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物語序章 第一版 1章

この物語は私の思想をもりもりに詰め込んだ作品です。

まだ試作なので時系列がごちゃごちゃになることもありますがまあその辺は後々修正されていきます。

どうぞよろしく

1章全ての始まり


幼名「光丸」命名の物語(1590年・武蔵国)


天正十八年、武蔵国。

夏の嵐の夜、葛城家の屋敷は小さな灯りの中で慌ただしかった。

母・たえが産気づき、家人たちは息を潜めて祈っていた。

雷鳴と雨音が重なり、稲妻が窓の障子を真白に照らす。


やがて、母屋の奥から小さな産声が響いた。

その声は、雨音を突き抜けるほどに力強かった。

父・惣右衛門はその声を聞き、黙って拳を握った。


「よくぞ生まれてくれた……」


翌朝の静けさ


夜が明けると、雨は止み、雲の切れ間から差す光が屋敷の庭を照らした。

母・たえは布団の上で赤子を抱きながら、そっと微笑む。


その赤子は、生まれたばかりとは思えぬ落ち着いた瞳をしていた。

まるで周囲を観察するように、じっと空を見つめていた。


たえは不思議に思い、父に言った。


「あなた、この子……目で話すようなのです。」


惣右衛門は笑って首を振る。


「戦の夜に生まれ、光に包まれた子だ。

ならば、この子の名は“光”に因むがよい。」


生まれて二日目の奇跡


その夜、母が子を寝かしつけていると、布団の中から小さな声がした。


「……ここは……日本か……?」


母は驚いて息を呑み、家人を呼んだ。

皆が駆け寄り、信じられぬ思いで赤子を見つめる。


「お母さん……私は強い国を作りたい。」


その声はかすかだったが、確かに言葉だった。

母は涙を流しながら抱きしめた。


「……光の子。あなたはきっと、神が遣わした子ね。」


名付けの儀


翌朝、惣右衛門は産湯の盃を前にして言った。


「雷の夜に生まれ、光のような声を持つ子。

名は“光丸こうまる”とする。」


母はその名を聞き、静かに頷いた。


「光が道を照らし、人を導くように――

この子が、誰かを救える人になりますように。」



その名の意味


光丸。

“光”は稲妻の夜に照らされた命の象徴。

“丸”は幼子の魂を守る祈りの形。

二つを合わせ、「光に守られた命」となる。


その名はやがて、学び、考え、理を説く青年となった時、

明賢めいけん」へと姿を変える。


だが、この日

母の胸に眠る光丸は、まだ小さな手を握りしめ、

心の奥でこう呟いていた。


「必ず、この国を変えてみせる。」

転生二日目:能力の発動と「光の贈り物」


夜明けの光が差し込む。

母の胸で眠っていた光丸(主人公)は、ふと意識の底に奇妙なざわめきを感じた。


頭の中に、何かが流れ込んでくる。

文字。映像。数字。音。

まるで無数の人々が同時に話しているようなノイズ。


「これは……情報だ。いや……これは……ネットワーク?」


混乱と同時に、かすかに記憶が蘇る。

死の直前、光の中で聞いた声。


『最先端の知能と備えを授けよう。』


その言葉の意味が、ようやく理解できた。

これは単なる知識ではない。

世界中の情報を直接脳内で扱える力――それが“備え”だった。


インターネットの再接続


光丸は意識を集中させた。

頭の奥で何かが「繋がる」感覚が走り、視界の裏に光のウィンドウが浮かぶ。

そこには見覚えのある検索バー。

ーーGoogle。


「……まさか、これって……本物のインターネット……?」


試しに検索欄に“零戦”と入力してみる。

瞬間、彼の脳裏に画像と記事が次々と展開された。

戦時の設計図、航空写真、当時の整備記録――すべてが閲覧できる。


彼は震えた。

この時代に電気もないはずなのに、頭の中でネットが動いている。



生前の記録との再会


次に彼は、自分のアカウントを思い出し、

無意識にログインを試みた。


パスワードもIDも打たず、ただ“思い出す”だけでアクセスできる。

画面の奥には、かつて自分が描いた設計図、

日本を立て直すための社会構想メモ、

そして販売していたプラモデルの写真が並んでいた。


「……残っていたのか、俺の世界が。」


涙が滲んだ。

過去と今が、一瞬だけ繋がった気がした。



プラモデルの購入


ふと、画面の片隅に懐かしい商品が目に入った。

自分が設計し、個人で販売していた試作戦闘機のプラモデル。


「懐かしいな……もう一度手にしてみたい。」


半ば冗談のつもりで「購入」ボタンを押し、

配送設定を開いた瞬間、驚愕する。


そこに表示された住所――

それは見覚えのない日本語の地名。

だが、思い当たる節があった。


「……まさか、この“葛城家”か?」


彼は好奇心に任せて、注文を確定させた。



奇跡の現物化


一瞬の静寂ののち、空気が震えた。

光の粒が形を取り、音もなく箱が現れた。


――自分が作ったプラモデル。

当時のロゴもシールも、すべてそのまま。


「……本当に、届いた……?」


彼は小さな手で箱に触れ、唇を震わせた。

素材も印刷も完全な現代のもの。

それは、夢でも幻でもなく、

情報から物質を呼び出す力――

光の声が告げた「備え」そのものだった。



内面の独白


「情報と物質が……繋がっている。

思考を介して、データが形になる。

これなら――道具も、材料も、技術も、再現できる。」


幼子の姿のまま、光丸は微笑んだ。

理想の国を作るための力を、本当に手に入れてしまったのだ。


「ありがとう……光の声よ。

これで、強い日本を作れる。」


その言葉とともに、

屋敷の外では再び光が瞬き、

未来の帝国の第一歩が、静かに始まった。


告白と約束 ―― 光丸、家族に語る


プラモデルを手にした光丸は、それを布で包み、箪笥の奥にそっと隠した。

この力の意味を、まだ誰にも話すわけにはいかない。

だが、隠し続けることもできなかった。

自分の頭に流れ込む情報と知識は、もはや幼子の理解を超えていた。


「……家族にだけは、話さねば。」


家族を集める


翌朝、光丸は父・惣右衛門と母・たえに声をかけた。

そして兄・忠明を含め、家の者を全員呼ぶよう頼んだ。

皆、幼子の言葉とは思えない落ち着いた声に驚きながらも、母屋に集まった。


惣右衛門は苦笑する。


「どうした、光丸。赤子が評定でも開くつもりか?」


しかし光丸は真剣だった。

座布団の上に座り、まっすぐに家族を見つめて言った。



天啓の告白


「父上、母上、兄上……皆。

驚くかもしれませんが、私は“天啓”を受けました。」


部屋が静まり返る。

母が息を呑み、兄は半信半疑の表情を浮かべた。


「私は……前の世で、この国がどのように戦い、どのように敗れたかを知っています。

そして、今度こそ、この国を強く作り替える力を授かりました。」


父が険しい顔で問う。


「何を申す。赤子の戯言にしては過ぎるぞ。」


光丸は一歩も引かず、ゆっくりと頭を下げた。


「信じてほしいとは言いません。

ただ、どうか――この話を来る時までは外に絶対に漏らさないでください。

家族の者以外には、誰にも。」


母は静かに頷いた。

兄・忠明も、目の前の弟の瞳に“嘘ではない光”を見た。


「……わかった。

ならば我らは家族として、お前を守ろう。」


その瞬間、葛城家に小さな誓いが結ばれた。

外の者には決して語らぬ、“光丸の秘密”。



翌日の説明と決意


翌朝、光丸は再び家族を集め、

紙に文字を書きながら、自分の考えを一つずつ説明した。

•国の仕組みを整えること。

•戦をなくし、技術を育てること。

•農と工を結び、民を飢えさせぬこと。

•そして、知識を学ぶ“学問所”をつくること。


それを幼子が語るのを、家族はただ黙って聞いた。


「今は笑っても構いません。

けれど、時が来れば――必ず分かります。」


惣右衛門はその真剣な姿に、思わず膝をついた。


「……お前の覚悟、確かに受け取った。

この家は、お前の知恵のために動こう。」



光丸の部屋と最初の準備


数日後、屋敷の一室が光丸専用の部屋として与えられた。

彼はすぐに脳内ネットワークから道具を取り寄せた。

•ノートPC

•ポータブルバッテリー

•折りたたみ式太陽光パネル


それらを屋敷の裏庭に設置し、昼間の光で電力を確保した。

夜になると、画面の明かりだけが小さな部屋を照らす。


画面に映る設計図、年表、科学資料。

そして、彼が新たに作り始めた文書のタイトルにはこう書かれていた。


『新国家構想案(草稿)――光丸記』



結び


「これが始まりだ。

光の声が与えた“備え”を、この国のために使おう。」


その夜、窓の外では静かに風が吹き、

月明かりが太陽光パネルを照らしていた。

幼子の手によって、未来を変えるための最初の設計が始まった。


新国家構想案と最初の準備


転生から一週間。

光丸は与えられた部屋で静かに作業を続けていた。

頭の中では、かつて光の中で告げられた言葉が繰り返される。


「最先端の知能と備えを授けよう。」


その“備え”が、今まさに働いている。

彼はインターネットへ接続し、膨大な情報を整理し始めた。



新国家構想案(草稿)


まず着手したのは、国の仕組みそのものだった。

生前に何度も考えていた理想の国家構想――

「教育庁」「科学庁」「工業庁」「医療庁」「財務院」「国防省」など、

全てが独立して機能する統治構造を持つ国家。


「まずは中央政府を整え、教育庁を軸に国民の学力を上げる。

次に工業基盤を築き、医療と科学を国家単位で管理する。」


彼はそれらを一つの文書にまとめ、名をつけた。


『新国家構想案(草稿) 第一稿』


政治・教育・工業・軍事・財政・外交――

それぞれが組織として連動する未来型の国家設計だった。



道具の調達


構想を書き終えると、次は実際に動かすための道具を揃える必要があった。

光丸はPCを開き、ネットショッピングを検索する。

コピー用紙、プリンター、文房具、太陽光パネル、ポータブル電源、書棚。


「これらがあれば、まずは思考を“記録”に残せる。」


欲しいと思った瞬間、

その物品は空気の揺らぎと共に目の前に現れる。

――“備え”が、それを可能にしていた。


「便利すぎる……だが、この個人で発注出来る程度の量では到底、国の発展や維持はできないだろう。」


彼は慎重に設置を進めた。

部屋の隅に太陽光パネルを置き、バッテリーを繋ぐ。

机の上にはPCとプリンター。

これで資料の印刷と記録の保存が可能になった。



最初の出力


光丸は試しに「新国家構想案(草稿)」を印刷した。

白い紙が音を立てて排出され、机の上に積み上がっていく。

それを手に取った瞬間、彼は小さく呟いた。


「これが……未来の設計図だ。」


一枚目の表紙にはこう記されている。


『新国家構想案(草稿)――光丸記』


その文書こそ、後に「帝国基本設計書」として記録に残る最初の原稿であった。



準備完了


部屋には、最新の機器と静かな熱気が満ちていた。

窓の外では風が揺れ、庭の木々が朝の光を受けている。


「ここからだ。

国家の制度を整え、産業を立ち上げ、教育を根づかせる。

いずれこの部屋が、この国の始まりになる。」


光丸は深呼吸をして、再びキーボードを叩いた。

画面には次のファイル名が新たに浮かぶ。


『産業整備計画(第一草案)』


未来の帝国は、この小さな部屋から動き始めていた。


家族への提示と“研究助手”の提案


夜が明けると、光丸は机に積み上がった書類を手に取った。

『新国家構想案(草稿)』。

何度読み返しても、書かれている内容は常識を超えている。


「……このままでは、私ひとりでは進められない。」


光丸は決意し、家族に話すことを決めた。



家族の集まり


その日の夕方、葛城家の座敷に家族が集められた。

父・惣右衛門、母・たえ、兄・忠明、そして家臣の一部。


幼い光丸が分厚い書類を抱えて現れると、皆がざわめいた。


「おいおい……なんだその巻物の山は。」(忠明)

「この歳で文字を覚えただけでも不思議なのに……」(母)


光丸は静かに一礼し、書類を机の上に広げた。



新国家構想の提示


「父上、母上、皆。

これは、私が考えた“国の形”です。」


惣右衛門が目を細め、書類に手を伸ばす。

ページをめくるたび、眉が上がっていった。


そこには、家臣の任命制度、領地の再分配、中央集権行政、

そして教育庁・科学庁・工業庁といった組織の概念までが記されていた。


「……こ、これは何だ? まるで未来の政だ。」(惣右衛門)

「この歳で、こんな文字を書けるはずがない……。」(母)


光丸は落ち着いた声で言った。


「私はこの国が、いずれ行き詰まることを知っています。

戦を続ける限り、民は疲れ、国は貧しくなります。

だからこそ、戦を終わらせる仕組みを作る必要があるのです。」


兄・忠明は、難しい顔で書類を睨んでいたが、やがて息を吐いた。


「弟よ……お前は何者なのだ。」


光丸は答えず、ただ真っ直ぐに家族を見た。


「この内容を理解できる人は、今は少ないでしょう。

ですが、これは必ず未来に必要になる。

だから、今のうちに形を作っておくのです。」



研究助手の提案


一通り説明を終えると、光丸は小さく息を整えた。


「ただ、私はまだ幼く、手が足りません。

この計画を進めるには、私の考えを理解し、共に動ける者が必要です。」


惣右衛門が首を傾げる。


「共に動ける者……つまり、家臣を増やせというのか?」


「いえ、違います。」

「私が求めるのは“研究助手”です。」


部屋が静まり返った。

見慣れぬ言葉に、皆の表情が凍りつく。


「けんきゅう……じょしゅ?」(母)


光丸は頷き、説明を続けた。


「私の知識を記録し、道具を扱い、実験や設計を補助する人です。

兵でも侍でもなく、“考えることを手伝う者”です。」


兄・忠明は少し笑った。


「そんな人間、この国におるのか?」


「いません。だから、私がこれから育てます。」


光丸の瞳はまっすぐだった。

この時代には存在しない職業を、彼は最初に宣言したのだ。



父の決断


惣右衛門はしばらく黙っていたが、やがて口を開いた。


「お前の言うことは常人の理解を超えている。

だが、この歳でここまでの考えを持つ者を、私は見たことがない。

よかろう。屋敷の中でお前を支える若者を選ばせよう。」


光丸は深く頭を下げた。


「感謝します、父上。

必ず、成果を示します。」


これから1日2本ぐらい投稿していきます

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