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バカと呪いと魔法学園 ~魔法を知らない最優の劣等生~   作者: 出雲大吉
第5章

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175/199

第175話 問題は?


「何? あんたら、海に行ったの?」


 イルメラが聞いてくる。


「行ったな。大所帯だったけど」


 俺、トウコ、シャル、ユイカ、ユキ、クロエ、ミシェルさんだから7人だ。


「へー……会長とイチャついてたわけ?」

「別にイチャついてないぞ。普通だ」

「と、言ってるけど?」


 イルメラがトウコとユイカを見る。


「彼女にしか見えなかった」

「彼氏にしか見えなかった」


 あっそ。


「ふーん……ツカサさ、マジな話だけど、どうすんの?」

「どうもせん。イヴェールもラ・フォルジュも知らんわ」


 マジで知らん。

 ウチのミシェルさんも普通にクロエと仲良く遊んでたわ。

 半分以上固まってたけど。


「あー……なるほど。会長はこういう強引なのが良かったんだ」

「そんな感じ。バカな不良と真面目な優等生のやつ」


 バカは百歩譲って認めても不良ではない。

 むしろ、不良は暴力姫のお前だ。


「ナイトとお姫様」


 お姫様はお前相手に自爆したけどな。


「仇敵の名門同士の禁じられた恋……それはバーニング」


 おい、ノエル……帰ってこい。

 ちょっと赤くなってるじゃねーか。


「あー……なるほどねー。こっちの噂の方が早そうだわ。こっちを消す方に尽力するか……」

「できます?」


 ノエルが悩み始めたイルメラに聞く。


「難しいけど、表立って言わないようにしてもらうしかないかな……ツカサと会長が組んでたのはもう皆知ってるし」

「呪学も一緒に受けてますよね? どう見ても仲良しこよしです。ラブの匂いしかしません」


 それはノエルが恋愛脳だからでは?


「ツカサはラ・フォルジュと関係ない。これでいこう」

「実際、長瀬ですし、ツカサさんは分け隔てないですからそんな感じですもんね」


 そうそう。

 それで売ってる。


「よし、早速、寮に戻るわよ」

「わかりました! ユイカさん、帰りますよ」

「そだね」


 女子3人は頷き合うと、演習場から出ていった。


「じゃあ、男子は俺らか」

「そうなるね。友のために頑張ろうじゃないか」


 フランクとセドリックも頷き合い、演習場を出ていく。

 この場には俺とトウコが残された。


「イルメラはからかって楽しんでいたのかね? それとも噂を消そうとしてくれてるのかね?」


 イルメラは面倒見がいいところもあるからどっちが本音かわからない。


「どっちもでしょ。でも、シャレにならないことがあったから噂を消す方に力を注ぐことにしたんでしょ」


 俺とシャル?


「俺らが兄妹ってどうでもいい感じなのかね?」

「というより、お兄ちゃんがラ・フォルジュなのがマズいんだよ。私と会長がライバルって言われてるのもラ・フォルジュとイヴェールの関係が大きいのにその会長の味方がラ・フォルジュってどう考えてもヤバいでしょ」


 うーん、わからないでもないが、学生の身で何を言っているんだろうって思うな。

 これが次期当主同士のシャルとエリク君ならまだわかるんだが……


「ハァ……まあいいや。帰ろう」

「そうだね……」


 俺達も演習場から出ると、寮を目指す。


「バラすつもりではあったが、急だったな」

「この前の帰りに誰かに見られたんだろうね」

「だろうな。先生方は俺達が兄妹なことを知っているし、ウォーレス先生のことがあったから停学とかにはならないと思う」


 兄の部屋に行っただけとはいえ、トウコが男子寮に入ったのは事実なのだ。


「だろうね。ウチら、被害者だし」

「トウコ、父さんが言ったことを覚えてるな?」

「なるべく一緒にいろ、ね。まあ、仕方がないか。氷姫から卒業できて嬉しいけど、お嬢様のメッキを剥ぐ時が来たのか……」


 それは残念ながら魔法大会の時に剥げている。


「スーパーエリートウコ様で売っていけよ」


 暴力姫だけど。


「そうするか……」

「町の外はどうする?」

「その辺もイルメラと相談かな……」

「俺もフランクとセドリックに相談してみるわ」


 あいつら、良い奴らだからきっと親身になってくれる。


「ハァ……魔法学校でも兄妹か……」

「悪いな」


 後から入ってきちゃった。


「家にいて、長瀬さんちがとんでもない空気になるよりマシだよ」


 ボンクラニートでごめんね。


 俺達は話をしながら男子寮と女子寮の分岐点までやってくると、立ち止まる。


「怪しい気配はあったか?」

「全然。やっぱり学校の敷地内はないんじゃない?」


 そうかもな。


「そうだと思うが、油断はするなよ。この歳で伯父は嫌だ」

「嫌な想像をさせるねー」


 トウコは笑いながら女子寮の方に行ったので俺も男子寮の方に行く。

 そして、家に帰り、しばらく部屋でゴロゴロと過ごしていたのだが、気になってきたので寮に戻る。


「セドリックー、いるかー?」


 対面の部屋の扉をドンドンと叩く。


『いるよー。ちょっと待ってねー』


 声が聞こえたので待っていると、セドリックが出てきた。


「よう。どうなったのかが気になってきた」

「だろうね。フランクの部屋に行こうか」

「そうしよー……フランクー」


 すぐに俺の隣の部屋をドンドンと叩く。

 すると、すぐにフランクが出てきた。


「お前、声がでけーよ」

「悪い、悪い」

「まあ、用件はわかってる。入れよ」


 フランクがそう言って招いてくれたのでセドリックと共に部屋に入った。


お読み頂き、ありがとうございます。

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