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七条河原

おじいさんのありがた~い おはなし。

「斉信殿は異常ないだ。」

「俊賢殿、公任殿と異常なしです。」

「博雅殿、紫式部さんも問題ないと赤子がいっておる。」

「関白殿の屋敷は回りを切ったから問題なし」

 夜になると、四天王はそれぞれ手分けして、要人の屋敷を見回り、頼光に報告をしながら、七条河原に向かってていた。

「それで、金太郎、行成殿はどうなのだ?」

「行成殿は、もう3日以上、部屋にこもって書を書いてるって言ってただ。」

「確認したのか?」

「いや、書を書いているときは、誰にも会わないって言ってただ。」

「そうか?」

「3日以上も、集中できるって、さすがは今三筆と呼ばれるだけありますな。」

「貞兄、三筆ってなんだ?」

「それは、菅原道真、平将門、崇徳院だと赤子が行っておる。」

「季武、それは三大怨霊だ。しかも崇徳院って誰だ?」

 季武は、赤子の力で答えたが、崇徳上皇は100年以上先の人物だった。 

「三筆ってのは空海、嵯峨帝、橘逸勢って100年ぐらい前の書道の達人だ。」

「その達人と同じくらい強いのか?」

 達人という言葉に反応した綱が刀に手をやった。

「今は、亡くなった小野道風殿、藤原左理殿、と合わせて三蹟と呼ばれておる。」

「それは、ぜひとも勝負をしたいものだ。」

「綱、剣じゃないぞ。」

黙って聞いていた頼光は、綱にそういうと、ちょっと考えて、

「ふむ、念のため晴明殿に見てもらおうか。」


 七条河原付近につくと、周囲に結界石が置かれていた。

「貞兄、おら調べたけど、首ってどうなったんだ?」

「そうだな歌詠んだら消えたってのと、飛んでったってのがあるな。」

「どっちが正しいんだ?」

「さあな、飛んだのも関東まで飛んで行ったのやら、落下したのまでいろいろあるな。」

「まあ、今も飛んでるな。」

と、いうと季武は、弓に赤子をつがえるとびゅーんっと発射した。どーかーんという音がしたが、何も落ちてこなかった。

「前々から思っていたんだが季武って見えるのか?」

「さあ、どうだろうな。」

と、いって季武は川の中へ入っていった。そしてしばらくすると赤子を抱えて戻ってきた。

「結界の外には出られないが、飛べる奴は上から出られるってことだな。」

「とにかく切る!」

と、綱が刀をふりまわしていると、何かが切れた。それを見て、頼光も刀を抜いた。

 そして、結界の中に向かって剣を振った。やはり、何か手ごたえがある。

「綱、結界の中には入らずに、外側から切り付けろ。季武は、飛んでるやつがいたら落とせ。金時と貞光は、保昌殿と晴明殿を呼んでこい。」

 それから、頼光と綱は、結界の外から気配のする方に刀を振り、季武は赤子を発射しては、川に入っていった。


「これは、すごい数、切ってますね。」

 結界の中を霊視した晴明はおどろいた。

「しかし、肝心の門が閉じてませんから、これをどうにかしないとですね。」

「晴明殿、どうすればよいのだ。」

「これを閉じるためには、鍵がいりますね。」

 周りがそろそろ明るくなり始めた。すると、結界の外の地面に光るものが落ちている。

「ん、これですね。でもこれじゃ足りないようですね。」 

「これは季武が射落としたものでは、ないのか?」

「ああ、人の首のようなものは2つはあったな。」

「あっ、ここにありましたね。」

 晴明は2つ目の玉を拾い上げた。玉には星が4つ入っていた。

「これは、7つ集めると…ってやつだ。おらまけねえぞ。」

 金太郎は、何かと勘違いしているようだったが、晴明は

「そうですね。集める必要はありそうですね。」

「でも、どこを探せばいいんだ。出てくるのを待つのか?」

 遅れてきた保昌がたずねると

「それでは、結界が持ちませんね。とりあえず笛を吹いてもらえますか。」

 保昌は、急いで博雅から借りてきた「葉二」を吹いた。当たりから魔物の気配が消えた。

星が入った玉って?

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