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物語序章 第一版 117章

スペイン海軍、遂に日本主力艦隊と交戦


――しかし既に「戦う前から敗北していた」


スペイン本土の港湾が次々と沈黙し、

大火災の黒煙が空を覆う中、

スペイン海軍は再編もままならず海へ出ざるを得なかった。


しかし、艦ごとに砲弾の量は違い、

食糧は現在船に積まれているものが全て、船員の疲労は極限。


一方日本海軍は――

ローテーションで常に万全の状態の艦隊だけが戦場に投入され続けていた。



両艦隊が接近


海は凪ぎ、水平線のかなたに黒い点が揺れた。

それが徐々に巨大な影となり、

スペイン海軍の視界に現れる。


「あれが……日本海軍の主力か……」

「船体が黒鉄のようだ……木製船とはまるで違う……」


艦隊の距離が 15km を切った瞬間、

日本艦隊の砲門が一斉に火を噴いた。


日本側、開戦初弾


敢えて近づき正確な砲の射程を分からなくする


距離 15km

スペイン海軍:まだ射程外

日本海軍:200mm砲が正確に着弾開始


轟音が空気を震わせ、

数秒後、スペイン艦隊に巨大な水柱と爆炎が立つ。


「なっ……この距離から当たるのか!?」

「帆柱が吹き飛んだぞ!」

「火が……火が回っていく!!」


黒色火薬の大砲しか知らないスペイン海軍には、

この正確無比の砲撃はもはや「天災」に等しかった。



木造船 vs 近代榴弾


榴弾は命中するたびに炎を上げ、木材を裂き、甲板を粉砕する。


海兵が叫ぶ。


「海水をかけろッ! バケツを持て!!」


だが船体は既に燃え続ける乾いた薪のようで、

水をかけても鎮火しない。


日本の砲撃は間断なく続く。



距離10km —— スペイン、ようやく反撃


砲術長が叫ぶ。


「撃て! 全門、撃てぇ!!」


スペイン艦隊も必死に反撃するが、

そもそも射程が違う。


砲弾は日本艦の近くの海面で虚しく水柱を立てるだけ。



日本海軍、副砲や40mm機関砲 追加投入


距離が縮まったのを見計らい、

日本側は200mm主砲に加え、

副砲や40mm機関砲の掃射を開始した。


連続音が遠くまで響き、

無数の炸裂弾がスペイン艦の上部構造物を切り裂く。


「何だあの小さな砲は!? ひっきりなしに飛んでくる!」

「マストが斬り飛ばされたぞ!!」


40mm弾は木製船体を容易く貫き内部で爆散し、

甲板の兵士を吹き飛ばした。


スペイン艦隊の被害は急激に拡大し、

戦線は完全に乱れた。



日本艦隊は“当たらないし、当たっても効かない”


スペイン側の砲弾がようやく一発、

日本艦の船体に直撃した。


甲板員が報告する。


「命中! しかし第一装甲板で弾きました。損傷ありません。」


司令官は頷いた。


「速度そのまま。敵砲撃線から外れるぞ。」


日本艦は速度を微妙に増減させ、

ジグザグの回避行動を行っていたため、

スペイン側は射角を合わせられない。


「当たらん! この距離でも当てられん!」

「こんな艦隊と戦えるか!!」


日本の砲は確実にスペイン艦を撃ち抜き、

スペインの砲は日本艦には届かないか、届いても効かない。


戦況は最初から一方的だった。


スペイン海軍、壊滅


数時間にも及んだ激戦――

いや、スペイン側からすれば「一方的な虐殺」に近かった。


日本海軍の砲撃は正確無比。

スペイン艦隊は距離を詰める前に次々と炎上し、

艦体が裂け、帆柱が崩れ、

海へ火のついた破片が落ちていく。


そしてついに、

スペイン艦隊は片手で数えられるほどの艦しか残らなくなった。


砲声が静まり、

指揮官は震える声で叫んだ。


「……白旗を上げろ。もはやこれまでだ……!」


白布が掲げられ、

風になびいた瞬間、

日本艦隊の砲撃は完全に止んだ。


司令部から無線による通達が全艦に送られる。


「——戦闘、終了。敵は降伏の意を示した。

 全艦、海域離脱。追撃は不要。」


日本艦隊は整然と針路を変え、

静かに――しかし圧倒的な威容のまま戦場を去っていく。


スペイン艦隊は、誰一人として追う者はいなかった。

追える力が、もう残っていなかった。



海面に漂う水兵たち


残存のスペイン艦艇は、

沈んだ仲間の船から海へ放り出された水兵たちを必死に回収した。


黒い煙がまだ遠くで上がっている。

海面には無数の木片――かつてのスペイン艦の残骸が漂い、

あちらこちらで助けを求める叫び声が響いていた。


皆、放心したように呟く。


「あれが……日本の艦隊なのか……」

「悪夢だ……あんなもの勝てるはずがない……」



本国へ帰還


瀕死のような状態で、スペイン残存艦隊は本国へ辿り着いた。


しかし、

待っていたはずの港は既に日本艦隊によって完全に破壊され、

船が停泊できる場所すらろくに残っていなかった。


何とか無理やり岸壁に横付けし、

司令官らは瓦礫と化した港を抜け、

王宮へ向かった。



王宮への最悪の報告


スペイン海軍司令官は震える足で報告書を差し出した。


王に問われる。


「日本艦隊はどうなった?

 我が艦隊はどれほど敵を沈めた?」


司令官は青ざめたまま、ただ一言絞り出す。


「……敵に損害を与えることはできませんでした。

 我が艦隊は……壊滅いたしました。」


間が凍りついた。


重臣が叫ぶ。


「壊滅だと!? あれほどの艦隊が!?

 なぜだ、原因は何だ!?」


司令官の声は震えていた。


「彼らの砲は……我らの数倍の距離から正確に飛んできます。

 我々の船では……抗うことすらできませんでした……」


静寂。

王の手が震え、王冠がかすかに揺れる。


「……この国は……どうすれば良いのだ……」


スペインは理解した。

**日本という国は、もはや「戦争相手」ではなく、

世界の歴史を変える“未知の文明圏”**であると。


海兵隊、世界各地で一斉に動く


スペイン艦隊を粉砕し海を完全に掌握した日本軍は、

ついに本命である多正面同時上陸作戦を開始した。



フィリピン攻略戦 ― わずか数日で陥落


最初の標的はスペイン領フィリピン。


夜明け前、海兵隊の高速輸送船団が静かに接岸した。

無線で統合された海兵隊は

先行して潜入していた特殊作戦群により現地守備隊の布陣と兵力を全て把握済みだった。


奇襲は完璧だった。


上陸後、

敵司令部・港湾施設を一気に制圧し、

抵抗は最小限。


わずか数日でフィリピンは陥落した。


スペイン本国に届いたのは、

「東洋の島国が帝国領を瞬時に奪った」

という衝撃的な報だった。



南米三方面作戦 ― 戦略の要となる強襲上陸


同じ日、太平洋を越えた別方面でも

海兵隊が闇の中で動き出した。


① メキシコ国境の後方上陸


スペイン軍が主力を国境防備に回しているその背後。

海兵隊は無人に近い海岸へ突然姿を現した。


上陸後すぐに、

大型揚陸艦から簡易桟橋が降ろされ、

等間隔で着底させ渡し板で繋がれ桟橋(簡易埠頭)が数日間で建設された。


ここから日本陸軍が一気に流れ込む布石である。


② パナマ国境の後方上陸


同時刻、中央アメリカでも同じ作戦が実行された。

敵の拠点を回避し、

ほぼ無血で海兵隊は砂浜を占領。


簡易桟橋が次々と降ろされ、

再び桟橋が建設された。


③ チリ沿岸の上陸


南米の最南端、

スペインの防備がほぼ存在しない地域を突き、

海兵隊が煙のように上陸した。


数日以内に

南米へ10万人の陸軍が投下される――

スペイン側はまだそれを知らない。


南米全域が日本軍の手の中に落ち始めていた。



アフリカ戦線 ― 南北からの包囲開始


さらに日本軍はアフリカへ動く。


海軍の護衛のもと、

海兵隊船団が大西洋を縦断し

ナミビアとモザンビークの2地点に同時上陸した。


敵守備兵はあまりに突然の来訪に混乱し、

ほとんど抵抗できなかった。


海兵隊は上陸直後、

まるで決められた劇のように手際よく

桟橋と仮設倉庫を建設。


続いて陸軍8万人が上陸を開始した。


日本軍はアフリカ南部で

スペインの前線を

東と西から挟み撃ちにする形となった。


逃げ道はもう、どこにも無い。


南米戦線 ― 日本陸軍、ついに南米大陸へ上陸


南米各地に上陸した日本陸軍は、

海兵隊が築いた簡易桟橋から次々と物資・車両・砲を揚陸し、

北へ、南へ、まるで奔流のように一気に広がった。


指揮は完璧だった。

•北部(メキシコ方向)へ進む主力

•中央部(パナマ方向)へ向かう突撃軍

•南部(チリ方向)から上陸し北上する展開部隊


大陸を縦断する三本の矢が、

スペインの王権を根本から断ち切ろうとしていた。



パナマ戦線 ― 司令部壊滅


パナマ国境に到達した日本陸軍は、

到着した瞬間に怒涛の砲撃を開始した。


パナマ司令部は、

背後から砲声が響いたとき、


「まさか背後から敵が来るはずがない」

と誰もが思った。


しかし現実は残酷だった。


砲弾が司令部の建物に次々と着弾し、

高級参謀たちは次々と倒れた。


司令部通信は沈黙、指揮系統は完全に崩壊。


その瞬間、日本陸軍に「突撃」の命令が下された。


わずか数時間でパナマ国境線は陥落。


スペイン兵たちは武器を捨て、

混乱と絶望の中で散り散りに逃げていく。



メキシコ戦線 ― 急造陣地で迎撃するスペイン軍


一方、メキシコ国境では状況が違っていた。


スペイン陸軍は、後方からの襲撃報告を受け、

ぎりぎりのタイミングで急造の防衛陣地を構築していた。


そこに迫る日本陸軍。


だが、日本軍は突撃しない。

代わりに、ひたすら長距離砲での継続砲撃を開始した。

•陣地そのものを破壊

•地面を抉り

•補給線を断ち

•指揮系統も遮断


スペイン軍は防御には成功したが、

まるで地下に押し込められた獣のように、

砲弾の雨に耐えるしかなかった。


こうして戦線は膠着した。


しかし日本軍は焦らない。


なぜなら、これも綿密に練られた計画だったからだ。



スペイン南米司令部 ― 最悪のタイミングで届く報告


スペイン南米司令部はまだ状況を把握していなかった。


伝令が混乱の中で到着した。


「パナマ司令部、全滅……!

日本軍、国境を突破……!

そ、そして……南の……チリ方面にも日本軍が……!」


司令官は信じられないという表情で地図を見つめた。


地図上では南北に広がるスペイン領。


しかしいま、

•南のチリ上陸軍が北上中

•中央パナマ戦線は壊滅

•北の日本軍はメキシコ陣地の背後まで迫っている


まるで巨大な包囲網が閉じようとしている。


司令官はしばらく沈黙した後、わずかに呟いた。


「……これは、帝国の崩壊戦だ……」


チリ戦線


―― 「南から迫る影」


南米大陸の中央付近。

冷たい海風が吹き荒れるチリの海岸線に、

日本陸軍の上陸用舟艇が次々と波を蹴立てながら到達した。


スペイン軍の抵抗は驚くほど薄かった。


というのも、

スペイン側は主な戦力をメキシコ国境とパナマに集中させており、

まさか大陸中央部に日本軍が上陸してくるとは

夢にも思っていなかったからだ。


日本軍は静かに、

だが確実に前線を広げていく。


陸軍のトラックや補給車両は

海兵隊が建設した簡易桟橋から次々と上陸し、

すぐに北上を開始した。


やがてチリの駐屯司令部から

スペイン本国へ急報が届いた。


「南から日本軍が侵入中!

進軍速度が尋常ではない!」


本国の参謀は叫んだ。


「南……だと?あそこは攻めることの出来ない場所のはず……」


スペイン軍はまだ、

本当の恐怖を知らなかった。



南アフリカ戦線


―― 「疾走する大地の軍勢」


同時刻、アフリカ大陸。

ナミビアとモザンビークに上陸した日本陸軍は、

砂塵を巻き上げながら大地を駆け抜けていた。


アフリカ大陸はどこまでも広がる大平原。

障害物が少ないため、

日本の軍用トラックは最高の性能を発揮していた。


北進部隊


北は黄金海岸へ向けて疾走する。

途中、スペイン軍は点在する守備隊を配置していたが、

日本軍の機動力についていけるはずもない。


南進部隊


南へ向かった主力は

南アフリカ国境線へ達した。


そこに展開していたスペイン軍は、

日本軍の出現にただ驚くしかなかった。


「ナミビアとモザンビーク……両方から来ただと……?

う、動きが早すぎる……!」


司令官の狼狽は止まらない。


その瞬間、

東と西の両海岸から日本陸軍が同時に進撃を開始した。


陸戦における魔法のような動きだった。


まるで“雷光”だった。


砲台、拠点……

次々と破られ、突破され、

スペインの防衛線は西からも東からも寸断された。


そして、

完全に包囲されたスペイン南アフリカ軍は

組織的抵抗が不可能となりつつあった。



こうして南米とアフリカは、“背後”から崩壊していく

•北ではメキシコ戦線が膠着

•中央パナマは壊滅

•南はチリ上陸軍が進撃

•アフリカも東西から包囲進撃


スペイン軍はもう、

どこが前でどこが後ろなのか分からない。


戦線は広すぎ、

敵はどこにでも現れ、

どこでも砲撃が飛んでくる。


大陸規模の混乱が始まろうとしていた。

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