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物語序章 第一版 120章

スペインポルトガル上層部


スペイン王宮 ―― もはや隠せぬ“恐怖の連鎖”


送還された捕虜の証言は、

上層部の嘘と矛盾し始めた。


本国司令部は必死に隠蔽しようとしたが、

今度は軍内部で不満が爆発する。


「なぜ我々に真実を報告しなかった!?

 あれでは勝てるわけがない!」


「兵士は飢え、指揮官は豪邸で贅沢をしていると噂されているぞ!」


スペインの支配層は震え上がった。


そして――

“降伏者がスペイン軍を内部から崩壊させはじめた”

という事実が、ついに政府に理解される。


スペイン王宮 ――「怒号」と「恐怖」の渦の中で


マドリード王宮。

石造りの会議室では、

スペイン上層部が血相を変えて集まっていた。


巨大な円卓の上には、

送還された捕虜の証言、

次々と陥落した港と前線の報告、

日本軍の“信じられない強さ”を記した書状が山積みになっている。


会議は開始直後から修羅場だった。



責任のなすりつけあいが始まる


「軍が出遅れたからだ!」

「いや、外交部門が日本を甘く見たのだ!」

「海軍は何をしていた!?港を失ったのは致命的だ!」

「陸軍こそ兵士の士気を保てなかったではないか!」


怒号が飛び交い、

椅子を叩く音、机を拳で殴る音、

扉の外にいる侍従にまで響き渡っていた。


捕虜の証言を読み上げた参謀は震えていた。


「日本軍は、降伏すれば温かい食事と寝床を与えると……」

「砲撃は嵐のようで……我らの砲撃など比べ物にならぬ、と……」


報告が続けば続くほど、日本との力量の差や考え方の違いを見せつけられ

上級貴族や軍の司令官たちは蒼白になっていった。



ハプスブルク家と王家の怒り ―― “崩壊直前の宮廷”


重たい足音とともに入室したのは、

ハプスブルク家の高位貴族と王室の使者。


彼らは報告書を乱暴に机に叩きつけた。


「言い訳は聞かぬ!

 なぜこのようなことになった!?

 スペイン帝国は無敵ではなかったのか!」


「日本という東の島国に、この大帝国が嘲笑われておる!」


怒りは頂点に達し、

軍の最高司令官は跪かされ、

首が飛びかねない空気だった。


しかし、誰もが言い訳をし、責任を押しつけ合うばかりで

有効な作戦は一つも出てこない。



ポルトガル 王宮 ――「このままでは巻き添えだ!」


同じ頃、リスボンでは別の混乱が起こっていた。


参議会に集められた大臣たちは顔を見合わせ怯えていた。


「このままスペインに従っていて良いのか?」

「日本の艦隊は瞬く間に世界を横断できる。

 スペインが負ければ、次は我々だ。」


「いや、独立を宣言するべきだ!」

「だが日本は敵であり味方ではない。

 独立などすれば、スペイン軍からも日本軍からも挟まれる!」


議論は二転三転し、

もはや誰も正しい選択が分からない状態だった。



ポルトガルの不安は、日を追うごとに増していく

•スペインポルトガル海軍は壊滅

•南アフリカ・フィリピン・南米が陥落中

•捕虜は続々と帰国し“日本軍の圧倒的な強さ”を語る

•国境を突破されるのも時間の問題


議論はさらに白熱した。


「スペインに従っていれば共に滅びる!」

「いや、ここで裏切ればスペインに殺される!」

「日本に降伏するべきだ……?」

「話にならん!そんな真似をすればスペインが我々を滅ぼす!」


完全な袋小路だった。



スペイン・ポルトガル ―― 全てが“疑心暗鬼”に沈んでいく


スペインは上層部の内部崩壊が始まり、

互いに裏切りを疑い、情報を隠し合うようになった。


ポルトガルはスペインが崩れるのを恐れながらも、

巻き込まれる未来を想像して震えていた。


この状態こそ――

日本軍が心理戦で意図して作り出した“混乱”だった。


スペイン王宮 ―― “終戦か、破滅か”


1645年春。

開戦から1年が経ったが連日の敗戦報告により、王宮は重苦しい空気に包まれていた。


王・フェリペ4世はついに決断した。


「……もうこれ以上、兵を失わせるわけにはいかぬ。

 日本と和平交渉を始める。」


王の言葉に、周囲の貴族たちはざわめいた。


ハプスブルク家、激怒


しかし――

宮廷の奥からは、怒り狂った声が響いた。


「和平など断じてならぬ!

 スペイン帝国の威信はどうなるのだ!」


反対派の中心、ハプスブルク家の大公が声を荒げた。


「日本の攻撃は不意打ちであり卑怯だ!」

「我らはまだ戦える!」

「援軍を東方にも南方にも送れ!」

「南米の戦線は立て直せる!」


……現実は全く理解していない。


すでにポルトガル方面、南アフリカ、フィリピンでは

日本軍が制海権を完全に掌握し、陸軍は包囲殲滅寸前だ。


だがハプスブルク家は“メンツ”を守るためだけに戦争継続を主張した。

国の未来ではなく、名誉のために。



王家側の現実的判断


王はため息をつきながら言った。


「ハプスブルク上層部よ……国が滅びれば名誉も誇りも残らぬ。

 今必要なのは、現実を見ることだ。」


参謀たちが淡々と状況を読み上げる。

•海軍 → ほぼ壊滅、残存わずか

•本土の港 → 日本艦隊によって焼け野原

•海外領地 → フィリピン陥落、南米・南アフリカ壊滅寸前

•南米司令部 → 全滅、降伏者と脱走続出

•戦線崩壊 → 時間の問題


その度に、ハプスブルク家の上層部は顔色は悪くなる。


しかし、絶対に認めたくないのだ。

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