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むかし、むかし

作者: ぺんきっき

むかし、むかし。地球のあるところに30代後半の夫婦がおりました。

夫婦は好きな事はもう随分したし、そろそろ子供がほしいねと話し合ってたところ子供が出来ました。

男の子で名前は『太郎』と名付けました。

太郎はすくすくと育ち、「小学校」「中学校」「高校」そして「大学」を出て大手企業の「サラリーマン」になりました。

会社には太郎をいじめる嫌な「上司」がいました。

「サン会社の『契約』を取ってこなければ首にするぞ」と上司は言います。

サン会社と言うのはとても大きな企業で今まで誰も契約を取れた事がありません。

受付で担当者に面会を頼みますがいつも断られました。

サン会社の受付の綺麗な女の人はいつも申し訳なさそうに

「大変申し訳ございませんが、担当者は今会議中でお会いできる事が出来ません」と言いました。

だけど、太郎は暑い日も寒い日もそして雨の日も風の日も毎日通いました。

すると段々、受付の綺麗な女性と仲良くなってきました。

太郎は結構「イケメン」だったのです。

ある日の事、すっかり仲良くなった女性が

「私から話しました。お会いしてもいいそうですよ」と言いました。

太郎は担当者に会い、なんと!契約が取れました。

太郎は大喜びで上司に報告に行きました。

上司は「ふん」と言っただけでした。

しばらくすると朝礼の時にサン会社との契約が取れたと発表がありました。

でも、驚いた事に取ってきたのはあの嫌な上司だと発表されたではないですか!

太郎は怒って上司に詰め寄りましたが

「私が取ってきたと言ったほうが後の話がしやすい」と上司はいい「嫌なら辞めていいんだぞ!」と太郎を脅しました。

太郎は悔しいけど「サラリーマン」なので上司には逆らえず、黙って下がりました。

でも、後から声がしました。

「君には太郎君を首にする権限はないぞ!」

なんと会社の「社長」が立っていました。

そして後には何故かあの綺麗な女性がいました。

「娘から話は聞いた、ずっと通い続けて契約を取ってきたのは太郎君ではないか!」

なんとあのサン会社の受付の綺麗な女性は「社長令嬢」だったのです。

自分の父親の会社で働くのではなく、よそで経験をつみたいと言ってサン会社で働いていたのです。

太郎と社長令嬢は黙って見つめあいました。

あの嫌な上司はその日に辞表を出し、辞めていきました。

そしてその後太郎は社長令嬢と順調に交際し結婚しました。

社長令嬢が一人娘だったため、社長を継ぐことになりいつまでも幸せに暮らしましたとさ。


めでたし、めでたし。



***********************************


「お父さん!面白かったよ!もっと読んでよ」と小さな男の子が言った。

「駄目だよ、お父さんは今から出ないと駄目だからね」と若い父親は本を閉じた。「さあ、もう寝なさい」

男の子はちょっと目を閉じた後、少しあけて

「昔の『地球の人』は大変だったんだね。会社や小学校ってどんなところなんだろうね」

「さあ、お父さんもわからないな。明日調べておこうね」


父親はそういって男の子の頭をなぜた。

男の子はすぐに眠りについた。


父親は子供部屋を出てドアを閉めた。


遥か昔、地球と言う星は勝手な人間達の手によって滅びを迎えた。

何年も前から対策をたてたがもう手遅れの状態で、人々は新天地を探し、この星を探し当てた。

何年も何年もの努力で人類が移住できるよう計画し、崩壊寸前のところで全人類が移り住んだ。

人々はそれまでの教訓を生かし、質素な生活を心がけ新しいこの星を大切にした。

地球に良く似たこの星は豊な星だった。

それに宇宙に出れるほどの科学力が人類にはあるので、わずかな物質で生活が出来るようになった。

人々はあくせくと働くことなく穏やかな生活が出来るようになった。


ただ・・・ひとつをのぞいて・・・。


「さて、用意をするか」

若く屈強な父親は道具箱から剣を出した。

『勇者の剣』と呼ばれるその剣は特殊な光線が出て何者をも貫く事が出来る。

しかし、あいつらだけは・・・。


この穏やかな星にはたまに『宇宙怪獣』が襲ってくる。

それはこの星の地下から生まれたり、他の星から来たりもする。

彼らには知能はなく、ただ人間を食料とだけしか見ていないようだ。


「よし」

若い父親は宇宙怪獣と戦うべく着替えを済ませた。

今日の怪獣は昔の地球の話に出てくる『ドラゴン』と言うのに似ているらしい。

父親は家に情報部から設置されている端末で情報を得て、出動していった。


「会社の社長になっていつまでも幸せに暮らしましたって昔って良かったんだな」ってつぶやきながら。


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