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バカと呪いと魔法学園 ~魔法を知らない最優の劣等生~   作者: 出雲大吉
第5章

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207/212

第207話 そういえば、手を洗ってないような……?


 作戦も決まり、解散となると、家に帰り、漫画を読んだり、スマホを弄ったりと部屋でゴロゴロと過ごす。

 隣の部屋からどたどたという音と共にイルメラの笑い声も聞こえているので遊んでいるのだろう。


 俺もフランクとセドリックのところにでも行こうかなーっと思っていると、ノックの音と共に扉が開き、母さんが覗いてくる。


「ツカサ、ミシェルが来てるわよ」

「ミシェルさん? 何か用?」

「話があるんですって。トウコはお友達が来ているみたいだし、ツカサだけでもって」


 ふーん。


「まあ、トウコには後で話せばいいか」


 ベッドから起き上がると、部屋を出て、1階のリビングに降りる。

 リビングではミシェルさんがコーヒーを飲みながら待っていた。


「ツカサ君、こんにちは。作戦は決まった?」

「こんにちは。決まりましたよ。もうほぼペア戦に行けるのは決定的なんで各個撃破です」


 そう答えながら席につくと、母さんがキッチンから俺の分のコーヒーを持ってくれ、スマホを見始めた。

 何度も指でスライドさせているので漫画を読んでいるんだろう。

 母さんは読書家なのだ。


「安心できる5人だものね」

「少なくとも、ケンカはしませんね」


 俺とトウコくらいだろう。


「頑張ってね。それで今回のことを一応、お婆様にも報告しにいったのよ」

「婆ちゃんは何て?」

「陽動のように思えるって」


 陽動?


「どういうこと?」

「目を対抗戦に向けさせて、別のところで動くんじゃないかってこと」


 町でテロでもするのか?


「ジョアン先輩が出てくるってことは何かあるんでしょうしね。強化薬で強くでもなったのかなと思いましたが、イルメラに瞬殺されたようですし」


 何かがないと戦闘タイプじゃないジョアン先輩が出てくることは考えにくい。


「そういうこと。だから生徒さんは外出を控えてもらっているわ」

「だからイルメラやユイカが来てるのか」


 ノエルもいるかもしれない。


「半分は実家に帰っているみたいだけどね。あなた達もなるべく外には出ないで」

「出る予定はないですね。日曜にシャルの家に行くくらいです」


 土曜はペア戦なので今週の勉強会は日曜になったのだ。


「そこは私もついていくから大丈夫」


 チェスをしながら考える人のコスプレをするわけね。


「ツカサ、駆け落ちはまだしも、他所の町なんかに行ってはダメですからね」


 母さんが顔を上げた。


「行くわけないだろ。それに駆け落ちはまだしもって何だよ」

「そこはもう仕方がないかなーとお父さんと話しています」


 しょうもない話してるなー。


「せんわ。そんなことよりも次のテストと呪学を修めることが大事なの」

「聞きました、ミシェル? 勉強が大事ですって。こんな子じゃなかったのに……」


 母さんが目頭を押さえる。


「お互いを補える良い2人だとは思いますね。ちょっとお嬢様の方が嫉妬深いですけど」

「ツカサ、何にせよ、ちゃんとお母さんに相談するんですよ? お母さんは慣れてますし、得意です」


 何が……?

 このババア、頭の中身までマヨネーズになったか?


 話が終わったので2階に上がると、ちゃんと勉強しようと思い、シャルが作ってくれた参考書を開く。

 その後、この日も特に家から出ることもなく、漫画を読んだりしながら過ごすと、早めに就寝した。


 翌日、午後からチーム戦最後の試合があるため、午前中のうちに準備をすると、寮に行き、ロナルドと合流する。

 そして、男子寮と女子寮の分岐点でトウコ、ユイカ、ユキと合流し、ジェニー先生の部屋に向かうと、定位置のノートパソコンの前にいるジェニー先生とミシェルさんが待っていた。


「ミシェルさん、こんにちはー」

「はい、こんにちは。これからチーム戦最後の試合に向かってもらうけど、その前に一つ報告があるわ。2位だったキースの町が午前中に校内戦を行ったんだけど、4人を倒し、ポイントを26まで上げて、暫定1位に躍り出たわ」


 ウチが21ポイントだから差は5ポイントか。


「誰も倒されなかったら2人倒せばいいわけですね」

「そういうこと。そして、町のお偉いさんはこの結果に大変満足しておられ、この際だから1位を取れと言ってるわ」

「そうするつもりですけど、何かないんですか?」


 焼肉でも奢ってくれ。


「就職に有利よ。きっと推薦をもらえる」


 おー! すごく魅力的!


「頑張ります!」

「嬉しいのはお兄ちゃんだけじゃん」


 トウコが呆れる。


「お前ら、就職せんのか?」

「大抵、家の関係でしょ。ユキに至っては当主様じゃん」


 ホントだ……


「まあ、気にするな。推薦などなくても家の名が上がる。それで十分だ」


 ユキが深く頷いた。


「色々と言いたいこともあるでしょうけど、一応、そういうことだから。まあ、普通にやってちょうだい。それで勝てると思うわ」


 まあね。


「じゃあ、行きますか」

「校内って夜かなー?」


 トウコが聞いてくる。


「じゃないか? 夜の学校は小学生の頃を思い出すな」

「お兄ちゃんがノートを忘れて忍び込んだやつね」

「そうそう。お前がトイレで泣いたやつ」


 途中でトイレ行きたいって言ったから連れていったら怖ーいって泣き出した。


「お兄ちゃんが電気を消したからでしょ。ついでに自分で消したくせに『ぎゃー!』って騒いだから」


 手を置いたらスイッチだったんだよ。


「漏らしたんだよな?」

「パンツを降ろした後だからセーフだったよ」


 そうだったかな?

 泣いているトウコの手を引っ張って帰った記憶がある。

 なお、帰ったら親にめっちゃ怒られた。


「出たよ、双子の謎の微笑ましいエピソード……」

「君ら、本当に仲良しだね……」


 ユイカとユキがそう言うと、周りが温かい目で俺達を見てきた。


「「ううん、全然! むしろ悪いくらい!」」

「「「………………」」」


 イルメラー!

 ちょっと来てー!


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ぴったり揃えずにタイミング外してみたら逆に受けたりして。
トイレの後の手洗いは大事だね、うん
この双子芸本当に昔はウケてたのか???
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