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バカと呪いと魔法学園 ~魔法を知らない最優の劣等生~   作者: 出雲大吉
第4章

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144/199

第144話 髪を染めたらワンチャン?


 昼食を食べ終えると、フランクとセドリックと別れ、家に帰った。

 時刻はまだ10時であり、特にやることもないのでベッドに寝転びながら漫画を読む。

 そのまましばらく漫画を読んでいると、隣の部屋から音がしだした。

 どうやらトウコが帰ってきたようだ。


「ん?」


 トウコが帰ってきたのはいいが、話し声が聞こえる。

 リディが来たのか?


 何だろうと思いながらも引き続き、漫画を読んでいると、扉が開かれた。


「おー、本当にいる」

「漫画読んでる」


 なんか来たし……


「トウコ、誰だ、そいつら」


 なんか制服を着た女子が2人おるぞ。


「友達。同じクラスの赤羽ユイカさんとAクラスの白川ユキさん」


 知ってる。


「ふーん。その紅白コンビが何の用だ?」

「海に行くんだけど、その打ち合わせ的な?」

「あっそ。家に呼ぶ時は事前に言えよ」

「お兄ちゃんが言う!?」


 言うよ。


「お兄ちゃんだって」

「トウコ、キャラ作りすぎてるから違和感あるよね」


 紅白コンビがひそひそしてる。


「よう、ユキ。ユイカはさっきぶり」


 漫画を置き、起き上がった。


「お邪魔しています」

「さっきぶりー」


 ユキが丁寧に頭を下げ、ユイカがピースする。


「トウコ、部屋に戻れ。お茶持っていくわ」

「おねがーい」


 トウコはそう言って、部屋に入り、床に座った。


「いや、お前の部屋に戻れよ」

「狭い」

「トウコの部屋、お人形さんまみれだったね」

「逆に怖くないのかな?」


 あー、汚いとは言わないが、物が多すぎて散らかっている部屋だったな。


「まあいいわ。ちょっと待ってろ」


 そう言って、部屋を出ると、1階に降りる。


「母さーん、なんかトウコが友達を連れてきたー」


 リビングでテレビを見ていた母さんに声をかけた。


「友達? 珍しいですね」

「学園のだな。寮から連れてきた」

「ということは女の子ですね。1人?」

「いや、2人。同じクラスのユイカとAクラスのユキ。どっちも日本人だわ」


 そう答えると、母さんが立ち上がった。


「お茶を持っていきます。お菓子あったかな?」


 母さんがキッチンに向かう。


「俺の部屋だから」

「あなたの部屋?」

「トウコの部屋は人を招く部屋じゃないんだと」

「確かに……」


 母さんが微妙な顔で納得した。


「片付けるように言わないの?」

「ぬいぐるみは言いにくいんです」


 母さんや婆ちゃんが買い与えたものだからか?


「ふーん。とにかく、お願いね」

「はいはい。ちなみにですけど、あなたも知り合いなんですよね?」

「ユイカは同じクラスだしな。ユキも日本人だし、魔法大会で戦った相手だわ。というか、今度、海に行くのがあいつら」

「なるほど……わかりました。持っていきます」


 母さんが準備をしだしたので2階に上がる。

 そして、部屋に戻ると、制服を着たバーサーカー3人衆が床に座りながらローテーブルを囲んで何かを見ていた。


「何見てんだ?」


 ベッドに腰かけながら聞く。


「水着」

「あー、買うって言ってたな。買いに行ってもいいけど、お茶を飲んでからにしろよ。母さんが用意してくれてるから」

「今日は行かないよ。明日行く。お兄ちゃんも来る?」


 行かねーわ。


「俺は用事がある」


 いつもの勉強会と武術の訓練。


「あー……例のやつね。ユイカ、ユキ、お兄ちゃんは来ないって」

「来られても困るがな……」

「うん」


 だろうな。


「水曜から行くんだっけ?」


 一応、今回のホストであるユイカに確認する。


「うん、その予定。メイドさんを名乗る人から確認の電話があったね」


 クロエだ。


「ちゃんとスイカを買うように言ったか?」


 ユキはそこにこだわりがあるらしい。


「言った。ちゃんと丸ごとって言っておいた」


 しかし、本当にスイカ割りをやるんだな……


「よしよし。秘技を見せてやろう」

「うん。期待してる。それよりか、ジュリエットが来るって本当?」


 ユイカが頷くと聞いてくる。


「絶対に行かないって言ってたけど、来るってさ」

「うーん、さすがはジュリエット……」

「ジュリエットが来るならロナルドも来たら良かったのにな」


 ロナルドが来たら魔法大会で戦った相手が揃うわけか。

 もっとも、アーサーとヘンリーはいないけど。


「来ないの?」

「さすがにそのためだけに日本には来らんだろ。あいつはアメリカ在住だからな」


 ロナルドってアメリカ人だったのか。


「それもそっか。私達は日本だからどうとでも…………あれ? ジュリエット?」

「イヴェールってフランスじゃなかったか? すごい執念だな……」


 ユイカとユキが俺のことをじーっと見てきた。


「シャルはこっちに住んでいるんだよ。だから問題ない」

「え? そうなの?」

「イヴェールの次期当主がなんで日本に?」


 それは俺も気になっている。


「知らん。でも、そのことを絶対に聞くな。ちょっと事情がありそうだ」


 シャルやクロエの口ぶり的に簡単な理由ではなさそうだった。


「そっか……まあ、聞かないよ」

「そうだな。誰にも聞いてほしくないことはあるし」


 ユキが一番わかっているだろうな。

 ミス・地雷原だし。


「それで水曜はどんな感じの予定で行くんだ?」

「あ、それそれ。メイドさんと話したんだけど、まず車がないから借りるんだってさ」


 普通の車しかないって言ってたもんな。

 さすがに7人は乗れないだろう。


「レンタルね。リムジンかな?」

「それはないんじゃない? えーっと、朝にここに集合だってさ。メイドさんがジュリエットとミシェル先生を連れて、ここに来るらしい。私とユキは寮からここに来るからよろしく」


 都内とはいえ、一応って言ってたし、そっちの方が早いか。

 アストラル経由の移動って国内だと本当に便利だわ。

 というか、やろうと思えば、トウコの部屋からシャルの家に行けるんだよな……

 見つかったら魔法使い女子にフルボッコだからやらないけど。


『ツカサー』


 俺達が予定を話していると、外から母さんの声が聞こえてきたので立ち上がり、扉の方に行く。

 そして、扉を開けると、お盆にコーヒーとお菓子セットを乗せた母さんが立っていた。


「ようこそいらっしゃいました。ツカサとトウコがいつもお世話になっております」


 部屋に入ってきた母さんが笑顔でそう言いながらお茶セットをテーブルに置く。


「いえ、こちらこそいつもお世話になっております。私は白川家の当主、ユキです。どうぞよろしくお願いいたします」


 正座のユキがそのまま深々と頭を下げた。


「赤羽ユイカです……え? 土下座するの?」


 土下座にしか見えないユキを見たユイカが聞いてくる。


「せんでいい」


 ユキがバカ丁寧なだけだ。


「ご丁寧にどうも。ゆっくりしていってくださいね」


 母さんはそう言って、笑顔のまま部屋を出ていった。


「うーん、若い、美人、外国人だったね」

「ラ・フォルジュのお姫様だろ。しかし、君らはハーフとは思えない顔立ちだね」

「「ほっとけ」」


 小学校の時の授業参観でも中学の時の三者面談でも散々言われたわ。

 

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