活は終わった。
日本の科学技術で、
住民に初めて“清潔な水”がもたらされる。
大地の開墾
工兵が持ち込んだ農具、トラクターは
荒れた大地を次々と耕し、
新たな畑を広げていった。
現地住民は、恐れながらも歓喜した。
「日本人は征服者ではないのか…?」
「いや、国を作り直しているのだ」
住民の認識は徐々に変わりはじめていた。
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日本からの移民、続々と到着
― 大陸の“新しい住民”たち
各地の港には、
日章旗を掲げた移民船が次々と到着した。
南米には技術者と農民が多く
•都市計画の専門家
•建築士
•土木技師
•鉱夫
•家族連れの移住者
南アフリカには
“鉱山・港湾・物流”の専門家が多かった。
日本人移民は、
既に測量されていた日本式区画図に従い、
街を作り始めた。
現地民が驚く新しい都市の形
•碁盤の目の道路
•道幅は広く、整然と並ぶ
•港には大型クレーンが立ち並ぶ
•清潔な上水道
•公園や学校の設置も計画済み
「まるで地図の上に線を引いたようだ…」
と現地住民たちは驚嘆した。
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南米・南アフリカは、
“日本色の大陸”へと変わっていく
旧スペイン領はもはや戦場ではない。
日本の技術と規律が持ち込まれ、
わずか数ヶ月で秩序と生活が整い始めていた。
スペイン人・ポルトガル人捕虜は
次々帰され、
本国だけが戦争を続けているという
奇妙な構図になっていた。
ポルトガル、日本との和平をついに公表
世界に衝撃が走る
1645年春。
ついにポルトガル王国は、日本と結んだ和平条約を世界へ発表した。
内容は明確だった。
•海外領地の一部譲渡
•日本との同盟締結
•これ以降、日本に敵対行動を取らない
この発表は、ヨーロッパに大きな雷鳴のように響き渡った。
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スペイン、本気で怒る
しかしどうにもできない
ポルトガルの発表を聞いたスペイン王家とハプスブルク派閥は
激怒し宮廷は修羅場と化した。
「ポルトガルが裏切っただと!?」
「同盟国の面影はどこへ行った!」
「日本に屈するとは何事だ!」
だが――
怒ったところで何も出来ない。
戦争を続ける力など、最初から残っていなかった。
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欧州列強、再び“日本の力”を思い知る
イギリス、フランス、オランダ
神聖ローマ帝国・プロイセン、
そしてバチカンさえも。
全ての国がこう噂しはじめた。
「日本と敵対する国は滅ぶ」
「スペインはもう終わりだ」
「ポルトガルは合理的な判断をした」
「日本は世界を動かす力を持っている…」
ヨーロッパは静かに、だが確実に
“日本時代”の到来を感じ取っていた。
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スペイン、ついに孤立
頼みの綱だった植民地も全て失われる
スペイン国王は地図を見て泣き崩れた。
•フィリピン → 陥落
•南米 → 陥落
•中央アメリカ → 陷落
•南アフリカ → 陥落
•カリブ海 → 陥落
•大西洋の島々 → 陥落
•太平洋の島々 → 陥落
“スペイン帝国”の象徴だった海外領地は
ほぼ全て日本国旗に塗り替えられた。
残るのはスペイン本土とごく一部の孤立した港のみ。
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日本はスペイン本土へ“侵攻していない”
それが逆に恐怖を呼んだ
スペイン軍幹部たちは震えていた。
「日本はなぜ上陸してこない?」
「破壊工作だけで我々を揺さぶっている…」
「まるで死刑執行の日を待たされているようだ」
日本軍は一切スペイン本土に攻め込まない。
だが、レーダー哨戒で周囲を包囲し、
たまに特殊作戦群が破壊工作を仕掛ける。
スペインに残されたのは“待つ恐怖”だった。
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国内はさらなる地獄へ
内戦寸前の状態
スペイン国内では以下の事態が同時進行していた。
飢餓の拡大
海外からの銀・金・農産物が完全に途絶え、
物価は数十倍に跳ね上がった。
暴動と略奪
市街地ではパン屋が襲撃され、
倉庫は強奪され、人々は武器を取りはじめる。
軍の暴走と腐敗
給料が払われない軍は勝手に徴発を始め、
国民の敵と化していった。
ハプスブルク本家 vs 国王派の内紛
双方が暗殺と粛清を繰り返す。
スペインという国自体が
内部崩壊を起こし始めていた。
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日本はただ見ているだけ
しかし裏では“準備万端”
スペイン崩壊に向けて、日本側では以下を整えていた。
•スペイン本土への大規模補給船団
•食糧・薬品の大量備蓄
•スペイン再建用の工兵部隊の選出
•スペイン語通訳官の集団育成
•スペイン本土の地図データ・重要人物データの収集
明賢は静かに呟く。
「スペインが降伏した瞬間、
我々は即座に救援と復興を開始する。
スペイン国民を見捨てはしない。」
だが、戦争責任はきっちり取らせるつもりだった。




