四:サクラの下で晝寢す
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〜〜〜〜〜≡≡≡≡≡≡≡≡「 フール=リッシュエスタの能力」≡≡≡≡≡≡≡≡ 〜〜〜〜〜
名称:フール=リッシュエスタ 種族:人間種ヒト 職業:光之武士
無抵抗時最大生命力 ライフ:200 (+160) / 360
↑ 1up 10000pt
成長値 レベル:Lv . 2
保有特典数 ポイント:2600pt (日替わり,ランダム)
能力値:
*瞬間最高物理出力 パワー:180 (+600)
↑1up 5000pt
*5秒継続最高物理防御 ガード:60 (+40)
↑1up 9000pt
*瞬間最高加速 スピード:903 (+1500)
↑1up 10pt
*最高活動時最長持続兼最大保有体力 スタミナ:300 (+400)
↑1up 600pt
*戦闘時武器親和度 ウェポンコネクション:200 (+900)
↑1up 300pt
*瞬間最高魔法出力 マジックパワー:200 (+300)
↑1up 7500pt
*5秒継続最高抗魔法力 マジックガード:200 (+200)
↑1up 11000pt
*最高活動時最長持続兼最大保有魔媒素量 マジックスタミナ:360 (+360)
↑1up 800pt
*無抵抗時最高魔法親和度 マジックコネクション:150 (+450)
↑1up 500pt
*活動時最高幸運 ラッキー:70 (+7)
↑700up 777777(固定)pt
*成長率 アップグレード:400 (+400)
↑1up 6000pt
*累積能力値相対化段位 総合ステータス段位:Gー1位/1体中
発動可能魔法一覧 スキル:戦闘系ー 「俊足Ⅰ」 、「『EX』目眩し斬」/計2個
生産系ー 「X生成(未定)」 /計1個
支援系ー 「やる気」、「(New!)看破」/計2個
操作系ー 「念動Ⅰ」 /計1個
取得可能魔法一覧 カンハブスキル:戦闘系ー 「なし」/取得0pt
生産系ー 「創糸」/取得9000pt
「(New!)身体浄化」/取得2000pt
支援系ー 「回復」/取得5000pt
「修復」/取得6000pt
「(New!)鑑定」/取得300pt
操作系ー 「なし」/取得0pt
個人能力値:*発現特異魔法名称 ユニークスキル:「虎狼痢」
(「(未発現)カンサー」)
(「(未発現)迸る閃光」)
*進歩可能進歩先ー[俊足Ⅰ]____「『EX』石火Ⅰ」
[やる気]_|
*称号ー《____》
*総使用器ー 黎明/刀/武器耐久値 ∞(使用者のライフと連動)
(使用者「フール=リッシュエスタ」固定)
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「お〜。見事に変わっているね。レベルっていうのが1上がって全能力値が上昇してる。なんかこの…「鑑定」?とか「身体浄化」とやらもちゃっかり取得できそうだし」
解析玉を確認したら、レベルが上がったことと新たなスキルに「看破」を新たに取得しているのが確認でき、カンハブスキルの欄に「鑑定」と「身体浄化」が追加されたことも分かった。
確かに体が軽くなった感はあるな。
さて、
「明日からは雲穿塔に入り浸るから、強化できるところから強化してこう!」
というわけで、まずは「鑑定」と「身体浄化」を取得。
『「鑑定」を取得しました』
『「身体浄化」を取得しました』
そして残りの300ptを全てスピードに。
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*瞬間最高加速 スピード: 933(+1500)
↑1up 10pt
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スピードは上げるに越したことはないからね。
あと進歩可能進歩先に「石火」があった。
よし。合成するか。
『「俊足Ⅰ」と「やる気」を統合しました』
『「『EX』石火Ⅰ」を取得しました』
よし、これで強化完了!
眠いから俺は…もう……寝る………。
——そして翌日
「ふぁあ〜。よく寝た、よく寝た」
今日から雲穿塔第百階層、目指すぞ〜!お〜!
「ん?もう10コク!?やばい、これは出発から出遅れてしまった!」
最後まで締まらないフーリであった。
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side:????
思考する。なぜ自分がこんなことになってしまったのか。
思考する。何のために自分はこんなことをするのか。
思考する。自分は一体何なのだろう。
思考する…………。
自分が雲穿塔と呼ばれているところにいたのは覚えている。
そこでいつも通り挑戦者とやらを待っていたのも覚えている。
そうだ、自分はここへ転移されてしまったのか。
そもそもここに来るまで自分は自我なんてなかったはずだ。
それに自我を持ったことで力も上昇している。
では、この違和感は何なんだ?
ギュオオ゛オォオウオ゛オオウゥオォオオ゛オオゥオオ゛オオゥオオ
この世のものとは思えない(自分も怪異なのは置いといて)声を上げながら寄ってくる黒い物体を見た。
それは万物を魅了する妖しい輝きを放ち、かつ、絶対的王者の領域に立ち入ってしまったという危機感を煽ってくる。
あぁ、もう逃げられないんだな。と心の中ではわかっている。
やはりどこかにこれは夢で逃げられるのではないか、という思いが心のどこかにある。
これは現実だとわかっているはずなのに。
自分はどうしたいんだろう。
何のために。
考えて、考えて、考える……。
わかった。もうどうせ最期だし、自分は全力で生きる。
臆病なやつになりきって、この悪夢から逃げ切ってやる。
『一定条件に達したことにより、称号《臆病王》を取得しました』
『条件を達成したため、EXランクへとランクアップしました』
何か声が聞こえてきた気がする。
見える、全てが見える。相手がどんなことをしようとしているのかが見える。
今なら逃げられる。
ここから逃げよう。
そして強くなってからこの黒い物体を倒して見せよう。
『一定条件に達したことにより、名称を「ブレイ」へ設定します』
『熟練度が一定に達したことにより、「『EX』未来視」を取得しました』
『熟練度が一定に達したことにより、「察知(極)」を取得しました』
『熟練度が一定に達したことにより、ユニークスキル「逃げる」が発現しました』
「逃げる」を発動。
『「罪竜領域」から脱出しました。「逃げる」を重複発動を確認。熟練度が一定に達したことにより、「『EX』自在転移」を取得しました』
逃げよう。
逃げよう。
逃げよう。
悪夢から逃げよう。
地獄から逃げよう。
絶望から逃げよう。
そして幸せになろう。
『熟練度が一定に達したことにより、怪異種から獣種フェニックスへ進化しました』
『熟練度が一定に達したことにより、「人化」を取得しました』
紅蓮の羽毛が生え、金色の嘴へと変化する。
その体は勇気の祝福に包まれている。
『熟練度が一定に達したことにより、「『EX』英雄讃歌」を取得しました』
1匹の怪異モンスターは、大いなる脅威を超えて、最強の内の1体へと成り上がる。
臆病でも、いつかその大いなる脅威へと立ち向かうため、彼女は紅蓮の翼ではばたき、自由な大空へと飛んでゆく。
『熟練度が一定に達したため、称号《克服者》を取得しました』
彼女から落ちた1枚の羽毛は地面に落ちて1本の大樹へと育つ。
人々はそれを「桜」とよび、勇気の象徴としたという…。
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第百階層を目指すため、もう手加減はしない。
第五階層までの怪異は全部サピエンだった。
なのでヘイト寄せの鈴を使って、サピエンがヘイト寄せの鈴で集まってきたところを一蹴。
サピエンは暗いオレンジ色の怪異で、10歳の子供と同じくらいの身長、指と同じ長さもある鋭い爪、先が金属でできた歯を持つ最も弱い怪異(だと思う)である。もちろん(?)ハゲである。
第六階層からはサピエンの代わりにダイラビッツが現れるようになった。
ダイラビッツは大きな体に見合わず俊敏で、ヘイト寄せの鈴が効かず、その体毛は液体窒素に入れたバナナと同じくらい硬い(?)。
そして何より数が多い。
見渡せば少なくとも20体のダイラビッツがいる。
ライフが少ないのは唯一の幸いか。
まあでも、黎明にかかればこれくらいスパッと切れるさ。
丁度今はまだ結界を壊していないため、中心にダイラビッツが集まっている。
それを壊す。
壊した瞬間は怪異が一瞬怯むので、即座に「『EX』石火Ⅰ」発動、「念動」発動、「看破」発動。
「念動」で自分の体を後ろから押しつつ、「『EX』石火Ⅰ」で出せる最高速を出し、「看破」で弱点を見破って「黎明」で首を切る。
気づけば、目の前のダイラビッツで最後の1匹だ。
そのまま一閃。
首から頭がコトリと落ちた。
同じように第九階層まで難なくクリア。
強いていうなら第八階層から鋭い角が生えたダイラビッツ、鑑定によればディエラビッツが現れたが、こちらも難なく「黎明」で喉を掻っ切る。
そして時間はまだ12コクだが、もう第十階層だ。
だが、第九階層のディエラビッツを倒した時から、第十階層から今までとは違う気配を感じる。
——でも、なぜだろうか。
俺は負ける気がしない。
というか負けること自体があり得ない。
多分、俺のレベルが上がったからなのだろう、と思考する。
いよいよ第十階層。
そこにはエニサピエンと呼ばれる怪異がいる。
エニサピエンとは、サピエンが大きく、筋肉質になり、さらに新たに6本の腕が生えたものである。
その額には6本の小さな角と1本の大きな角が生えている。
また、元の2本の腕は新たに生えた6本よりも一回り大きい。
「折角、2本の腕があるからな。この2本でお前をぶちのめしてやる。」
そう言って俺はいつも通り結界を壊しにいく。
瞬間、背筋からゾクッと寒気がしたかと思うと、体が重くなったように感じた。
「看破」発動。
「恐怖付与」発動が確認。「鈍足」発動が確認。
「鑑定」により、「恐怖付与」は恐怖を相手に与えるスキルで、「鈍足Ⅰ」は相手のスピードを5%下げるスキルであることが分かった。
「だからどうした!俺はお前に負ける気なんか無い!」
「石火Ⅰ」を右腕だけに発動。
「看破」発動。相手の「咆哮」発動を確認。
すかさず「石火Ⅰ」を纏った右腕で辺りの空気ごと「咆哮」を殴り飛ばす。
——まさか成功するとは思わなかった。
絶妙な調整で足だけに「石火Ⅰ」を発動。
そのままエニサピエンを蹴っ飛ばす。
エニサピエンはゴロゴロと転がって壁にぶつかるも、受け身を取ったのかそれほどライフを削ったわけではなさそうだ。
「鑑定」発動。相手の残りライフを「鑑定」。
そのままエニサピエンを殴り続ける。
「恐怖付与」と「鈍足Ⅰ」が解除されたのがわかる。
「お前、もう残り300だぜ。最初は500もあったのによっと」
相手に自分の言葉が伝わってるかどうかは分からないが、煽ってゆく。
しばらく殴り、「鑑定」してみると、相手の体力がもう100を切ったことが分かった。
1本の腕が殴りかかってきて、それを受け流し、
2本の腕で頭を潰されかけたので、頭を下げて胴に蹴りを入れ、
3本の腕の突きを全てさらす。
2本の腕と2本の足の乱打の全て捌き切る。
「看破」のおかげで不意打ちにも問題なく対処できる。
そろそろ倒れるか…?と思ってしまった。
だがそれは旗だった!
エニサピエンの角が銀色に染まってゆく。
爪の色も銀色に染まってゆく。
牙の色も銀色に染まってゆく。
そして、最後に体が白色に染まってゆく。
「はっ。ここにきて最期の悪足掻きか?いいぜ!乗ってやる!」
さあ、今第2ラウンドの始まりのゴングが打ち鳴らされる。